民放労連第132回臨時大会「普天間飛行場返還に伴う新基地建設計画を含め 沖縄の真の負担軽減を求める決議」(2021年1月31日)

 2020年は米軍(アメリカ軍)基地関連の事件や事故が相次いだ一年だった。
全国のメディアが新型コロナウイルス感染症に関する報道で覆われている陰で、沖縄県民は、変わらず存在する米軍基地から派生する問題と、隣合わせの日常を余儀なくされている。
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、沖縄県が独自に緊急事態を宣言した翌日の4月21日、沖縄防衛局は名護市辺野古の新基地建設に向け、軟弱地盤の改良工事を盛り込んだ設計変更を認めるよう県に申請した。国が新基地建設に向けて埋め立てを強行する名護市大浦湾にはマヨネーズ状とも言われる軟弱地盤が広がっている。工事を進めるには地盤改良工事が必要となる。新型コロナウイルスの影響で工事が止まり、抗議行動が自粛される中、新基地建設を優先する構図は県民の命を軽視していると言わざるを得ない。本当に政府が真に沖縄県民のために一日も早い危険性の除去を探ろうとしているのか、実現しようとしているのか、その姿勢については疑問を呈せざるを得ない。
 2月に普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリでつり下げ輸送中だった鉄製の構造物が、沖縄県読谷村の米陸軍トリイ通信施設の西側の海上に落下。四月には同普天間飛行場で有機フッ素化合物PFOS(ピーフォス)を含む泡消火剤の漏出事故が発生。隊員たちが格納庫前でバーベキューをしようとして、消火装置が作動したのが原因だった。県の基地内への立ち入り調査が認められたのは発生から11日後。基地内の水や土壌は米軍が採取した物の提供を受ける形になるなど、日米地位協定の高い壁、実効性のなさが浮き彫りとなった。泡は子どもたちの遊び場を覆い、市街地に舞い散り、川を通じ海に達するなど、周辺環境に影響を与えた。優先されるべきは住民の健康と安全だ。
 また、嘉手納基地では6月に危険物取り扱い施設で火災が発生。嘉手納基地は、火災後すぐにフェイスブックで人体に有毒な「塩素ガスの粒子を放出した」と投稿し、目や気道に異常を感じた場合は医療機関を受診するよう英語で呼びかけた。しかし沖縄のメディアに広報があったのは火災から約10時間後、文面も「塩素ガス放出の可能性」と表現がおさえられていた。住民より米軍関係者への注意喚起を優先する米軍の姿勢もあらわとなった。
 2017年12月、宜野湾市の保育園の屋根で、米軍ヘリの部品が見つかってから3年が過ぎた。米軍は、CH53ヘリの部品だと認めたが、落下は認めておらず、未だ原因が解明されていない。親たちのたったひとつの願い「子どもたちが安心・安全な空の下で遊べる環境にしてほしい」。その声に答える具体的な取り組みは、事故から三年経っても始まっていない。なぜ、その願いは今も叶わないのか。
 日米特別行動委員会(SACO)合意から25年、普天間飛行場返還に伴う新基地建設計画を含め、負担軽減とは名ばかりの基地機能の強化が続く。沖縄の現実を日米両政府は直視し、真の負担軽減策を提示すべきである。
 右、決議する。

2021年1月31日
日本民間放送労働組合連合会 第132回臨時大会