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 彦根送信所休止・AM放送停波反対 滋賀県民の求める放送の実現を闘う支援の決議文(2026年7月31日)

 KBS京都の事業者は、昨年8月合理化事前協定を無視して滋賀県民が反対する彦根送信所を休止しAM放送を停波するFM転換の実証実験に参加すると一方的に伝えてきました。組合は、強く抗議し停波をやめるよう申し入れました。
 32年前に倒産寸前のKBS京都を救うため署名をしてもらった40万人の人たちのうち滋賀県民の人たちの反対の声を無視して事業者は、「40万人の声よりラジオの赤字をとめるのが大事である」と突き放しました。地元はもちろん全国から批判の声が集まりました。
 組合は、リスナーの声を体してあらゆる取り組みを始めました。労務当局との交渉はもちろん地域からの反対の申し入れ、停波で影響をうける彦根・長浜・米原の湖北地方にでかけ市民集会を開催、反対の声をまとめて署名を開始、わずか9か月で5000筆を集約し事業者に提出。「一刻も早くAM放送を再開せよ」と申し入れました。
 また総務省にも2回でかけKBS事業者への働きかけを申し入れました。国は、実験の担保条件として停波の認知と理解を求めたとのべました。
 組合は、これをうけアンケート調査を行い99パーセントの県民がKBSの停波の告知を知らない人がわかり事業者に「実験ができてもいない」と批判しAM放送再開を求めました。
 7月の知事選挙でも停波をとめAM放送を再開して湖北地方のリスナーに選挙 情報を放送するようにとも申し入れました。
 このように積極果敢な取り組みが拡がり世論でKBS京都を包囲しています。
 あと2か月間の実験の終了までKBSの停波の認知と理解が進んでいないことを一層明らかにしFM転換はできずAM放送を継続せざるを得ない状況をつくっていきます。
 きょう開かれた第143回の民放労連定期大会で京都放送労働組合が訴えた 滋賀県民ののぞむAM放送再開のために闘うことを全会一致で支援することを決議します。

2026年7月31日
日本民間放送労働組合連合会 第143回定期大会

 マリンFMハラスメント訴訟の原告を支援する決議(2026年7月31日)

 神奈川県横浜市内のコミュニティFM・横浜マリンエフエム(マリンFM)で勤務する女性社員(民放労連の組合員)が今から4年前、社長や当時の役員らからさまざまなパワーハラスメントを受け、適応障害を発症して休業を余儀なくされた。
 少人数で運営されるコミュニティFMであるため、当該組合員は、同局の生放送番組や地域で活躍する方を紹介する番組など複数のラジオ番組のパーソナリティを担当していたほか、番組ディレクターや音響エンジニア、広報など他の業務にも携わっていた。しかし、2022年6月以降、理由も示されずに担当業務を次々と外され、広報担当を外されたことをはじめ、パーソナリティを務めていた対談番組を打ち切られた。そして、番組ディレクターやパーソナリティ、音響エンジニアの担当を全て外された。
 事実上仕事がない「待機」を命じられ、会社の役員から「生意気な女だな」「こんなことも分からないのか」など、人格や人間性を否定するような発言を受けていた。別の役員にも被害を申告したのに、適切な対応が取られず、放置された。当該組合員はメンタル不全に追い込まれ、休職せざるを得なくなった。
 当該組合員は労災申請を行い、労働基準監督署は、精神的攻撃によるパワーハラスメントを受け、適応障害を発症したとして2023年に労災認定した。それでも、同社及び社長や役員らは謝罪などの誠実な対応を行わなかった。そのため、当該組合員は2024年3月、横浜地方裁判所に損害賠償請求訴訟を起こした。会社側は、残業代については原告の主張を認めてすでに全額支払ったが、ハラスメントについては争う姿勢を変えていない。裁判は、提訴から2年以上が経過した現在も、続けられている。当該組合員は現在も休業を余儀なくされている。
 人格や人間性を否定するような発言は、人権侵害に他ならない。パワハラ防止のための法制度も整備され、ハラスメント根絶に向けた社会的な空気も醸成されてきているのに、メディア関連の職場ではいまだにハラスメントが横行しているのが実情だ。私たちは、裁判闘争に立ち上がった当該組合員(原告)を支援し、ハラスメントのない安全な職場づくりをめざして奮闘する決意を、ここに表明する。

2026年7月31日
日本民間放送労働組合連合会 第143回定期大会

 「セクハラ番組」訴訟原告を支援し、安全な番組制作環境の確立をめざす決議(2026年7月31日)

 愛媛県のTBS系列局あいテレビが制作したバラエティ番組で進行役を務めたフリーランスのアナウンサーが、レギュラー出演していた有名タレントらからの性的な言動、そしてその様子を強調した編集で放送され続けたことにより、心身に不調をきたして番組を降板した。フリーアナウンサーは、仕事を失うおそれがあることから、出演業務を全うすべく、視聴者には嫌がる様子を見せないように気丈にふるまっていた。
 フリーアナウンサーは民放労連に相談し、放送スタッフユニオンに加入して2024年7月にあいテレビと団体交渉を行って、セクシュアルハラスメントの調査と謝罪を求めたが、テレビ局はセクハラの事実を認めようとしなかった。
 フリーアナウンサーは、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状を含む重いうつ病と診断され、治療に専念しているため定職に就くことができない。今でもフラッシュバックに悩まされることもあり、将来の生活のめども立たない状態に置かれている。それでも、自らの尊厳の回復と、業界の因習が改善され同じように苦しむ人がこれ以上増えないことを願って、2025年6月、あいテレビを相手に損害賠償を求める裁判を起こした。あいテレビ側は、本人が悩んでいることに気づかず、性的な言動については「黙示の同意」があったと主張して、争う姿勢をみせている。 
 意に反した性的な言動は「性暴力」に相当し、尊厳を傷つける人権侵害に他ならない。私たちは、自分の受けた苦しみが繰り返されないことを願って裁判闘争に立ち上がったアナウンサーの勇気に、心から敬意を表する。このたたかいに賛同する有識者の皆さんなどにより、「原告を支える会」も結成され、闘病中のアナウンサーを支えるために支援を呼びかけている。
 私たちは、匿名でたたかうアナウンサーを物心両面で支援するとともに、放送にかかわるあらゆる職場から性暴力の危険を根絶し、安心して安全に働ける労働環境を確立するよう、力を合わせて奮闘していく。

2026年7月31日
日本民間放送労働組合連合会 第143回定期大会

「セクハラ番組」訴訟原告を支援し、安心して働ける番組制作環境の確立をめざす決議(2026年2月12日)

 愛媛県のローカルテレビ局「あいテレビ」が制作していたバラエティ番組で進行役を務めたフリーランスのアナウンサーが、レギュラー出演していた有名タレントらから執拗に性的な言動を受け、その様子を編集したものが放送され続けたことから、心身を病んで番組を降板した。フリーアナウンサーは、出演業務を全うするために、視聴者にはわからないように気丈にふるまっているうちに、心が壊れてしまった。今から 5 年前のことだ。
 アナウンサーは放送スタッフユニオンに加入して、2024年7月にテレビ局と団体交渉を行い、会社としてのセクシュアルハラスメントの調査とそれに基づく謝罪を求めたが、テレビ局はセクハラの事実を認めようとしなかった。アナウンサーは、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状を含む重いうつ病と診断され、治療に専念しているため、いまだに定職に就くことができない。それでも、自らの尊厳の回復をめざして、2025年6月、テレビ局を相手に損害賠償を求める裁判を起こした。第1回期日となった昨年 10月3日、アナウンサーはフラッシュバックに悩まされながらも東京地方裁判所の法廷に立ち、「仕事を続けるために口を閉ざすことを強いられている人が、本当にたくさんいます。いい加減にこんなことが続くことがないように、私は人生を賭けて提訴する覚悟を決めました」と、意見陳述を行った。裁判で被告のあいテレビは全面的に争う姿勢を示し、双方の主張を整理する進行協議が東京地裁で進められている。
 昨年、大きな事件となったフジテレビをめぐる問題では、メディア業界で女性が差別的に取り扱われてきた実態が明らかになった。このような業界の風土を一掃するため、自らの尊厳をかけたたたかいに立ち上がったアナウンサーの勇気に、私たちは心から敬意を表する。民放労連をあげて、このたたかいを支援していく。私たちは昨年12月、あいテレビが本社を置く愛媛県松山市内で訴訟の代理人弁護士を講師にした学習会を開催し、この訴訟の争点について理解を深める取り組みも行った。
 このたたかいに賛同する民放労連内外の皆さんにより「原告を支える会」も立ち上げられた。私たちは、匿名でたたかうアナウンサーを物心両面で支援するとともに、番組制作現場から性暴力の危険を根絶し、誰もが安心して安全に働ける労働環境を確立するよう、力を合わせて奮闘していく決意を表明する。

2026年2月12日
日本民間放送労働組合連合会 第142回臨時大会

民放テレビ局・ラジオ局女性割合調査報告(2025/12/12)

日本民間放送労働組合連合会 女性協議会

はじめに

 民放労連では、2017年度から民放各社の意思決定層における女性割合を継続的に調査しており、今回が7回目となります。また、民放連・新聞協会への申し入れや厚生労働省での記者会見、署名活動などを通じて、女性割合30%の早期達成と、偏った意思決定体制がリスクを高めることを訴えてきました。
 2024年末以降のフジテレビ事案では、性暴力・セクハラ問題の放置・隠蔽に象徴されるガバナンス不全と、それに伴う経営・信頼の失墜が明らかとなりました。その背景には、民放労連が以前から警鐘を鳴らしていた意思決定層の同質性があったといえます。フジテレビは2025年6月に経営層を刷新し、リスク管理・コンプライアンス・人権尊重の体制強化に加え、意思決定層の女性割合3割以上を規定に明記し実現しました。
 この事案は、閉鎖的な組織文化(いわゆるオールドボーイズクラブ)が社員の権利保護やリスク管理を損なう可能性があることを示しました。企業は危機顕在化前に体制を整備し、多様な意思決定体制を構築することが重要です。今後、民間放送業界で同様の問題を再発させないためにも、女性登用の推進やリスク管理・コンプライアンス・人権尊重の強化が求められます。民放労連は、これらの取り組みを後押しするため、引き続き調査と提言を進めていく方針です。

※民放労連によるメディアで意思決定層の女性割合を3割以上にすることを求める活動
2021年2月 厚労省での記者会見
https://www.minpororen.jp/?p=1749
2025年3月 フジテレビ問題を受けた署名活動、キイ局5社、民放連、新聞協会に署名手交 https://www.minpororen.jp/?p=2898
https://www.change.org/women30formedia

そのほか、年2回民放連に、年1回総務省に、各種要請の申し入れをしています。

主な調査結果

▶️フジテレビ、FMHで女性役員3割超! (2025年夏)

 フジテレビ及びFMHでは、「フジテレビ問題」のあとに、取締役会規定で原則として取締役の女性の比率が30%以上となるように取締役候補者を選定することを定め、2025年夏の株主総会で女性役員が3割以上を実現した。「フジテレビ問題」を踏まえ、意思決定者の同質性のリスクを軽減するための取り組みと見られる。規定に明記することで持続性を担保した。その他のキイ局では依然として3割を下回っている。
 今回を含め7回の調査で、キイ局における女性役員割合は徐々に上昇してきた。在京キイ局のテレビ社では、役員98名中女性は20名(20.4%)、ホールディングスの役員66名中女性は16名(24.2%)となっている。政府が掲げる3割に届いているのは1社のみであり、本来50%を目指すべきであるので、キイ局全体での女性登用は依然として課題があると言える。

▶️女性役員不在が多数 全国テレビ局の62.2%・ラジオ局の69.4%でゼロ(2024年度)

 2024年度時点で、全国のテレビ局の約6割(62.2%)、ラジオ局の約7割(69.4%)において、女性役員が1人もいない状況が確認された。
 女性役員の全国平均割合は、テレビ局3.6%、ラジオ局4.0%と、引き続き極めて低い水準にある。

▶️キイ局賃金格差 女性の給与は男性の8割(2024年度)

 2024年度の調査によると、キイ局における女性正社員の給与は男性の約8割にとどまっている。キイ局の正社員人事制度自体には男女差はなく、2024年に改正された育児・介護休業法により、妊娠・出産や育児休業を理由とする不利益取扱いは法的に禁止されている。
 一方で、民放労連は、昇進や評価において男女間で差が生じている可能性があると推測しており、給与格差の背景には制度以外の要因が影響していることが示唆される。

▶️キイ局では徐々に女性登用が進展するも、コンテンツ制作部門の意思決定層は、女性21.7%(2024年度)

 2024年度時点の調査によると、キイ局のコンテンツ制作部門における意思決定層(報道、制作、情報制作、スポーツ、編成の局長相当)の総数23名のうち、女性は5名であり、女性割合は21.7%であった。
 キイ局が制作する全国ネット番組は、地域系列局を通じて全国に放送されており、コンテンツが視聴者に与える影響は大きい。そのため、制作部門の責任者における男女比は、組織の意思決定やコンテンツ内容の多様性に直結する重要な指標である。 現状の21.7%では目標とされる30%を下回っており、理想的には50%程度の女性登用が望ましいと考えられる。

メディアにおける女性登用の必要性

■意思決定の偏りによる企業リスク
 意思決定層の偏りは、いわゆる「同質性のリスク」として指摘されている。具体的には、意思決定の偏向、イノベーションの停滞、集団浅慮(groupthink)、組織の適応力低下が生じやすく、これにより重大な意思決定ミスや不祥事が発生する可能性がある。

■メディア企業のジェンダー不平等と情報受け手への影響
 2020年に閣議決定された男女共同参画基本計画第10分野では、「メディア等からの情報が子供をはじめ様々な世代に対して固定的な性別役割分担意識等を植え付けず、また、押し付けないようなものとなるためには、メディア分野の経営層や管理職において性別による偏りがないことが重要である。このため、メディア分野等における意思決定過程への女性の参画拡大を促進する。」という記載がある(内閣府, 2020)。また、ハラスメントやコンプライアンスに関する社内方針や文化も、メディアコンテンツを通じて視聴者に影響を与える可能性がある。

■放送産業のイノベーション促進における多様性の重要性
 経済産業省は、女性登用を含む「ダイバーシティ経営」を、自由な発想の創出、生産性向上、自社の競争力強化につながる経営手法として位置付けている(経産省, 2021)。さらに、ダイバーシティ経営を実施している企業は、そうでない企業と比較して経営成果が良好であることが示されている。また、放送の受け手の半数が女性であることを踏まえると、女性の意思決定層への登用は、民放をはじめとする放送産業におけるイノベーション促進および経営課題の解決に寄与する可能性が高い。

提言:数値目標設定と具体的な計画立案の必要性

 今回の調査では、キイ局において女性役員割合に改善がみられた。それは大きく評価できるものだ。しかし、全国的な進展は遅れている。令和のこの時代に、全国の民放テレビ局の62.2%、民放ラジオ局の69.4%で女性役員が一人もいないのである。この状況下では、政府が定める指導的地位に占める女性の30%達成は非常に困難であると考えられる。
 これを踏まえ、民放連および各民放企業は、現状調査と原因分析を実施し、数値目標の明確化および具体的な計画を策定し発表すること、確実な実行を行うことが必要である。放送局のサービス提供先である視聴者・聴取者の半分は女性である。放送局の意思決定層への女性登用は、業界のイノベーション促進やリスク管理の向上にも寄与する。

女性役員・管理職割合の長期的変化

調査詳細

■調査概要
・調査の目的
全国・在京・在阪の民放テレビ局の社員および意思決定層の女性比率を調査し、男女比という点でダイバーシティの実現度を明らかにする。
・調査対象
全国の民放テレビ局127社 民放ラジオ局98社(テレビ放送兼営31社、ラジオ単営67社) 民放連の役員
・調査期間
2024年 4 月~ 2025年 3 月の任意の時点
2025年7月1日時点(キイ局、ホールディングス社の役員のみ)
・調査方法
民放労連が独自に調査した。一部発表があるものについては、各社のHPで発表されている人的資本開示、行動計画、厚労省の「女性の活躍推進企業データベース」、就職情報サイトのデータを参照した。

■調査項目

  1. 【速報】2025年夏発表の在京民放テレビ局役員およびホールディングス役員女性割合
  2. 2024年度 在京・在阪の民放テレビ局女性割合
  3. 2024年度 在京・在阪の民放ラジオ局女性割合
  4. 2024年度 全国の民放テレビ局の女性役員割合
  5. 2024年度 全国の民放ラジオ局の女性役員割合
  6. 日本民間放送連盟の女性役員割合

■(参考)過去の調査データ
2018年4月発表 在京テレビ局調査
2020年3月発表 在京・在阪テレビ局調査
2021年5月発表 全国テレビ調査
2021年7月発表 全国ラジオ調査
2022年7月発表 全国テレビ・ラジオ調査
2023年11月発表 全国テレビ・ラジオ調査 リリース版

1. 2025年夏発表の在京民放テレビ局役員およびホールディングス役員女性割合

 2025年夏に発表された在京キイ局テレビ社・在京キイ局ホールディングス社の役員人事は、全局で女性役員が任命された。

【在京テレビ局の女性役員数(2025年7月1日時点)】

【在京テレビ局ホールディングスの女性役員数(2025年7月1日時点)】

※「役員」に監査役は含めた。顧問、執行役員、補欠監査は含めていない。

2.2024年度 在京・在阪の民放テレビ局女性割合

 在京、在阪の民放テレビ局に関して、社員、役員、局長、管理職、新卒採用の女性割合、男女間賃金格差を調査した。また、コンテンツ制作部門の社員女性割合と局長(または室長などセクションでの最高責任者、原則1名)の意思決定者の性別を調査した。調査したコンテンツ制作部門は、報道部門、制作部門、情報制作部門、スポーツ部門。編成テーブルを作成する部門として、在京のみ編成部門の調査を加えた。

【在京テレビ局女性割合】

(参考 2022年度調査結果)

【主な調査結果】

◆  全国放送コンテンツ制作の影響の大きさを踏まえ、在京キイ局5社の平均値で分析。
◆  在京キイ局の平均女性割合
社員:27.6%(日本テレビを除く4局平均) 役員:14.6% 局長:15.0% 管理職:19.1%
コンテンツ制作・編成部門
社員:18.3% 局長(相当):21.7%(23ポスト中女性5名)
◆  男女間賃金格差(正規雇用)

  • キイ局5社平均:82.2%(男性100%に対する女性比率)
  • 前回調査:82.1%(ほぼ変化なし)
  • キイ局正社員の人事制度自体には男女差はなく、育児・介護休業法(2024年改正)で妊娠・出産・育児休業による不利益取扱いは禁止されている。
  • 民放労連は、昇進・評価で男女差が生じている可能性を指摘しており、賃金格差には制度以外の要因が影響していると考えられる。
  • 参考:一般労働者の男女間賃金格差(厚労省「令和5年版働く女性の実情」):74.8%

◆  新卒採用における女性割合:47.2%と高水準

◆  コンテンツ部門の責任者における女性割合

  • 報道局長:5名中3名が女性
  • TBSではコンテンツ3部門で女性局長
  • 日本テレビとテレビ朝日では全体で女性局長ゼロ

◆  コンテンツ制作部門の社員女性割合

  • 全体:約2割
  • スポーツ部門:平均13.1%と特に低い
  • 東京MX、NHK(全国)のデータも参考として掲載した。

【在阪テレビ局女性割合】


(参考 2022年度調査結果)


【主な調査結果】

・社員女性割合は平均24.2%だが、新卒採用は平均41.0%と4割を超えている。
・女性役員について、1局(毎日放送)で0名。
・局長女性割合10.5%、管理職女性割合15.1%と、3割に届いていない。
・コンテンツ制作部門の調査では、前回に続き全局で全局で女性局長ゼロだった。
・コンテンツ制作部門の社員女性割合は、2割程度と低い。
・男女間賃金格差について、平均74.6%という結果だった。うち、正規雇用労働者は平均79.1%非正規雇用労働者が53.1%だった。

※以下に、本データに関する補足事項を示す。
・「役員」に監査役は含む、顧問、執行役員は含めなかった。
・「局長」には、会社の直下にある室長、事務局長、部長は含めなかった。
・コンテンツ制作・編成部門の社員数については、主に現場で制作する部署を調査対象とし、管理部門を除いた。兼務者、嘱託社員も含めた。
・コンテンツ制作・編成部門の「局長」は、局長または室長などセクションでの最高責任者、原則1名の意思決定者の性別を調査した。

3. 2024年度 在京・在阪の民放ラジオ局女性割合

【在京の民放ラジオ局女性割合】


【在阪の民放ラジオ局女性割合】


■主な調査結果

・在京局(7社)中 女性役員ゼロは5社、女性ライン管理職ゼロは3社だった。
・在阪局(5社)中 女性役員ゼロは3社、女性ライン管理職ゼロは1社だった。
これは、昨年の調査と全く同じ結果。

■データについての注釈

・「ライン管理職」は局長と部長と支社長。出向先は除いた。

4. 2024年度 全国の民放テレビ局の女性役員割合

【全国の民放テレビ局127社の女性役員割合】


■主な調査結果

・127社の役員総数 1708名 女性役員総数 62名(前回比+5) 女性役員割合の平均 3.3% (前回3.0%)
・女性会長1社(岐阜放送) 女性社長4社(テレビ岩手、新潟テレビ21、MXテレビ、長崎文化放送)
・女性役員数(127社中)

 0名 79社(全体の62.2%)前回-2社 
 1名 39社     前回+0社
 2名  6社    前回+1社
 3名  2社    前回+2社
 4名  0社       前回-2社
 5名以上  1社   前回+1社

■データについての注釈

・「役員」に監査役は含む、顧問、執行役員は含めなかった。

5. 2024年度 全国の民放ラジオ局の女性役員割合

【全国の民放ラジオ局98社の女性役員割合】


■主な調査結果

女性役員数(98社中)

 0名 68社(全体の69.4%) 前回-3社
 1名 20社  前回-1社
 2名  9社   前回+3社
 3名以上 1社 前回+1社

■データについての注釈

・「役員」に監査役は含む、顧問、執行役員は含めなかった。
・ラジオ・テレビ兼営社 31 社。赤字で表示。

6. 日本民間放送連盟の女性役員割合

民放連役員割合は6.7%(45名中女性役員3名)
2024年6月更新 2年任期。

「民放連・緊急人権アクション」を発表
 2025年5月 22 日に、ジェンダー平等推進のプロジェクトが発足すると発表があった。民放労連は以前より、民放連にジェンダー関連のプロジェクトを作って対策を講じることを提言していた。
 民放連は発表の中で、「民放業界における男性優位の構造を改革するための提言を行うことを目的とする。プロジェクトの委員構成は、ジェンダーバランスに配慮するとともに、 テレビキー局や準キー局だけではなく、ローカル局、ラジオ局からの参加を得て、多様性を重視したものとし、外部専門家の助言を得て提言をとりまとめる」としている。

お問い合わせ 民放労連
info@minpororen.jp 03-6659-9241

「民放テレビ・ラジオ局女性割合調査報告」リリースのお知らせ(2025/12/12)

報道機関各位

民放労連女性協議会

 日頃より、日本民間放送労働組合連合会(以下、民放労連)の活動にご理解・ご協力をいただき、ありがとうございます。「民放テレビ局・ラジオ局女性割合調査報告」をリリースしました。

 民放労連では、2017年度から民放各社の意思決定層における女性割合を継続的に調査しており、今回が7回目となります。また、民放連・新聞協会への申し入れや厚生労働省での記者会見、署名活動などを通じて、女性割合30%の早期達成と、偏った意思決定体制がリスクを高めることを訴えてきました。
 2024年末以降のフジテレビ事案では、性暴力・セクハラ問題の放置・隠蔽に象徴されるガバナンス不全と、それに伴う経営・信頼の失墜が明らかとなりました。その背景には、民放労連が以前から警鐘を鳴らしていた意思決定層の同質性があったといえます。フジテレビは2025年6月に経営層を刷新し、リスク管理・コンプライアンス・人権尊重の体制強化に加え、意思決定層の女性割合3割以上を規定に明記し実現しました。
 この事案は、閉鎖的な組織文化(いわゆるオールドボーイズクラブ)が社員の権利保護やリスク管理を損なう可能性があることを示しました。企業は危機顕在化前に体制を整備し、多様な意思決定体制を構築することが重要です。今後、民間放送業界で同様の問題を再発させないためにも、女性登用の推進やリスク管理・コンプライアンス・人権尊重の強化が求められます。民放労連は、これらの取り組みを後押しするため、引き続き調査と提言を進めていく方針です。

調査結果全文
https://www.minpororen.jp/?p=2957

主な調査結果は、下記のとおりです。

  • フジテレビ、FMHで女性役員3割超! (2025年夏)
  • キイ局の女性役員割合平均は14.6% (2024年度)
  • 女性役員不在! 全国テレビ局の62.2%・ラジオ局の69.4%でゼロ(2024年度)
  • キイ局賃金格差 女性の給与は男性の8割(2024年度)
  • キイ局コンテンツ制作部門の意思決定層、女性21.7%(2024年度)

お問い合わせ 民放労連
info@minpororen.jp 03-6659-9241

「セクハラ番組」訴訟原告を支援し、安全な番組制作環境の確立をめざす決議(2025/8/14)

 人々を楽しませるはずのテレビ番組で、人権が損なわれるようなことは、決してあってはならない。
 ローカルテレビ局が制作したレギュラー放送のバラエティ番組で進行役を務めたフリーランスのアナウンサーが、レギュラー出演していた有名タレントらからの性的な言動、そしてその様子を面白おかしく編集したものが放送され続けたため、心身に不調をきたして番組を降板した。フリーアナウンサーは、仕事を失うおそれがあることから、番組内では性的言動をかわすようにして、出演業務を全うすべく、視聴者にはそれとわからないように、気丈にふるまっていた。
 アナウンサーは2022年2月に「放送倫理・番組向上機構(BPO)」の放送人権委員会に人権侵害救済を申し立てたが、いやがっていたとは気がつかなかった、などという放送局側の抗弁により「人権侵害があったとは認められない」および「放送倫理上の問題があるとまでは言えない」と放送人権委員会は決定した。アナウンサーは放送スタッフユニオンに加入して、2024年7月にテレビ局と団体交渉を行ってセクシュアルハラスメントの調査と謝罪を求めたが、テレビ局は改めて調査を行うことはなく、セクハラの事実を認めようとしなかった。
 フリーアナウンサーは、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状を含む重いうつ病と診断され、治療に専念しているため定職に就くことができない。今でもフラッシュバックに悩まされることもあり、将来の生活のめども立たない状態に置かれている。それでも、自らの尊厳の回復と業界の因習が改善され同じように苦しむ人がこれ以上増えないことを願い、2025年6月、テレビ局を相手に損害賠償を求める裁判を起こした。
 意に反した性的なからかいは「性暴力」に相当し、尊厳を傷つける人権侵害に他ならない。私たちは、裁判闘争に立ち上がったアナウンサーの勇気に、心から敬意を表する。アナウンサーのたたかいに賛同する有識者の皆さんなどにより、「原告を支える会(仮称)」の立ち上げも進められている。
 私たちは、匿名でたたかうアナウンサーを物心両面で支援するとともに、番組制作現場から性暴力の危険を根絶し、安心して安全に働ける労働環境を確立するように、力を合わせて奮闘していく決意を、ここに表明する。

2025年8月14日
日本民間放送労働組合連合会 第141回定期大会

国会議員公設秘書による報道記者への性暴力 勝訴判決が確定(2025/5/9)

2025年5月9日
日本民間放送労働組合連合会
中央執行委員会

 国会議員公設秘書が取材活動中の報道記者に対して性暴力を行ったことに対する国家賠償請求訴訟において、期限までに国側が控訴せず、4月24日の東京地裁判決が確定しました。一連の性暴力が公設秘書の職務行為だったと認め、国が原告に440万円を支払うことを命じる勝訴判決でした。
 ジェンダー平等や取材・報道の自由を求めてたたかい抜いた原告と弁護団に、改めて敬意を表します。そして、早くから支援に駆けつけた全国各地の皆さんや、力強く支援していただいた日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)に結集する仲間たちに、心から感謝申し上げます。 
 裁判での国側の主張は、原告に対する二次加害とも言える時代錯誤のもので、裁判の終結間際には「被害者が抵抗し尽くしたことを証明できていない」などと、原告の尊厳を傷つける主張まで出してきました。こうした主張が司法によって完全に退けられ、それが確定したことは大きな意義があると思います。
 かねてより、メディアで働く女性は、取材の現場などでハラスメントを受けるなど身に危険を感じることが少なくないという訴えが、労働組合に多数寄せられています。そうした訴えはプライベートの問題だと片付けられてきたケースが少なくありませんでしたが、今回の判決により、それが私たちの職務に深くかかわっている問題だと、認識を改める必要があります。
 私たちは、判決確定で、原告がその尊厳を取り戻すとともに、国がハラスメントのない社会を作るための政策を推進することを強く求めます。それにより、現場で働く人たちの安全がより守られるようになることを望みます。

以 上

国会議員公設秘書による報道記者への性暴力 国賠訴訟判決を受けて(2025/4/25)

2025年4月25日
日本民間放送労働組合連合会
中央執行委員会

 国会議員公設秘書が取材活動中の報道記者に対して性暴力を行ったことに対する国家賠償請求訴訟が、4月24日に判決を迎えました。
 二次加害のおそれもある中で、国を相手に訴訟を起こし、ジェンダー平等や取材・報道の自由をめぐる社会的な課題に向けて、身をもって挑んだ原告に、最大限の敬意を表します。そして、ともにこの裁判をたたかった弁護団、早くから支援に駆けつけた全国各地の皆さん、そしてこれまで力強く支援していただいたMIC(日本マスコミ文化情報労組会議)に結集する仲間たちに、心から労いの言葉をかけたいと思います。
 判決は、公設秘書の職務行為だったと認め、国が原告に440万円を支払うことを命じる勝訴判決でした。原告の訴えを聞き届け、「個人的な付き合いだった」という国側の主張を明確に退けました。
 事件は2020年3月、上田清司参議院議員の当時の公設秘書が、取材活動中の民放労連放送スタッフユニオンの組合員である報道記者に対して、情報提供をほのめかして会食の席に呼びだし、性加害に及んだものでした。組合員は警察に被害届を提出し、公設秘書は書類送検されましたが、その直後に自死したため、不起訴処分とされました。それから3年後の2023年3月8日、公設秘書の行為は公務員の職権濫用だとして、国家賠償を求める訴訟を起こしたものです。
 裁判で国側は、公設秘書と記者とは「個人的なつきあい」だったとして職務権限を否定し、全面的に争いました。国側の主張は、原告に対する二次加害とも言えるような時代錯誤のもので、裁判の終結間際には「被害者が抵抗し尽くしたことを証明できていない」などと、原告の尊厳を傷つける主張まで出してきました。原告側は、取材の機会につけこんで行われるハラスメントや性暴力は、民主主義社会に不可欠な取材・報道の自由を侵害するもので、記者としてのキャリアと人間としての尊厳を根底から奪う「差別と暴力」であることを強く訴えました。
 この裁判で司法が、国会議員秘書が記者と会食することを業務と認め、そのうえで起きた性暴力だったと判断したことは大きな成果です。判決は、今回の性暴力を「当時の準強制わいせつ罪・準強制性交罪に相当する行為」と認定し、国に損害賠償を命じました。かねてより、メディアで働く女性は、職場でハラスメントを受けるなど身に危険を感じることが少なくないという訴えが、労働組合には多数寄せられていましたが、それをプライベートの問題だと片付けられてきたケースが少なくありませんでした。
 私たちは、今回の判決で原告がその尊厳を取り戻すこと、また報道の現場で働く人たちの安全がより守られるようになることを望みます。

以 上

フジテレビの経営体制刷新に関する民放労連委員長談話(2025年3月28日)

2025年3月28日
日本民間放送労働組合連合会
中央執行委員長 岸田花子

 民放労連とMIC(日本マスコミ文化情報労組会議)が呼びかけた「メディアの女性役員比率を3割に」のインターネット署名が、フジテレビで実現しました。署名にご協力いただいたみなさまに、心から感謝申し上げます。

 民放労連は、フジテレビをはじめ、キイ局と民放連に署名を手交しながら、メディアの意思決定層のジェンダー平等が必要な理由について説明して参りました。高齢の男性が大多数であるオールドボーイズクラブの意思決定には同質性のリスクがあり、閉鎖的で、新しい視点や意見を取り入れることが難しい傾向があり、柔軟に働きにくいことや、ハラスメント、反対意見が言いにくい空気につながります。ことメディアではさらに、ニュース項目の選択の偏り、差別・ステレオタイプの表現につながる恐れがあることを指摘しました。
 私たちの署名の思いを受け止めていただき、フジテレビが他局に先駆けていち早く女性役員3割以上を達成したことを、素晴らしいこととして受け止めています。これまで女性役員割合の調査をして遅々として進まなかった様子を見てきましたが、ここまで急激な変化があったことに、驚きを隠せません。

 しかし、これは最初の一歩に過ぎません。ここからが本当に重要な部分です。
 フジテレビには、役員の多様性をコンプライアンス、ガバナンスの向上につなげ、人権侵害がないようにすること、フジテレビで働く全ての人が働きやすい職場にすることを望みます。さらに、取締役の多様性をイノベーションにつなげ、企業価値を高めることを期待しています。また、執行役員、局長、部長、などすべての役職での女性3割を実現し、それを持続することによって、恒久的にジェンダー平等に取り組み続けることを望みます。
 新しい役員には、オールドボーイズクラブの価値観を壊し、企業文化を変えることを期待します。具体的には、役員の働き方を含めた業界での働き方、評価軸を新しい時代にあったものに変えるよう尽力してほしいです。それは必ず企業価値を高めることにつながります。周りに同調しすぎることなく、率直な意見交換ができる取締役会を実現していただきたいです。

 民放労連では引き続き、女性の役員比率向上に向けた取り組みを続け、他メディアにも早急に女性役員3割の実現を求めていきます。