2025年5月9日
日本民間放送労働組合連合会
中央執行委員会
国会議員公設秘書が取材活動中の報道記者に対して性暴力を行ったことに対する国家賠償請求訴訟において、期限までに国側が控訴せず、4月24日の東京地裁判決が確定しました。一連の性暴力が公設秘書の職務行為だったと認め、国が原告に440万円を支払うことを命じる勝訴判決でした。
ジェンダー平等や取材・報道の自由を求めてたたかい抜いた原告と弁護団に、改めて敬意を表します。そして、早くから支援に駆けつけた全国各地の皆さんや、力強く支援していただいた日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)に結集する仲間たちに、心から感謝申し上げます。
裁判での国側の主張は、原告に対する二次加害とも言える時代錯誤のもので、裁判の終結間際には「被害者が抵抗し尽くしたことを証明できていない」などと、原告の尊厳を傷つける主張まで出してきました。こうした主張が司法によって完全に退けられ、それが確定したことは大きな意義があると思います。
かねてより、メディアで働く女性は、取材の現場などでハラスメントを受けるなど身に危険を感じることが少なくないという訴えが、労働組合に多数寄せられています。そうした訴えはプライベートの問題だと片付けられてきたケースが少なくありませんでしたが、今回の判決により、それが私たちの職務に深くかかわっている問題だと、認識を改める必要があります。
私たちは、判決確定で、原告がその尊厳を取り戻すとともに、国がハラスメントのない社会を作るための政策を推進することを強く求めます。それにより、現場で働く人たちの安全がより守られるようになることを望みます。
以 上