第126回臨時大会 アピール

大会アピール

「大事をなすには寿命が長くなくてはいけないよ」。東京・両国で生まれた勝海舟が残した言葉だ。放送労働者が一人たりとも過労で倒れることなく健康で、労働条件の改善と格差是正を達成し、放送文化を発展させ、平和を守る。私たちはこの「大事」をなすことを志し、海舟ゆかりの地に集まった。

改憲が発議されるおそれが強まっている。「二〇二〇年新憲法施行」をめざす安倍首相は、北朝鮮のミサイル発射実験や中国の領海侵入など不安をあおることで、年内の改憲発議を視野に入れている。安倍政権による改憲の真の狙いは、権力を縛る立憲主義を否定することだ。私たちは現憲法を尊重し、平和と人権、自由を守りぬくため、発議を止める「3000万人署名」などの運動を続けることをあらためて確認した。

 

「一万人の民放労連」をめざす「構内労働者プロジェクトⅡ」で、私たちは企業内組合からの脱却の重要性を学んでいる。京都放送労組は、雇止めになった派遣スタッフについて、京都労働局に偽装請負を認める逆転認定を出させたうえ、直用化を拒否する経営者を退陣に追い込み、二年間の闘争の末、京都放送に直用させた。また、RBCビジョン労組からは、組合に加入する契約社員の雇止めを撤回させ、四月からの無期転換を勝ち取ったことが報告された。私たちはこれらの取り組みを教訓として、単組や地連で学習しなければならない。

沖縄県民が日々、米軍機事故の恐怖にさらされている。去年十二月には、保育園の屋根にヘリの部品が、小学校の校庭にヘリの窓が相次いで落下。今年に入っても既にヘリが三度、民間地などに不時着する事故が続いている。いずれも一歩間違えば大惨事だ。大会の討論では、沖縄地連から「ぜひ自分の地域に置き換えて考えてほしい」と熱い訴えがあった。私たちは相次ぐ米軍機事故に抗議するとともに、普天間基地の即時返還を求める。

 

今や「放送業界はブラック」が常識となりつつある。看板番組の優秀な外部スタッフが低賃金を理由にどんどん辞めている現状も報告され、子どもが放送局に就職することを親が反対する事例も出てきているという。「働き方改革」を会社任せにせず、労働組合が自らディーセントワークの実現をめざす必要がある。また、私たちは討論を通じて、法制化が検討されている高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)や裁量労働制の適用範囲拡大、解雇の金銭解決など労働法制の改悪には断固として反対していくことを確認した。

北海道放送労組は「必ずベアを獲得する」と決意を表明した。すべての労働組合がこの決意を共有して、一八春闘に臨もう!人々が必要とする放送を守るため、社会的な使命を果たすため、いまこそ労働組合の再生が求められている。すべての放送労働者の団結を創り出し、「いのちと健康、雇用と生活を守る一八春闘」をたたかい切ろう!

二〇一二八

         日本民間放送労働組合連合会 第一二六臨時大会