メディア日誌 2019年6月

◆NHKは14日付で実施する組織改革を発表した。番組制作部門では制作局の2つの「センター」とその傘下の8つの「部」を廃止し、6つの「ユニット」に再編。報道局では、テレビニュースとネットワーク報道部の一部を一体化して「ニュース制作部」を設置する。(6月1日)


◆言論と表現の自由に関する国連のデービッド・ケイ特別報告者が、日本では現在もメディアの独立性に懸念が残るとする新たな報告書をまとめたことが4日分かった。日本の報道が特定秘密保護法などで萎縮している可能性があるとして同法の改正や放送法4条の廃止を求めた2017年の勧告を、日本政府がほとんど履行していないと批判している。(6月4日)


◆日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)は、セクハラ被害と職場の対応に関するウェブアンケートの結果速報を発表した。マスコミ以外からも回答があり、女性の8割以上がセクハラ被害の経験があるとし、相談・通報されない事例が66%に上った。(6月7日)


◆改正ドローン規制法が施行された。ドローンを米軍施設や訓練水域、自衛隊施設とその周囲約300メートルの上空で飛ばすには同意が必要になる。政府はテロ対策と強調するが、同意の基準は不明確で、飛行禁止となり得る範囲も広い。「国民の知る権利が侵害される」との懸念の声が出ている。(6月13日)


◆放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は、性別をめぐる不適切な取材が問題となった読売テレビの報道番組『かんさい情報ネットten.』について審議入りすると決めた。(6月14日)


◆フジテレビは番組の「送出マスター」を更新し、地上波で運用を開始した。新マスターは、これまでVTRで受け渡ししていた番組素材をデータファイルとしてクラウドサービス上で管理する。日本の地上波テレビでは初の試み。(6月22日)


◆関西テレビ制作のバラエティー番組『胸いっぱいサミット!』で作家の岩井志麻子が韓国人や女性への差別と受け取れる発言をした問題で、同社は問題を取り上げた広報番組『カンテレ通信』の放送を1週間延期し、謝罪部分を加えて放送した。(6月23日)


◆吉本興業が反社会的勢力のパーティーに出席し、「闇営業」で金銭を受け取っていたとして謹慎処分にしたお笑い芸人11人の出演番組を抱える在京のテレビ各局は対応に追われた。(6月25日)