愛媛県のTBS系列局あいテレビが制作したバラエティ番組で進行役を務めたフリーランスのアナウンサーが、レギュラー出演していた有名タレントらからの性的な言動、そしてその様子を強調した編集で放送され続けたことにより、心身に不調をきたして番組を降板した。フリーアナウンサーは、仕事を失うおそれがあることから、出演業務を全うすべく、視聴者には嫌がる様子を見せないように気丈にふるまっていた。
フリーアナウンサーは民放労連に相談し、放送スタッフユニオンに加入して2024年7月にあいテレビと団体交渉を行って、セクシュアルハラスメントの調査と謝罪を求めたが、テレビ局はセクハラの事実を認めようとしなかった。
フリーアナウンサーは、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状を含む重いうつ病と診断され、治療に専念しているため定職に就くことができない。今でもフラッシュバックに悩まされることもあり、将来の生活のめども立たない状態に置かれている。それでも、自らの尊厳の回復と、業界の因習が改善され同じように苦しむ人がこれ以上増えないことを願って、2025年6月、あいテレビを相手に損害賠償を求める裁判を起こした。あいテレビ側は、本人が悩んでいることに気づかず、性的な言動については「黙示の同意」があったと主張して、争う姿勢をみせている。
意に反した性的な言動は「性暴力」に相当し、尊厳を傷つける人権侵害に他ならない。私たちは、自分の受けた苦しみが繰り返されないことを願って裁判闘争に立ち上がったアナウンサーの勇気に、心から敬意を表する。このたたかいに賛同する有識者の皆さんなどにより、「原告を支える会」も結成され、闘病中のアナウンサーを支えるために支援を呼びかけている。
私たちは、匿名でたたかうアナウンサーを物心両面で支援するとともに、放送にかかわるあらゆる職場から性暴力の危険を根絶し、安心して安全に働ける労働環境を確立するよう、力を合わせて奮闘していく。
2026年7月31日
日本民間放送労働組合連合会 第143回定期大会
