メディア日誌 2021年4月

◆コロナ禍で世代間の情報格差を減らそうと、大阪府泉大津市は3月下旬から、70歳以上のお年寄りがいる市内の全約11400世帯を対象にラジオを配っている。スマートフォンを持たずインターネットも身近でない人も少なくなく、ラジオでコロナ対策や防災の情報に接してもらおうと考えた。  (4月4日)


◆フジテレビなどを傘下に置くフジ・メディア・ホールディングス(HD)の金光修社長は同社で記者会見を開き、2014年9月までの約2年間にわたり放送法の外資規制に違反していたと認め、陳謝した。同年12月に違反の事実を総務省に相談し、厳重注意を受けたと説明。同省は当時の対応について「法的な問題はなかった」としている。(4月8日)


◆放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は、日本テレビ系情報番組「スッキリ」でアイヌ民族を傷つける表現があった問題について、放送倫理違反の疑いがあるとして審議することを決めた。この日就任した小町谷育子・同委員長は「無意識的に差別のことを放送し、そこに全くチェックが働いていなかった」と述べた。 (4月9日)


◆ミャンマー国営テレビは19日夜、18日に治安当局に拘束されたフリージャーナリストの北角裕樹さん(45)が虚偽ニュースを拡散した疑いで逮捕、訴追されたと報じた。国軍のクーデターに抗議するデモが長期化し、軍は報道関係者への弾圧を強めている。北角さんは元日本経済新聞記者で、フリーで活動していた。 (4月19日)


◆国際NGO「国境なき記者団」(本部・パリ)は、2021年の「報道の自由度ランキング」を発表した。調査対象の180カ国・地域のうち日本は67位(前年66位)だった。日本の状況について、政権批判をする記者がSNSで攻撃されているなどと指摘。昨年9月に就任した菅義偉首相については、「報道の自由の雰囲気を改善するために何もしていない」と批判した。 (4月20日)


◆スウェーデンの音楽配信大手であるスポティファイは、テレビ東京の関連会社と連携し、独自の音声番組を配信すると発表した。第一弾では多様な人々の食生活を密着取材する人気テレビ番組の音声版を配信する。出版社や放送局など既存メディアと連携し、独自配信できる音声番組を増やすことで新規顧客を獲得する。 (4月21日)


◆米映画界最高の栄誉である第93回アカデミー賞の授賞式が25日夕(日本時間26日午前)、西部ロサンゼルスなどで開かれた。監督賞は「ノマドランド」のクロエ・ジャオ監督が受賞。中国出身のジャオさんは白人以外の女性で初の監督賞となった。助演女優賞は「ミナリ」のユン・ヨジョンさんが制し、韓国人俳優で初めての受賞となった。(4月26日)