テレビ朝日『報道ステーション』スタッフ「派遣切り」の撤回を求める 委員長談話(2019年12月26日)

民放労連委員長談話
テレビ朝日『報道ステーション』
スタッフ「派遣切り」の撤回を求める

2019年12月26日
日本民間放送労働組合連合会
中央執行委員長 土屋 義嗣

 テレビ朝日の看板報道番組『報道ステーション』で、2020年4月の番組リニューアルに向けて、社外スタッフを大量に契約終了させることが明らかになった。社員スタッフも大幅な異動が予定されているというが、社外スタッフの契約終了は事実上の「解雇」に相当し、2008年のリーマンショックによる「派遣切り」が大きな社会問題となり、私たち放送メディアも時間を割いて放送したことは記憶に新しい。
 番組が継続するにもかかわらず、「人心一新」を理由にスタッフの雇用不安を引き起こすような人員の入れ替えを行うことは、社会に一定の影響力を持つメディア企業としてあってはならない。会社は「新たな雇用先を確保する」としているが、それでも将来に対する不安は大きなものとなることは否めない。事実、契約終了を通告されたスタッフの中には、ショックで体調を崩した人も現れたという。強引で極端な労務政策は、番組スタッフ以外にも不安を広げ、テレビ朝日で働くすべての人々のモチベーションに極めて深刻な影響を及ぼすことになりかねない。
 スタッフの声に耳を傾けず、一方的な理由で契約終了を宣告するのは、働く者の権利を踏みにじる行為であり、放送で働く労働者を組織する民放労連として看過できない。
 テレビ朝日には、今回の「派遣切り」の再考・撤回を強く求めるとともに、働く者の立場に立った企業として生まれ変わるよう、それこそ「人心一新」をはかることを求めたい。

以 上