規制改革推進会議「通信と放送の融合の下での放送のあり方について」に対する民放労連委員長談話

規制改革推進会議「通信と放送の融合の下での放送のあり方について」

に対する民放労連委員長談話

 

2018年4月20日

日本民間放送労働組合連合会

中央執行委員長 赤塚 オホロ

 

政府の規制改革推進会議は、安倍首相も出席した4月16日の会合で放送制度の見直しを議論し、その中で今後の課題として「通信・放送の融合によるビジネスモデル」「多様で良質なコンテンツの提供」「電波の有効利用に向けた制度のあり方」を掲げ、第三次答申に向けて検討を進めていくことを表明した。この席では、政治的公平などを規定した放送法4条をはじめとする放送特有の規制の撤廃などは議論されなかったと報じられている。

視聴者にも大きな影響を及ぼしかねない問題について拙速な議論とならなかったことはひとまず評価したい。しかし、議論の方向性としては、相変わらず産業振興の側面ばかりが強調されていて、放送の社会的効用や公共的価値に関する論点が欠如していることが強く懸念される。放送法の目的にあるとおり、健全な民主主義の発達に資するために、私たち放送に働く者はこれまで努力を積み重ねてきた自負がある。こうした取り組みがまったく考慮されないような政策論議は、到底受け入れられない。

そもそも「投資等ワーキンググループ」という経済的価値を追求するための作業部会では、先に指摘したような放送の公共性に基づいた議論を期待できるはずもない。放送制度の見直しを検討するのであれば、産業界だけではなく国民各層の意見を幅広く反映できるよう、もっとオープンな枠組みで一から議論をやり直すべきだ。

 

以 上