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第126回臨時大会 「相次ぐ米軍機の事故に抗議し、普天間基地の即時閉鎖返還を求める決議」

相次ぐ米軍機の事故に抗議し、普天間基地の即時閉鎖返還を求める決議

【提案 沖縄地連】

二〇一八年新年早々の六日、沖縄本島中部のうるま市から橋でつながった伊計島に米軍のヘリが不時着。住民は恐怖で騒然とした。海兵隊は二日後の八日午前、回転翼を取り外した機体を大型輸送ヘリでつり下げ基地内へと運び去った。

ところが同日午後、読谷村のリゾートホテル近くの民間地にまたしても別のヘリが不時着したのだ。在日海兵隊司令官は安全な場所に着陸した、と兵員を賛辞した。事故の原因究明もなされないままにである。リゾートホテルに墜落していたら大惨事が起きていたにもかかわらずだ。

昨年暮れの一二月七日には普天間基地周辺の保育園の屋根に米軍ヘリの部品が落下。六日後の一三日には普天間第二小学校の校庭に基地から飛び立ったヘリの窓(重さ約八㌔)が落下し、体育の授業中だった児童たちの十数メートル近くで窓の特殊ガラスが散乱した。窓落下の風圧で小石が飛び、児童が軽傷を負っている。一歩間違えば大惨事になっていたところだ。

普天間基地所属の米軍機群は、オスプレイが一六年暮れに名護市の東海岸に墜落大破したのをはじめ、今年の新年までにオーストラリア沖での訓練に参加したオスプレイが墜落。東村高江では大型輸送ヘリが墜落炎上。そして年末年始の落下事故と不時着事故。相次ぐ米軍機の事故に沖縄県議会は一月一九日、抗議決議を全会一致で可決した。

ヘリの窓が落下した小学校の児童らは「空からは雨が降ってくると思っていたら、ヘリやヘリの部品が降ってくる」と手記をしたためている。事故後、米軍は学校上空を避けると言ったが、一八日には学校上空を我が物顔で飛行し、児童たちを不安に陥れた。そして一月二三日には渡名喜島に不時着。もう沖縄だけの事故で済まされない。オスプレイはじめ米軍機は全国を飛んでいる。みんなの空から「米軍機が降ってくる」。

沖縄が被る犠牲は米軍機だけではない。ヘリの部品と窓が落下した保育園と小学校には連日、「落下は作り話」「基地のそばにいるお前らが悪い」という電話が後を絶たない。保育士や教諭らの心労をあざ笑い、沖縄に基地を押し付ける「ヘイト集団」の存在は絶対に許してはならない。許せば民主主義が根底から崩壊することを意味する。

二〇〇四年八月に沖縄国際大学にヘリが墜落した事故の後、上空から普天間基地と周辺市街地を視察した当時のラムズフェルド米国防長官は「世界一危険な飛行場」と発言した。だが事故は今でも続いている。事故が起こるたびに米軍は「良き隣人」を強調しながら飛行を再開する。日本政府は米政府にモノが言えず沖縄の基地負担を黙認する。どちらも「沖縄県民の命」より軍事優先しか頭にない。世界一危険な基地と欠陥機は一日も早くなくさなくてはならない。

私たちは相次ぐ米軍機の事故に抗議し、米軍普天間基地の即時閉鎖返還を求める。

右決議する。

二〇一八年一月二八日

日本民間放送労働組合連合会 第一二六回臨時大会

第126回臨時大会 「表現の自由を守り、真実を伝える放送を確立する決議」

表現の自由を守り、真実を伝える放送を確立する決議

【提案:労連本部】

 昨年一月に東京メトロポリタンテレビジョン(MX)が放送した、沖縄の米軍基地反対闘争に携わる人々を取り上げた番組『ニュース女子』に対して、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は先月、「重大な放送倫理違反」とする決定を公表した。

同委員会は放送された内容に関して、沖縄に赴いて現地調査も行い、事実関係について極めて詳細な検証を行った。本来、こうした検証は、調査報道の手法を用いて放送局が自ら行い、視聴者に対して番組を通じて説明することが期待されていたものだった。今回、現地調査を踏まえてBPOから非常に厳しい指摘があったことを、MXの経営陣はもちろん、放送の現場で働く私たちも重く受け止めなければならない。

BPOの検証活動により、ネット上に蔓延している沖縄への差別的な言説は、根拠に乏しい意図的な虚偽情報であることが改めて明らかになったと言える。最近はこうした情報も含めて「多角的な論点」として紹介されるケースがみられるが、事実に基づかない「論点」は、国民の知る権利の妨害に他ならず、「両論併記」にはなりえない。誤った情報を正して、真実を広く伝えるよう心がけるとともに、私たち民放労連は、沖縄の人々に寄り添う努力を今後とも続けていくことを表明する。

一方、国際社会の厳しい目も存在する。昨年一一月、国連人権理事会は日本政府に対して、「政治的に公平であること」などを規定した放送法四条の廃止を含め、表現の自由の観点からの政策見直しを提言した。これは一昨年二月、当時の高市早苗総務相が、政治的公平が疑われる放送が行われたと政府が判断した場合、その放送局に対して放送停止を命じる可能性に言及したことなどを受けたものだ。

放送法三条は「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」と規定し、政府や政権政党が放送の内容に不当に介入することを厳に戒めている。総務相発言は、それ自体が放送法違反であり、撤回されなければならない。放送法四条を理由とした政府からの圧力に対しては、放送関係者が放送の自由を主張して、毅然とはねのければいいはずだ。ここでは、権力に迎合的な放送経営者の姿勢が厳しく問われているとともに、それを厳しく監視し追及する労働組合の存在が、諸外国からも期待されていると言える。

放送で働く者が、不当な圧力に屈することなく、放送・表現の自由を守り、視聴者から信頼される真実の放送を確立することを、改めて求められている。こうした期待に応えるため、私たちはよりいっそう奮闘していくことをここに宣言する。

右、決議する。

二〇一八年一月二八日

日本民間放送労働組合連合会 第一二六回臨時大会

 

 

第126回臨時大会 「憲法「改正」に反対し、平和と立憲主義を守る決議」

憲法「改正」に反対し、平和と立憲主義を守る決議

【提案 労連本部】

 安倍首相は、年頭あいさつで「憲法のあるべき姿を示す」と、改めて憲法「改正」への意気込みを示した。しかし、この発言は「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」という憲法九九条に明らかに違反している言葉であり、時の首相が軽々しく使うべきではない。

自民党が政権に復帰した二〇一二年以降、安倍首相は「戦後レジームからの脱却」を掲げ、いかにも現行の憲法が時代に即していないかのような発言を繰り返しているが、安倍首相と自民党が考える「憲法のあるべき姿」とは、二〇一二年に発表された自民党の「憲法改正草案」であり、権力を規制するという立憲主義の本義から外れ、国民を統制し、国家に奉仕させようとする意図が明白なものである。

昨年五月三日の憲法記念日に、安倍首相は自民党総裁として「二〇二〇年に新憲法施行」の意向を示した。その後の総選挙で自民党が「改憲」を公約に掲げ、北朝鮮の相次ぐミサイル発射実験を奇貨として、日本を守るには憲法改正が必要であるかのように危機感を煽っている。このスケジュールありきの性急な動きに対し、野党だけではなく同じ与党の公明党や自民党内からも反対意見や慎重論が出ているが、立ち止まる気配は全くない。

従来の政府解釈を変え、閣議決定だけで集団的自衛権の行使を容認した安倍政権は、「特定秘密保護法」「安保関連法制」「共謀罪(テロ等準備罪)」などの重要法案を、十分な議論も国民の理解も得ないまま、数の力で次々と強行採決して成立させた。このまま座して見ていては、日本のすべての法律の根本である憲法も同様に、国会での熟議も国民の議論も無いまま、数の力で、国会での憲法「改正」の発議に向けて突き進みかねない。

私たち民放労連は、立憲主義を否定する改憲に強く反対する。国家のために個人の権利や表現の自由を制限し、多数派の一存で国の根幹を変えられるような社会に変えてはならない。安倍首相らが企図する改憲の真の狙いは、国家権力を縛る憲法上の制約を取り払うことである。この暴挙を許さないためにも、真の狙いを隠蔽し、蟻の一穴を狙うかのような「加憲」や「お試し改憲」にも断固反対する。

憲法十二条に、私たちが手にする自由及び権利は、「国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」と定められたとおり、民放労連に結集する私たちは、現憲法を尊重し、自由と平和を守るための運動を続けることを、ここに宣言する。

右、決議する。

二〇一八年一月二八日

日本民間放送労働組合連合会 第一二六回臨時大会

第126回臨時大会 「労働法制改悪に反対する決議」

 労働法制改悪に反対する決議

                            【提案 労連本部】

今月二二日の施政方針演説で安倍首相は、同一労働同一賃金の実現により「非正規という言葉を一掃する」と述べた。しかし厚労省が昨年公表した働き方改革一括法案要綱は、過労死ライン以上に働かせる時間外上限規制や、労働時間管理をせず残業代も払わない高度プロフェッショナル制度、裁量労働制の対象業務の拡大、多様な就業形態の普及を追加した雇用対策案など、労働者のいのちと健康や雇用を脅かすものであり、同一労働同一賃金への道筋は示されていない。

厚労省が二〇一六年に発表した「働き方の未来2035」の中では、「雇用関係によらない働き方」が提起されている。すべての働くという活動も、相手方と契約を結ぶ以上は民法が基礎になると書かれているが、当事者間の自由で対等な契約を理想としており、実際には企業が雇用責任を問われず、労働者が保護されない働き方にほかならない。

EUの欧州司法裁判所(ECJ)では、業務委託であっても使用従属性や経済的な従属性が高い働き方であれば、労働者保護法制の対象とする判断を示した。世界の動向に逆行し、労働者の権利が奪われるようなことがあってはならない。

さらに、経営者に雇用継続の義務を免れさせる「解雇の金銭解決制度」の法制化の検討が再び進められている。これは、私たち労働者の雇用と生活を大きく脅かす制度であり、今後この制度が導入されれば、これまでの労働者派遣法や労働契約法のように悪用されることは明らかだ。塩崎前厚生労働大臣が財界との懇談会で高度プロフェッショナル制度について「小さく産んで、大きく育てよう」と発言したことは、まさに経営者の本音を代弁しているに等しい。

春闘では、慢性的な長時間労働の解消や賃金・労働条件の改善によって、働き甲斐のある人間らしい仕事や職場を目指すとともに、経営の論理を優先する労働法制の改悪には、断固として反対していく必要がある。

そして労働契約法と労働者派遣法のいわゆる「二〇一八年問題」について、経営者に都合のいい解釈での運用を許さず、すべての労働者の雇用と生活を守り、将来にわたって安心して働ける職場にしていくことが、放送業界でも当然求められている。

すべての労働者の雇用と生活が守られ、安心して働ける社会の実現に向けて、労働法制改悪に断固として反対していこう。

右、決議する。

二〇一八年一月二八日

   日本民間放送労働組合連合会 第一二六回臨時大会

第126回臨時大会 「民放で働くすべての労働者の団結を呼びかける決議」

民放で働くすべての労働者の団結を呼びかける決議

【提案 労連本部】

二〇一三年施行の改正労働契約法、二〇一五年の改正労働者派遣法により、雇止めや派遣切りで職を失う恐れが生じる、いわゆる「二〇一八年問題」に直面している。

しかし、この「二〇一八年問題」は、五年にわたって有期雇用で働いてきた労働者が、無期雇用への転換権を手にするチャンスであり、派遣労働者にとっては「雇用の安定」をつかむきっかけになりえるものだ。

報道によると、「二〇一八年問題」を先取りして、無期転換や正社員化を自発的に行う企業や、使用者側の雇い止めの方針を阻止して、雇用を継続させた労働組合が増えている。一方で、契約終了後から再契約までの六か月の空白期間を設け、無期転換権を消滅させる企業も少なくないことが発覚した。

放送業界を見渡すと、十年以上働いているにも関わらず、昨年春の契約更新で今年三月末の雇い止めを宣告された有期契約労働者や、五年で契約を解除され、再び働き始める時に時給を下げられた有期契約労働者もいる。満五年の有期雇用を目前にして雇止めを言い渡されている未組織の労働者や派遣期間が丸三年を経過した後は、職場から追われる派遣労働者がいることを私たちは知っている。そのような労働者に対して私たちは何ができるのか。

京都放送労組は、有期契約労働者の声を正面から受け止め、当該労働者に組合加入を促し、組合全体の運動で、雇い止めを跳ね返し直用化を勝ち取った。さらに今年三月で丸三年を迎える派遣労働者の四月からの直接雇用を会社に約束させた。RBCビジョン労組は労連本部、沖縄地連と連携し、出産を目前に控えた有期雇用の組合員の雇止めを撤回させ、同時に無期雇用を勝ち取った。

放送が健全に発展していくために、将来を担う人材の採用と育成こそが必要だ。放送現場に蔓延する長時間労働や代休も取れない休日出勤といった若い人々の「ブラック産業」とのマイナスイメージを払しょくしなければならない。放送局とプロダクション・関連会社、正社員と非正社員の賃金・労働条件の格差を解消し、人間らしく働き、人間らしく生活できる産業に変えていくために、放送局構内で働くすべての労働者に労働組合への加入を呼びかけ、大きな団結をつくりだそう。

右、決議する。

二〇一八年一月二八日

    日本民間放送労働組合連合会 第一二六回臨時大会

第126回臨時大会 アピール

大会アピール

「大事をなすには寿命が長くなくてはいけないよ」。東京・両国で生まれた勝海舟が残した言葉だ。放送労働者が一人たりとも過労で倒れることなく健康で、労働条件の改善と格差是正を達成し、放送文化を発展させ、平和を守る。私たちはこの「大事」をなすことを志し、海舟ゆかりの地に集まった。

改憲が発議されるおそれが強まっている。「二〇二〇年新憲法施行」をめざす安倍首相は、北朝鮮のミサイル発射実験や中国の領海侵入など不安をあおることで、年内の改憲発議を視野に入れている。安倍政権による改憲の真の狙いは、権力を縛る立憲主義を否定することだ。私たちは現憲法を尊重し、平和と人権、自由を守りぬくため、発議を止める「3000万人署名」などの運動を続けることをあらためて確認した。

 

「一万人の民放労連」をめざす「構内労働者プロジェクトⅡ」で、私たちは企業内組合からの脱却の重要性を学んでいる。京都放送労組は、雇止めになった派遣スタッフについて、京都労働局に偽装請負を認める逆転認定を出させたうえ、直用化を拒否する経営者を退陣に追い込み、二年間の闘争の末、京都放送に直用させた。また、RBCビジョン労組からは、組合に加入する契約社員の雇止めを撤回させ、四月からの無期転換を勝ち取ったことが報告された。私たちはこれらの取り組みを教訓として、単組や地連で学習しなければならない。

沖縄県民が日々、米軍機事故の恐怖にさらされている。去年十二月には、保育園の屋根にヘリの部品が、小学校の校庭にヘリの窓が相次いで落下。今年に入っても既にヘリが三度、民間地などに不時着する事故が続いている。いずれも一歩間違えば大惨事だ。大会の討論では、沖縄地連から「ぜひ自分の地域に置き換えて考えてほしい」と熱い訴えがあった。私たちは相次ぐ米軍機事故に抗議するとともに、普天間基地の即時返還を求める。

 

今や「放送業界はブラック」が常識となりつつある。看板番組の優秀な外部スタッフが低賃金を理由にどんどん辞めている現状も報告され、子どもが放送局に就職することを親が反対する事例も出てきているという。「働き方改革」を会社任せにせず、労働組合が自らディーセントワークの実現をめざす必要がある。また、私たちは討論を通じて、法制化が検討されている高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)や裁量労働制の適用範囲拡大、解雇の金銭解決など労働法制の改悪には断固として反対していくことを確認した。

北海道放送労組は「必ずベアを獲得する」と決意を表明した。すべての労働組合がこの決意を共有して、一八春闘に臨もう!人々が必要とする放送を守るため、社会的な使命を果たすため、いまこそ労働組合の再生が求められている。すべての放送労働者の団結を創り出し、「いのちと健康、雇用と生活を守る一八春闘」をたたかい切ろう!

二〇一二八

         日本民間放送労働組合連合会 第一二六臨時大会 

委員長談話 沖縄の苦悩に「両論併記」はありえない

沖縄の苦悩に「両論併記」はありえない

~MX『ニュース女子』BPO決定を受けた民放労連委員長談話~

2017年12月20日

日本民間放送労働組合連合会

中央執行委員長 赤塚 オホロ

 

12月14日、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は、東京メトロポリタンテレビジョン(MX)が今年1月2日に放送した番組『ニュース女子』の沖縄の基地反対運動をめぐる特集について「重大な放送倫理違反があった」との決定を出した。

意見書は、MXに対して「抗議活動を行う側に対する取材の欠如を問題としなかった」「『救急車を止めた』との放送内容の裏付けを確認しなかった」「『日当』という表現の裏付けを確認しなかった」「『基地の外の』とのスーパーを放置した」「侮蔑的表現のチェックを怠った」「完パケでの考査を行わなかった」という六つの点を指摘したうえで「本件放送には複数の放送倫理上の問題が含まれており、そのような番組を適正な考査を行うことなく放送した点において、TOKYO MXには重大な放送倫理違反があった」と断じている。

 

同委員会は今回、放送された内容に関して、沖縄に赴いて現地調査も行い、事実関係について極めて詳細な検証活動を行っている。本来、こうした検証は、調査報道の手法を用いて放送局が自ら行い、視聴者に対して番組を通じて説明することが期待されていたものだったと言える。今回、現地調査を踏まえてBPOから非常に厳しい指摘があったことを、MXの経営陣はもちろん、放送の現場で働く私たちも重く受け止めなければならない。

MXの放送番組基準には「放送を通じてすべての人の人権を守り、人格を尊重する。個人、団体の名誉、信用を傷つけない。差別・偏見の解消に努め、あらゆる立場の弱者、少数者の意見に配慮する」などと明記されている。MXがこの基本に立ち返ることを私たちは強く期待する。また同番組に関してBPOでは、放送人権委員会での審理も続いている。こちらは人権救済を求める申し立てが行われている以上、早急な結論が待たれている。

 

放送倫理検証委員会の検証活動により、ネット上に蔓延しているような沖縄への差別的な言説は、根拠に乏しい意図的な虚偽情報であることが改めて明らかになったと言える。最近はこうした情報も含めて「多角的な論点」として紹介されるケースがみられるが、米軍基地が過剰に集中していることによる被害に悩まされ続けている沖縄の現実を思えば、そこにはもはや形式的な「両論併記」はありえないのではないだろうか。

私たち民放労連の仲間は、誤った情報を正して真実を広く伝えるよう心がけるとともに、沖縄の人々に寄り添う努力を今後とも続けていくことを表明する。

 

以 上

第125回定期大会 「沖縄・辺野古と高江の新基地建設を許さず、戦争の放棄を順守する決議」

沖縄・辺野古と高江の新基地建設を許さず、戦争の放棄を順守する決議

六月一二日、大田昌秀・元沖縄県知事が亡くなり、七月二六日には県民葬が執り行われた。大田元知事は戦前の教育者を育てる沖縄師範学校時代、日本軍が県内の学徒を集めて組織した鉄血勤皇隊の一員として戦場に駆り出され、九死に一生を得た経験を持つ。戦後は琉球大学で沖縄戦研究の第一人者としての地位を確立した。

一九九〇年の県知事選には「基地の全面撤去」と「平和行政」を公約に掲げて初当選した。特に最大の功績は沖縄戦で亡くなったすべての名前を刻んだ「平和の礎」である。

県民葬には安倍晋三首相も参列し「基地負担の軽減」に取り組むと述べた。だが会場から「大田さんの理念である平和への思いを言うなら、宮古島にも石垣島にも辺野古にも基地は造らないでほしい」という切実な声が飛んだ。

沖縄慰霊の日の六月二三日。県主催の沖縄全戦没者追悼式でも「基地負担の軽減」を述べた首相に対し会場から「嘘つき!」「戦争屋かえれ!」の声が浴びせられた。

安倍政権は事あるたびに「基地負担の軽減」を口にし、いかにも沖縄に寄り添っているかのように装う。一方で、東村高江にオスプレイのための広大な着陸帯を造り、名護市辺野古では広大な海域をフロートで囲い、絶滅危惧種のジュゴンを追い出し、多種多様な生き物が生息する豊饒な海を埋め立てる工事を進めている。

翁長雄志沖縄県知事は首相との話し合いを求めているが、首相は無視し続けている。国会では「丁寧に説明しご理解を得ていく」と答弁するが、高江と辺野古では工事を強行した。機動隊と海上保安官を動員して基地建設に反対する県民を連日のように排除し、逮捕している。

これに対し沖縄県は七月二四日、政府を相手に岩礁破砕の差し止め訴訟を那覇地裁に提起した。翁長知事は「国は恣意的に見解を変えた。法治国家のあり方からは程遠い」と政府の姿勢を批判。裁判を通して政府の強権的な姿勢を浮かび上がらせることが出来ると、訴訟の意義を強調した。

辺野古新基地は今後の耐用年数が二〇〇年と言われる。他国の軍隊を沖縄に置き続けることに躊躇することなく突き進む安倍政権に、県民の怒りは沸点に達している。

私たちは、沖縄の高江、辺野古の新基地建設を許すことはできない。憲法が定めた「戦争の放棄」をあらためて心に刻み、沖縄にも、全国にも、戦争のための軍事施設の建設に反対していく。

右、決議する。

二〇一七年七月三〇日

日本民間放送労働組合連合会 第一二五回定期大会

 

第125回定期大会 「表現の自由を守り、信頼される放送の確立をめざす決議」

表現の自由を守り、信頼される放送の確立をめざす決議

今年一月に東京メトロポリタンテレビジョン(MX)で放送された番組『ニュース女子』が、沖縄の米軍基地反対闘争に関してインターネット上に散見される事実無根の虚偽情報で構成されていたことに対して、市民から厳しい抗議活動が続いている。「フェイクニュース」と言われるデマや誤報が世界中で問題となっている今、私たち放送労働者の姿勢が問われている。

放送法四条には、放送局が守るべき倫理規定として「政治的に公平であること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」などを定めている。私たちはこの精神を活かして、視聴者の「知る権利」に応えようとさまざまな番組を制作している。MXが制作中と伝えられる検証番組も、正確な取材に基づいて多角的な論点を提示する番組となることを期待したい。放送局が放送の自律を保てないと判断されるような事態が生じることがあれば、すぐさま法的な放送・言論統制が議論の俎上に上ることを忘れてはならない。

一方で、この放送法四条の問題点を突いた提言が、国際社会から示されている。昨年、訪日調査を行った国連「表現の自由」特別報告者のデビッド・ケイ氏が今年六月、正式な調査報告を国連人権理事会に対して行った。この中では「政府の介入を可能とする法的基盤を削除することでメディアの独立性を強化するため、政府が放送法四条を見直し廃止することを勧めたい」と記されている。これは、政治的公平が疑われる放送だと政府が判断した場合、その放送局に対して電波停止を命じる可能性があるということが大きな議論となったことを受けたものだ。実際に、政府が番組内容を理由として放送局に停波を命じたことは戦後一度もないが、総務省から放送局に対する厳重注意などの行政指導は繰り返し行われ、それが放送関係者への威嚇効果をもたらしている問題が指摘されている。

放送法三条は「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」と規定し、政府や政権政党が放送の内容に不当に介入することを厳に戒めている。放送法四条を理由とした政府からの圧力に対しては、放送関係者が放送の自由を主張して、毅然とはねのければいいはずだ。

国連特別報告では、日本のメディアが権力に弱い理由として、ジャーナリスト同志の連帯が乏しいことが指摘されている。また、メディア幹部が政権トップと頻繁に会食していることにも、特別報告は厳しい批判を加えている。ここでも問われているのは、放送の現場で働く私たちの連帯と、経営者への監視の姿勢ではないか。

放送で働く私たちは、不当な圧力に屈することなく、視聴者の立場から放送・表現の自由を守り、信頼される放送を確立しなければならない。視聴者・リスナーの期待に応えるため、私たちはよりいっそう奮闘していくことをここに宣言する。

右、決議する。

二〇一七年七月三〇日

日本民間放送労働組合連合会 第一二五回定期大会

第125回定期大会 「憲法「改正」に反対し、立憲主義を守るために不断の努力を宣言する決議」

憲法「改正」に反対し、立憲主義を守るために不断の努力を宣言する決議

五月三日の憲法記念日に安倍首相は、改憲派集会にあてたビデオメッセージで「憲法『改正』を二〇二〇年までに行う」と発言し、改憲に向けての意欲を露わにした。衆議院の予算委員会で野党が真意を質した所、安倍首相は「自民党総裁としての発言であり、今は首相としての答弁に限定したい」と質問をはぐらかした。そもそも国家権力を規制するための憲法を、立場が違うと言いながらも一国の首相が「改憲」について期限を切ること自体が問題であり、「改憲論議を加速化させることが目的だ」と臆面もなく言い放つことに恐怖さえ覚える。

自民党が政権を取り返した二〇一二年以降、「特定秘密保護法」「安保関連法制」「共謀罪(テロ等準備罪)」を、十分な議論も国民の理解も得ないまま次々と強行採決で成立させた。取材・報道の自由と国民の知る権利に制約をかけ、さらには憲法で保障された思想・信条の自由、内心の自由まで制限しようとしている。日本という国を、法治国家から統制国家に変貌させようとしている。

二〇一二年に発表された自民党の憲法改正草案では、権力を規制するという立憲主義の本義からはずれ、国民を統制し、国家に奉仕させようとする意図が明白なものとなっていた。

何が秘密なのかも明確でない「特定秘密保護法」、法務大臣でさえ理解できない「共謀罪」などの法律がいかにして成立したのかを考えれば、「時の総理大臣の意向」として忖度されることは明らかだ。

私たち民放労連は、立憲主義を否定する改憲に、強く反対する。国家のために個人の権利や表現の自由を制限し、多数派の一存で国の根幹を変えられるような社会に変えてはならない。安倍首相らが企図する改憲の真の狙いは、権力を縛る憲法上の制約を取り払うことである。この暴挙を許さないためにも、真の狙いを隠蔽し、蟻の一穴を狙うかのような「お試し改憲」にも断固反対する。

憲法十二条に、私たちが手にする自由及び権利は、「国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」と定められたとおり、民放労連に結集する私たちは、現憲法を尊重し、自由と平和を守るための運動を続けることを、私たちはここに宣言する。

右、決議する。

二〇一七年七月三〇日

日本民間放送労働組合連合会 第一二五回定期大会