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全国・在京・在阪 民放ラジオ局の女性割合調査 結果報告(2021/7/20)

2021年7月20日

報道機関各位

民放労連女性協議会

民放ラジオ局98社中72社で女性役員ゼロ

 日頃より、民放労連の活動にご理解・ご協力をいただき、ありがとうございます。

 2020年4月から2021年3月に民放労連で行った全国の民放ラジオ局の女性割合調査の結果をお知らせいたします。女性役員ゼロの民放ラジオ局は98社中72社(全体の73.5%)女性人数割合は全体で2.8%でした。
在京7局の中で女性役員ゼロは5局、女性ライン管理職ゼロ3局、在阪5局の中で女性役員ゼロは4局、女性ライン管理職ゼロは2局でした。
 2021年5月に行った全国の民放テレビ局について同様の調査をした結果、127 社中 91 社で女性役員ゼロ、でしたが、ラジオでも同様に女性役員ゼロの社が多いという結果になりました。

 民放ラジオ局は、この現実を直視し、ジェンダーバランス改善につなげていく必要があると考えています。
メディア内でのジェンダーバランス不均衡は、メディアが発信する報道内容やコンテンツを通して、受け手の固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に影響を及ぼし、社会課題の設定や意思決定に影響すると考えるからです。
 是非、ラジオを含む報道各社での報道をお願いいたします。

全国・在京・在阪 民放ラジオ局女性割合調査報告

2021.7 民放労連女性協議会

■調査の目的
全国・在京・在阪の民放ラジオ局の社員および意思決定層の女性比率を調査し、男女比という点でダイバーシティの実現度を明らかにする。
■調査対象
全国の民放ラジオ局98社、(テレビ放送兼営32社、ラジオ単営66社)
■調査方法
民放労連が独自に調査した数字を記載した。
■調査期間
2020 年 4 月~ 2021年 3 月の任意の時点のデータとした。

【全国の民放ラジオ局98社の女性役員割合】

■主な調査結果
98社の役員総数 1051名 女性役員総数 29名 女性役員割合 2.8%
女性会長 1社 女性社長 1社
女性役員数(98社中)
 女性役員0名 72社(全体の73.5%)
 女性役員1名 23社
 女性役員2名 3社
 女性役員3名以上 0社

地域別、単営・兼営別 女性役員割合

■データについての注釈
・「役員」に監査役は含む、顧問、執行役員は含めなかった。
・兼営社数は、調査期間時点。

■全国の民放ラジオ局の女性役員割合 (ラジオ・テレビ兼営社 32 社。赤字で表示。)

【在京・在阪の民放ラジオ局女性割合】

■主な調査結果
・在京局(7社)中 女性役員ゼロは5社、女性ライン管理職ゼロは3社だった。
・在阪局(5社)中 女性役員ゼロは4社、女性ライン管理職ゼロは2社だった。

■データについての注釈
・2020 年 4 月~ 2021年 3 月の任意の時点のデータとした。
・「役員」に監査役は含む、顧問、執行役員は含めなかった。
・「ライン管理職」は局長と部長と支社長。出向先は除いた。

【在京の民放ラジオ局女性割合】

【在阪の民放ラジオ局女性割合】

お問い合わせ:民放労連  info@minpororen.jp

=========
<報道>
共同通信
2021/7/20 20:34

しんぶん赤旗  民放ラジオ 女性役員ゼロ7割 民放労連女性協議会調べ
2021/7/22

<その他>
WAN
2021/7/24

全国・在京・在阪 民放テレビ局の女性割合調査 結果報告(2021/5/24)

2021年5月24日

報道機関各位

民放労連女性協議会

民放テレビ局127社中91社で女性役員ゼロ

在京・在阪民放テレビ局で制作部門のトップに女性ゼロ

 日頃より、 民放労連の活動にご理解・ご協力をいただき、ありがとうございます。

2020年4月から2021年3月に民放労連で行った全国・在京・在阪 民放テレビ局の女性割合調査の結果を
お知らせいたします。
女性役員ゼロの民放テレビ局は127社中91社(全体の71.7%)、女性人数割合は全体で2.2%でした。
また、女性役員ゼロは、在京キイ局5社中2社、在阪準キイ局4社中3社という結果になりました。
2021年5月に在京各社で次期役員が発表されましたが、依然2社で女性役員ゼロでした。
そのほか、在京・在阪の民放テレビ局では、制作部門の最高責任者(局長など)に女性は一人もいない
という結果になりました。

 民放テレビ局は、この現実を直視し、ジェンダーバランス改善につなげていく必要があると考えています。
 今年3月に「世界経済フォーラム」が発表した 2020 年の「ジェンダー・ギャップ指数」で、
日本は156カ国中120位という結果で 、改善は喫緊の課題です。
また、昨年12月 に閣議決定された第5次男女共同参画基本計画では、2003年に設定された
「2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする」という目標を達成
できなかった要因の一つとして、「社会全体において固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込み
(アンコンシャス・バイアス)が存在していること」が挙げられて います。
メディアでのジェンダーバランス不均衡は、メディアが発信する報道内容やコンテンツに影響し、
社会全体の意識に波及し、社会課題の設定に影響します。
 是非、テレビを含む報道各社での報道をお願いいたします。

全国・在京・在阪 民放テレビ局女性割合調査報告

2021.5.24 民放労連女性協議会

■調査の目的
全国・在京・在阪の民放テレビ局の社員および意思決定層の女性比率を調査し、男女比という点でダイバーシティの実現度を明らかにする。
■調査対象
全国の民放テレビ局127社
■調査方法
・NHK と女性管理職比率は会社発表の全国のデータを使用した。
・そのほかは各社労働組合員が独自に調査した数字を記載した。

【全国の民放テレビ局127社の女性役員割合】

■主な調査結果
127社の役員総数 1797名 女性役員総数 40名 女性役員割合 2.2%
女性会長 1社 女性社長 1社
女性役員数(127社中)
 女性役員0名 91社(全体の71.7%)
 女性役員1名 32社
 女性役員2名 4社
 女性役員3名以上 0社

地域別女性役員割合

■データについての注釈
・「役員」に監査役は含む、顧問、執行役員は含めなかった。
・2020年4月~2021年3月の任意の時点のデータとした。

■全国の民放テレビ局の女性役員割合(うち、ラジオ・テレビ兼営社31社)

【在京・在阪の民放テレビ局女性割合 】

■主な調査結果
・在京キイ局(5社)中 女性役員ゼロは2社、女性局長ゼロは2社だった。
・在阪準キイ局(4社)中 女性役員ゼロは3社、女性局長ゼロは1社だった。
・在京・在阪局ともに、報道部門、制作部門、情報制作部門の局長には女性はひとりもいない

■データについての注釈
・2020年4月~2021年3月の任意の時点のデータとした。
・「役員」に監査役は含む、顧問、執行役員は含めなかった。
・「局長」をカウントしたのは「局」の最高責任者のみ。組織的に会社の直下にある室、事務局、部、の
 最高責任者についてはカウントしなかった。
・読売テレビの「社員」には特別嘱託、シニアスタッフ、出向者を含まない。
・テレビ大阪の「社員」には出向者を含まない。
・報道部門、制作部門、情報制作部門については、主に現場で制作する部署を調査対象とし、管理部門を
 除いた。
・報道部門、制作部門、情報制作部門の最高責任者は、独立した局であれば局長、独立した局でない場合、
 その組織の最高責任者(基本的には 1~2名)の数を集計した。
・テレビ東京、東京MX、テレビ大阪、関西テレビには、情報制作部門がない。 日本テレビは、情報・制作局
 が情報部門と制作部門を含む 。毎日放送には情報制作部門がない。 朝日放送テレビの制作部門は、
 スポーツ部も含む。 情報制作部門の最高責任者は報道局長が担当している。読売テレビの情報部門には
 スポーツも含む。テレビ大阪の報道部門は、スポーツを含む。(報道スポーツ局)

【在京の民放テレビ局女性割合 】

【在阪の民放テレビ局女性割合 】

参考:NHK発表 
   社員女性割合19.9% 役員(会長・副会長・理事)12名中1名(8.3%) 女性管理職割合 10.6%

お問い合わせ:民放労連 info@minpororen.jp

=========
<報道>
2021/5/24 15:29
毎日新聞

2021/5/24 17:00
朝日新聞
Yahoo!ニュース

2021/5/25 17:00
中日新聞

2021/5/26
しんぶん赤旗

2021/5/27 16:07
BLOGOS

<その他>
2021/5/24
WAN マイアクション

interBEE CURATION 6月3日 9:47
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テレビ局「唯一の女性社長」意外なスタート地点 彼女が後輩の女性たちに一番伝えたい事とは?

Inter BEE CURATION 2021.07.12
テレビ局のダイバーシティは番組の多様性にもつながるはずだ〜民放労連の女性役員数調査の背景

 

業界団体および加盟社の女性登用についての要請

日本民間放送連盟 会長  大久保好男 様
日本新聞協会 会長    山口寿一 様
日本書籍出版協会 理事長 小野寺優 様
日本雑誌協会 理事長   堀内丸惠 様

業界団体および加盟社の女性登用についての要請

2020年12月1日
日本民間放送労働組合連合会
日本新聞労働組合連合
日本出版労働組合連合会
メディアで働く女性ネットワーク(WiMN)

 貴団体の日ごろの活動に敬意を表します。
さて、「持続可能な開発目標(SDGs)」を採択した2015年の国連サミットでは「持続可能な社会を作るには、ジェンダーの視点を計画的に主流化していくことが不可欠だ」という宣言がなされました。これに基づき、世界各国のあらゆる分野で女性の積極的登用が進んでいます。日本国内でも、多くの企業や業界団体で事態の改善が進んでいます。
 しかし日本のメディアの業界団体では、役員における女性の割合がゼロや僅少な状態が続いています。

 私たちはこの現状に強い危機感を抱いています。メディア業界には「各媒体で女性の数は増えている」「差別はなく実力があれば女性でも管理職になれるので対策は必要ない」という声が根強くありますが、このままでは改善を遅らせるだけでなく、読者・視聴者からの批判や政府からの介入を招きかねません。メディアにとって死活問題であり、自主、自立のためにも、各団体が自主的に是正策に取り組むよう強く求めます。

 日本民間放送連盟(民放連)、日本新聞協会(新聞協会)、日本書籍出版協会(書協)、日本雑誌協会(雑協)=以下「各業界団体」とする=の女性役員人数は、民放連45名中0人、新聞協会53人中0人、書協40人中2人、雑協21人中1人です。
 
 日本政府も2003年にまとめた第三次男女共同参画基本計画で、2020年までに「社会のあらゆる分野において指導的地位女性を少なくとも3割程度」にするという目標を示しています。この「指導的地位」には、「法人・団体等における課長職以上の者」が含まれます。しかし、社会全体としていまも3割目標に到達せず、メディア業界についても極めて残念な実態が続いています。

 第五次男女共同参画基本計画策定にあたっての考え方によると、上場企業の女性役員は2017年度から2020年度までに2.2倍になっているものの、社外役員が多いことが特徴で、その実情は社内からの登用ではありません。
 
 私たちは、各業界団体の共通課題として、女性活躍を推進し、業界団体および加盟社での女性登用の目標・計画・実績を公表することを求めます。

 以下にメディア業界の現状と具体的な要請を示します。

【現状】
① コンテンツ制作の意思決定者の女性登用が不十分
 多様で魅力的なコンテンツ制作のためには、現場の多様性が欠かせません。読者・視聴者の半数は女性です。しかし、昨年度の労組の調査では、在京テレビ局の番組制作部門のトップに女性はゼロ、新聞38社の会社法上の役員数は全体319人中、10人という結果です。多様性を欠いたコンテンツ制作現場や労働環境では、視聴者や読者が離れ、やる気のある人材も集まりません。メディアの意思決定層に女性が少ないことが、ジェンダーに偏りのある情報発信を生み、「無意識の思い込み」につながっています。イノベーションには多様な人材が知恵を出し合うことが必要です。

② 意思決定者に女性が少ない
 各業界団体は、各媒体の倫理水準の向上と業界共通の問題を扱っています。その意思決定者には、多様なバックグラウンドをもつ人材を登用し、ジェンダーバランスに配慮した偏りのない意思決定ができるようにするべきです。しかし現状では偏りのない意思決定は極めて困難といえます。例えば、男性のみで意思決定を行う団体でセクシュアル・ハラスメント問題を適切に議論することは極めて困難で、適正だとは思えません。

【要請】
① 業界団体の女性役員比率について、数値目標や加盟各社からの女性管理職による特別枠を設け、すみやかに3割以上にすること。その際、国連や国際NGOの指標、日本政府の目標などを考慮し、最も高いレベルで実現を図ること
② ジェンダー・男女共同参画に関する常設委員会を設置し、業界でのジェンダー平等を重要課題の一つにすること
③ 2021年4月までに業界団体と全加盟社が、役員の3割を女性にする目標・計画・実績を国の女性活躍推進企業データベース(https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/ )で公開し、その後も定期的に更新すること

以上

メディアの女性管理職割合調査の結果について

【要請書提出】
日本民間放送連盟(民放連)           2020年12月3日
日本書籍出版協会(書協)、日本雑誌協会(雑協) 2020年12月21日
日本新聞協会(新聞協会)            2021年2月4日

【記者会見】
2021年2月9日(火) 厚労省
2021年2月10日(水)日本外国特派員協会(FCCJ)

・厚労省会見についての報道
時事通信
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021020901050&g=soc&fbclid=IwAR1BMrO4ZAI6CCOPXlDfvOcdP657bwBQgrDDoui7wi0D9wynAogOyjSL0cE

共同通信 
https://this.kiji.is/731816255450300416?fbclid=IwAR3-74jbom709o4fefRtHgexWvPGerT84FRBhAvhgOzJzbVD6Ei1mhJlACg

毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20210209/k00/00m/040/306000c?fbclid=IwAR3OYRxX3FH7GTlG6ECWtfB4DoxpkRWMS7jCti1pMOl60Ok9RtBThNkHcaY

京都新聞
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/501866?fbclid=IwAR2fyIXlP6K1hVUF97IeOidqxQ3FQrc45xNzMZMLy-K9nsuYCjnPakGCE6I

BuzzFeed
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/media-women?fbclid=IwAR3IRnNs34on466EadNnvTN1iQ_YKDiQgwmJCLO_2aJ9X0XsGwBugD5cf9s

弁護士ドットコムニュース
https://www.bengo4.com/c_5/n_12490/?fbclid=IwAR1IcPUYP5dF55iNLYrVG3fuLQJMoiUjOv1xthsF2-kIE-2lagrzxPPwQbY

アベマニュース
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000206664.html?fbclid=IwAR1d1haGUWxnEuJCt0fw0y0A2TvfXp-uJvzp7PGmZgUvG2PU6yYDiyeloCM

テレ東NEWS
https://youtu.be/u-pMcPCTQdk

TBSラジオ
https://www.tbsradio.jp/561667?fbclid=IwAR1yUusCsnOoPQb7mDlHVBacM8lz9TGwbI0vDTmK7_L65eKptCr2kI6J5p0

https://www.tbsradio.jp/564312?fbclid=IwAR2AfRgD_FjcAf1-9D8ucaTHWjJH36CNZHBRPlv1aguWKAVCg8yh2gvOwAE

IWJ
https://youtu.be/_ieeArtFbWI

しんぶん赤旗
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2021-02-10/2021021012_02_1.html?fbclid=IwAR3fe-vxlk3BRBcC_S6IBeY7DbX-jf9nn7ObBcwI8pH3uW4HosDSWrUUoBY

ポリタスTV
https://youtu.be/AM-IN7kOxtI

週刊金曜日http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2021/03/05/%e5%a5%b3%e6%80%a7%e5%bd%b9%e5%93%a1%e5%b0%91%e3%81%aa%e3%81%84%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2-%e5%8a%b4%e7%b5%84%e3%81%aa%e3%81%a9%e3%81%8c%e5%a5%b3%e6%80%a7%e5%bd%b9%e5%93%a1%e6%af%94%e7%8e%87/

・日本外国特派員協会(FCCJ)会見についての報道
日刊スポーツ
https://www.nikkansports.com/general/news/202102100000914.html

FCCJ
https://www.fccj.or.jp/index.php/event/press-conference-yoshiro-mori-controversy-and-sexism-japanese-media

https://youtu.be/PFEuNpP_u-o

<会見の情報が掲載されました>
Women’s Action Network(WAN)
https://wan.or.jp/article/show/9364

UNI global union
https://www.uniglobalunion.org/news/women-japanese-media-demand-equality

IFJ
https://www.ifj.org/media-centre/news/detail/category/press-releases/article/japan-unions-demand-gender-equality-in-media.html

UNI日本語ページ
https://blogs.uniglobalunion.org/japan/?p=4715

民放労連第132回臨時大会アピール(2021年1月31日)

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。私たちは再び緊急避難として、民放労連第132回臨時大会をリモート形式で開催せざるを得なかった。それでも、大会ではおよそ20年ぶりに規模別分散会も実施し、来るべき2021春闘に向けて、たたかう決意を確認した。

 コロナ禍に加え、広告収入の減少も続き、放送業界に危機感が広がっている。民放経営者は今こそ、私たちの努力で積み上げてきた企業の内部留保を、放送の現在と将来のために使うべきではないか。労使の徹底した対話の積み重ねで、一丸となって難局を乗り切る春闘にしよう。
 長崎放送では、労働条件改悪の新賃金制度が一方的に導入されたが、労組が法廷闘争も辞さない覚悟を見せたところ、白紙撤回させることができた。働く者が団結を示すことで、活路が開ける。その背景に、民放労連に集う全国の仲間がいることが、経営者への大きなプレッシャーになっているはずだ。コロナ禍で厳しい闘いを強いられている中、京都放送労組は過去最高年収を獲得したほか、派遣社員の休業補償を確約させた。バップ労組などではテレワークに関する手当を獲得している。そしてフジテレビ労組は、社内で勉強会を開催して若手の組合加入を増やし、組織拡大に成果を上げている。また大会では、統一闘争のあり方をめぐって、真剣な議論も行われた。

 朝日放送ラジオ・スタッフユニオン争議は、大阪府労委での労働者側勝利命令から中労委に移り、会社側がようやく和解の姿勢を見せ始めたが、予断を許さない。よみうりテレビサービスで強行された不当解雇問題では、元役員が組合員を刑事告訴するという理不尽な対応をはねのけて、全国の仲間の支援で解決を勝ち取りたい。

 パワハラ被害を訴える労働相談が、民放労連に相次いでいる。安心して働ける放送業界にするために、各種ハラスメントの根絶が必要だ。経営や制作部門のトップに女性がいないという放送業界の現実は、若い視聴者から放送が見放されることにもつながる。
 有期雇用労働者への待遇差別の解消を目的とした「パートタイム・有期雇用労働法」が、今年4月から中小企業にも適用される。労働組合が議論をリードして、職場の不当な差別を一掃するチャンスと捉えよう。

 米軍基地から派生する問題と隣合わせの日常を強いられている沖縄では、貴重な自然を破壊する新基地建設を含め、負担軽減とは名ばかりの基地機能強化が進められている。アメリカで新政権が誕生した今、政府には改めて沖縄の民意に真摯に向き合うことを求める。
 
 産業構造が大きな曲がり角にさしかかっている今、私たちの放送産業も、優良なコンテンツを人々に届ける力のある産業として新しい世代に引き継がれなければならない。そのためにも経営者たちに、働く者の賃金・労働条件の向上は放送の未来への先行投資であることを認識させよう。コロナ禍の中でも「いのちと健康」「雇用と生活」を守って、より魅力ある放送を創り出そう!

2021年1月31日
日本民間放送労働組合連合会 第132回臨時大会

民放労連第132回臨時大会「争議の解決に向けABCが誠実に取り組むよう求める決議」(2021年1月31日)

 ABCラジオニュースを長年支え続けた派遣スタッフ5人が、解雇されてから間もなく3年が経つ。落ち度もないのに職を奪われ、話し合いまで拒絶され続けた5人がこの間、経済的に精神的にいかに苦難を強いられてきたかは、容易に察しがつく。
 
 大阪府労働委員会が組合側全面勝利の命令を下したのは当然である。さらに中央労働委員会においてもABCの主張に正当性は見られない。こうした負い目があるからこそABCは、中労委の勧めに従い、和解協議に応じたのではないか。
 協議はヤマ場に差し掛かった。コロナ禍にも関わらず中労委は期日を延期せず、組合員とその家族の新たな出発のために懸命に動いている。社会秩序に大きな影響を与える放送局としての矜持があるのなら、速やかに己の非を認め、全精力を解決のために傾注してもらいたい。
 5人との争議の裏でABCは昨年春、契約社員1名を不当に解雇した。この事案は4度の団交と労働審判を経て、約半年で和解が成立したと聞く。組合差別が憲法で保障された労働基本権を侵害していることを強く指摘しておく。

 確かに昨年からABCの対応が軟化し始めたことは評価に値する。しかし、その一方で巨額損失事件や幹部社員のインサイダー取引と、不祥事が収束しない。ABCは、解雇した組合員のみならず、視聴者・リスナーから親しまれる番組作りのため日夜奮闘するすべての構内労働者の顔に泥を塗っている。弱者いじめにすぎない争議を社内から一掃し、真に健全な企業体質に生まれ変わることこそが、ABCの利益となるはずだ。
 今回、リモート開催の第132回臨時大会に全国から参加し、心をひとつにする我々は、ABCに対し、今こそ争議の解決に向けて邁進するよう、強く、切に要求する。

 右、決議する。

2021年1月31日
日本民間放送労働組合連合会 第132回臨時大会

朝日放送グループホールディングス 代表取締役社長 沖中進 殿
朝日放送ラジオ 代表取締役社長 岩田潤 殿

民放労連第132回臨時大会「よみうりテレビサービスに不当解雇撤回を求める決議」(2021年1月31日)

 よみうりテレビサービスは、2020年1月17日、自社の無期雇用のA組合員が職場である読売テレビに出社するところを待ち構え、入館証を取り上げて自宅待機命令通知書を突きつけ、A組合員に私物を持ち出す時間さえ与えず社外に追い出した。A組合員は会社から酷い扱いを受け、すぐさま組合に相談、加入した。組合は解雇撤回を求めたが、会社は解雇問題の団体交渉も誠実に行わず今日まで解雇は撤回されていない。
 
 以前に会社が出してきた解雇理由証明書には、解雇理由が7項目記載されているもののどれ一つとして具体的事実が証明されていない上に、解雇されるに値するものでもない。そもそも解雇するには事前に弁明の機会を与えるべきであるが、会社は自宅待機命令後に一方的にA組合員の行動を問題視した質問状を送りつけているだけである。解雇理由の詳細を明確にするのは、A組合員の解雇を決行したよみうりテレビサービスの雇用主としての責任であるが、解雇強行から1年以上経った今も解雇理由の詳細を明らかにしようとせず、時間を引き延ばしていることは解雇の不当性を自ら証明しているといって過言でない。

 労働組合は再三にわたってA組合員の解雇撤回を申し入れている。
改めて民放労連第132回臨時大会の名において、A組合員の解雇撤回を強く求める。

右、決議する。

2021年1月31日 
日本民間放送労働組合連合会 第132回臨時大会

株式会社よみうりテレビサービス 代表取締役社長 寄藤 文明 殿

民放労連第132回臨時大会「普天間飛行場返還に伴う新基地建設計画を含め 沖縄の真の負担軽減を求める決議」(2021年1月31日)

 2020年は米軍(アメリカ軍)基地関連の事件や事故が相次いだ一年だった。
全国のメディアが新型コロナウイルス感染症に関する報道で覆われている陰で、沖縄県民は、変わらず存在する米軍基地から派生する問題と、隣合わせの日常を余儀なくされている。
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、沖縄県が独自に緊急事態を宣言した翌日の4月21日、沖縄防衛局は名護市辺野古の新基地建設に向け、軟弱地盤の改良工事を盛り込んだ設計変更を認めるよう県に申請した。国が新基地建設に向けて埋め立てを強行する名護市大浦湾にはマヨネーズ状とも言われる軟弱地盤が広がっている。工事を進めるには地盤改良工事が必要となる。新型コロナウイルスの影響で工事が止まり、抗議行動が自粛される中、新基地建設を優先する構図は県民の命を軽視していると言わざるを得ない。本当に政府が真に沖縄県民のために一日も早い危険性の除去を探ろうとしているのか、実現しようとしているのか、その姿勢については疑問を呈せざるを得ない。
 2月に普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリでつり下げ輸送中だった鉄製の構造物が、沖縄県読谷村の米陸軍トリイ通信施設の西側の海上に落下。四月には同普天間飛行場で有機フッ素化合物PFOS(ピーフォス)を含む泡消火剤の漏出事故が発生。隊員たちが格納庫前でバーベキューをしようとして、消火装置が作動したのが原因だった。県の基地内への立ち入り調査が認められたのは発生から11日後。基地内の水や土壌は米軍が採取した物の提供を受ける形になるなど、日米地位協定の高い壁、実効性のなさが浮き彫りとなった。泡は子どもたちの遊び場を覆い、市街地に舞い散り、川を通じ海に達するなど、周辺環境に影響を与えた。優先されるべきは住民の健康と安全だ。
 また、嘉手納基地では6月に危険物取り扱い施設で火災が発生。嘉手納基地は、火災後すぐにフェイスブックで人体に有毒な「塩素ガスの粒子を放出した」と投稿し、目や気道に異常を感じた場合は医療機関を受診するよう英語で呼びかけた。しかし沖縄のメディアに広報があったのは火災から約10時間後、文面も「塩素ガス放出の可能性」と表現がおさえられていた。住民より米軍関係者への注意喚起を優先する米軍の姿勢もあらわとなった。
 2017年12月、宜野湾市の保育園の屋根で、米軍ヘリの部品が見つかってから3年が過ぎた。米軍は、CH53ヘリの部品だと認めたが、落下は認めておらず、未だ原因が解明されていない。親たちのたったひとつの願い「子どもたちが安心・安全な空の下で遊べる環境にしてほしい」。その声に答える具体的な取り組みは、事故から三年経っても始まっていない。なぜ、その願いは今も叶わないのか。
 日米特別行動委員会(SACO)合意から25年、普天間飛行場返還に伴う新基地建設計画を含め、負担軽減とは名ばかりの基地機能の強化が続く。沖縄の現実を日米両政府は直視し、真の負担軽減策を提示すべきである。
 右、決議する。

2021年1月31日
日本民間放送労働組合連合会 第132回臨時大会

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【関連】2019年末
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