民放労連第137回定期大会アピール(2023/8/7)

 最高気温が連日35度を超える酷暑が続く東京で、結成70周年を迎えた民放労連の第137回定期大会がハイブリッドで開催された。
 ロシアとウクライナの戦争が長期化し、原油高を引き金とした物価高が続いている。急激な物価上昇に対応するためにも賃上げの流れを止めてはいけない。
 春闘では京都放送労組の43年連続ベア獲得をはじめ、全体で40組合がベアを獲得している。今後も生活を守り、より魅力的な会社と職場にするためにも賃上げやさまざまな制度を勝ち取れるよう、年末闘争、来春闘へ向けてこれまで以上に手を携えていく必要がある。
 今大会では、多くの組合からの発言を促すために「規模別分散会」がおこなわれ、現状でそれぞれが抱える問題や課題などについて意見交換がおこなわれた。
 若手の離職に関してはどの分散会でも問題とされ、賃上げだけではなく魅力ある産業にする必要性が報告された。またコロナ禍で広がったリモートワークや在宅勤務での長時間かつ拘束的な働き方に対する「つながらない権利」の必要性の報告など、今後の取り組みに生かせる情報交換となった。
 民放労連内の2つの争議について、早期解決に向けた支援要請がなされた。ひとつは関東地連での「議員秘書による取材活動中の記者に対する性暴力事件」、もうひとつは近畿地連での「よみうりテレビサービス見せしめ解雇争議」で、特に「よみうりテレビサービスでの解雇争議」では、これまでの3年にわたる会社側による人権無視の対応が繰り返されている事に対する悲痛な訴えが、大会参加者の心を打った。
 争議が長引けば当事者の心身ともに消耗が激しくなることは明らかであり、一刻も早く争議解決させるためにも、民放労連全体で取り組む事を確認した。
 減少し続ける労働組合と組合員数を改善させるためには、民放労連の本部・地連・単組の将来に向けた組織のあり方について検討する必要があるとの認識で、「組織財政検討委員会」が設置され、これまでの検討結果と今後の方針についての報告がなされた。
 組織や活動をコンパクト化することで体制の強化と、「いまの時代に合った労働組合活動」を目指し、本部・地連・単組の役割分担と活動の棚卸しによる効率化を基にした会費設定と予算配分の見直しを進めていることが報告された。
 民放労連は、今年70周年の節目を迎えたが、放送業界をとりまく環境は厳しさを増している。70年に渡って先輩が築き上げてきた放送業界への信頼を守り抜き、すべての争議解決と労働者の生活向上・待遇改善を進めていこう。

2023年8月7日
日本民間放送労働組合連合会 第137回定期大会