民放労連第134回臨時大会アピール(2022年1月29日)

 新型コロナの感染者数が過去最高水準で急増する中、日々ニュースや情報番組などを通して全国の視聴者・リスナーに必要な情報を通して伝えています。感染リスクと常に隣り合わせの状況で、放送産業で働く皆さんの日々の奮闘に敬意を表します。

 第6波の真っ只中、今回もリモートで開かれた臨時大会。メインテーマは、次の春闘でどうベースアップを勝ち取るか、ということでした。コロナ禍で日々のテレビ・ラジオは平常時より一層欠かせないライフラインになっています。また、政府が経済界に賃上げを求めているほか、このところ電気代やガソリン代、それに生活必需品の値上がりが相次いでおり、こうした物価上昇を上回る賃上げを求めていくべきだという意見が多く出ました。すべての単組でベースアップをはじめとした好回答が勝ち取れるよう力を合わせて行きましょう。

 放送業界を取り巻く環境は、かつてないほど激しく変化しています。15年以上前にはテレビ番組を作るテレビ局や制作プロダクションなど限られた会社しか作れなかった映像コンテンツが、今や個人が簡単に作れる時代です。さらに、1日あたりのテレビの視聴時間は年々短くなっており、YouTubeやネットフリックス、Amazonプライム、TikTokをはじめとしたネット系のコンテンツなどに奪われ続けています。生活の中心はもはや「テレビ」ではなく「スマホ」に移り変わっています。私たちは、こうした厳しい現実から目を背けてはいられません。

 キイ局やローカル局も次々とコンテンツをネットでビジネスに繋げる試行錯誤を急いでいます。NHKに続き、昨年10月から日本テレビにおいて同時配信が始まりました。放送業界は大きな変革を迫られています。今こそ労使で10年後、20年後のあるべき姿を描き、そのためにどう変革していくべきなのかを真剣に協議し、次代の放送・コンテンツ産業を切り拓く時期です。しかし、一方でこうした厳しい経営環境を理由に労働者の待遇を悪化させるような動きは断じて許されません。民放労連はこうした経営の悪手に対しては力を合わせて闘って行きます。

 皆さんが感じておられる通り、民放労連も今大きな岐路に立っています。時代が大きく変わりゆく中で、自分たちに何が求められていて、何を頑張っていくべきなのかを、特に放送の将来を担う若い世代の率直な意見や提案も生かしていきましょう。

 最後に、民放労連は、放送業界で働くすべての組合員が今後も最大限力を発揮できるような環境整備、さらには生活水準・待遇が守られるよう、これからも時代の先頭に立って放送・コンテンツ産業の将来を切り拓く取り組みを展開していきます。力を合わせて頑張っていきましょう!

2022年1月29日
日本民間放送労働組合連合会 第134回臨時大会