「セクハラ番組」訴訟原告を支援し、安心して働ける番組制作環境の確立をめざす決議(2026年2月12日)

 愛媛県のローカルテレビ局「あいテレビ」が制作していたバラエティ番組で進行役を務めたフリーランスのアナウンサーが、レギュラー出演していた有名タレントらから執拗に性的な言動を受け、その様子を編集したものが放送され続けたことから、心身を病んで番組を降板した。フリーアナウンサーは、出演業務を全うするために、視聴者にはわからないように気丈にふるまっているうちに、心が壊れてしまった。今から 5 年前のことだ。
 アナウンサーは放送スタッフユニオンに加入して、2024年7月にテレビ局と団体交渉を行い、会社としてのセクシュアルハラスメントの調査とそれに基づく謝罪を求めたが、テレビ局はセクハラの事実を認めようとしなかった。アナウンサーは、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状を含む重いうつ病と診断され、治療に専念しているため、いまだに定職に就くことができない。それでも、自らの尊厳の回復をめざして、2025年6月、テレビ局を相手に損害賠償を求める裁判を起こした。第1回期日となった昨年 10月3日、アナウンサーはフラッシュバックに悩まされながらも東京地方裁判所の法廷に立ち、「仕事を続けるために口を閉ざすことを強いられている人が、本当にたくさんいます。いい加減にこんなことが続くことがないように、私は人生を賭けて提訴する覚悟を決めました」と、意見陳述を行った。裁判で被告のあいテレビは全面的に争う姿勢を示し、双方の主張を整理する進行協議が東京地裁で進められている。
 昨年、大きな事件となったフジテレビをめぐる問題では、メディア業界で女性が差別的に取り扱われてきた実態が明らかになった。このような業界の風土を一掃するため、自らの尊厳をかけたたたかいに立ち上がったアナウンサーの勇気に、私たちは心から敬意を表する。民放労連をあげて、このたたかいを支援していく。私たちは昨年12月、あいテレビが本社を置く愛媛県松山市内で訴訟の代理人弁護士を講師にした学習会を開催し、この訴訟の争点について理解を深める取り組みも行った。
 このたたかいに賛同する民放労連内外の皆さんにより「原告を支える会」も立ち上げられた。私たちは、匿名でたたかうアナウンサーを物心両面で支援するとともに、番組制作現場から性暴力の危険を根絶し、誰もが安心して安全に働ける労働環境を確立するよう、力を合わせて奮闘していく決意を表明する。

2026年2月12日
日本民間放送労働組合連合会 第142回臨時大会