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第125回定期大会 「沖縄・辺野古と高江の新基地建設を許さず、戦争の放棄を順守する決議」

沖縄・辺野古と高江の新基地建設を許さず、戦争の放棄を順守する決議

六月一二日、大田昌秀・元沖縄県知事が亡くなり、七月二六日には県民葬が執り行われた。大田元知事は戦前の教育者を育てる沖縄師範学校時代、日本軍が県内の学徒を集めて組織した鉄血勤皇隊の一員として戦場に駆り出され、九死に一生を得た経験を持つ。戦後は琉球大学で沖縄戦研究の第一人者としての地位を確立した。

一九九〇年の県知事選には「基地の全面撤去」と「平和行政」を公約に掲げて初当選した。特に最大の功績は沖縄戦で亡くなったすべての名前を刻んだ「平和の礎」である。

県民葬には安倍晋三首相も参列し「基地負担の軽減」に取り組むと述べた。だが会場から「大田さんの理念である平和への思いを言うなら、宮古島にも石垣島にも辺野古にも基地は造らないでほしい」という切実な声が飛んだ。

沖縄慰霊の日の六月二三日。県主催の沖縄全戦没者追悼式でも「基地負担の軽減」を述べた首相に対し会場から「嘘つき!」「戦争屋かえれ!」の声が浴びせられた。

安倍政権は事あるたびに「基地負担の軽減」を口にし、いかにも沖縄に寄り添っているかのように装う。一方で、東村高江にオスプレイのための広大な着陸帯を造り、名護市辺野古では広大な海域をフロートで囲い、絶滅危惧種のジュゴンを追い出し、多種多様な生き物が生息する豊饒な海を埋め立てる工事を進めている。

翁長雄志沖縄県知事は首相との話し合いを求めているが、首相は無視し続けている。国会では「丁寧に説明しご理解を得ていく」と答弁するが、高江と辺野古では工事を強行した。機動隊と海上保安官を動員して基地建設に反対する県民を連日のように排除し、逮捕している。

これに対し沖縄県は七月二四日、政府を相手に岩礁破砕の差し止め訴訟を那覇地裁に提起した。翁長知事は「国は恣意的に見解を変えた。法治国家のあり方からは程遠い」と政府の姿勢を批判。裁判を通して政府の強権的な姿勢を浮かび上がらせることが出来ると、訴訟の意義を強調した。

辺野古新基地は今後の耐用年数が二〇〇年と言われる。他国の軍隊を沖縄に置き続けることに躊躇することなく突き進む安倍政権に、県民の怒りは沸点に達している。

私たちは、沖縄の高江、辺野古の新基地建設を許すことはできない。憲法が定めた「戦争の放棄」をあらためて心に刻み、沖縄にも、全国にも、戦争のための軍事施設の建設に反対していく。

右、決議する。

二〇一七年七月三〇日

日本民間放送労働組合連合会 第一二五回定期大会

 

第125回定期大会 「表現の自由を守り、信頼される放送の確立をめざす決議」

表現の自由を守り、信頼される放送の確立をめざす決議

今年一月に東京メトロポリタンテレビジョン(MX)で放送された番組『ニュース女子』が、沖縄の米軍基地反対闘争に関してインターネット上に散見される事実無根の虚偽情報で構成されていたことに対して、市民から厳しい抗議活動が続いている。「フェイクニュース」と言われるデマや誤報が世界中で問題となっている今、私たち放送労働者の姿勢が問われている。

放送法四条には、放送局が守るべき倫理規定として「政治的に公平であること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」などを定めている。私たちはこの精神を活かして、視聴者の「知る権利」に応えようとさまざまな番組を制作している。MXが制作中と伝えられる検証番組も、正確な取材に基づいて多角的な論点を提示する番組となることを期待したい。放送局が放送の自律を保てないと判断されるような事態が生じることがあれば、すぐさま法的な放送・言論統制が議論の俎上に上ることを忘れてはならない。

一方で、この放送法四条の問題点を突いた提言が、国際社会から示されている。昨年、訪日調査を行った国連「表現の自由」特別報告者のデビッド・ケイ氏が今年六月、正式な調査報告を国連人権理事会に対して行った。この中では「政府の介入を可能とする法的基盤を削除することでメディアの独立性を強化するため、政府が放送法四条を見直し廃止することを勧めたい」と記されている。これは、政治的公平が疑われる放送だと政府が判断した場合、その放送局に対して電波停止を命じる可能性があるということが大きな議論となったことを受けたものだ。実際に、政府が番組内容を理由として放送局に停波を命じたことは戦後一度もないが、総務省から放送局に対する厳重注意などの行政指導は繰り返し行われ、それが放送関係者への威嚇効果をもたらしている問題が指摘されている。

放送法三条は「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」と規定し、政府や政権政党が放送の内容に不当に介入することを厳に戒めている。放送法四条を理由とした政府からの圧力に対しては、放送関係者が放送の自由を主張して、毅然とはねのければいいはずだ。

国連特別報告では、日本のメディアが権力に弱い理由として、ジャーナリスト同志の連帯が乏しいことが指摘されている。また、メディア幹部が政権トップと頻繁に会食していることにも、特別報告は厳しい批判を加えている。ここでも問われているのは、放送の現場で働く私たちの連帯と、経営者への監視の姿勢ではないか。

放送で働く私たちは、不当な圧力に屈することなく、視聴者の立場から放送・表現の自由を守り、信頼される放送を確立しなければならない。視聴者・リスナーの期待に応えるため、私たちはよりいっそう奮闘していくことをここに宣言する。

右、決議する。

二〇一七年七月三〇日

日本民間放送労働組合連合会 第一二五回定期大会

第125回定期大会 「憲法「改正」に反対し、立憲主義を守るために不断の努力を宣言する決議」

憲法「改正」に反対し、立憲主義を守るために不断の努力を宣言する決議

五月三日の憲法記念日に安倍首相は、改憲派集会にあてたビデオメッセージで「憲法『改正』を二〇二〇年までに行う」と発言し、改憲に向けての意欲を露わにした。衆議院の予算委員会で野党が真意を質した所、安倍首相は「自民党総裁としての発言であり、今は首相としての答弁に限定したい」と質問をはぐらかした。そもそも国家権力を規制するための憲法を、立場が違うと言いながらも一国の首相が「改憲」について期限を切ること自体が問題であり、「改憲論議を加速化させることが目的だ」と臆面もなく言い放つことに恐怖さえ覚える。

自民党が政権を取り返した二〇一二年以降、「特定秘密保護法」「安保関連法制」「共謀罪(テロ等準備罪)」を、十分な議論も国民の理解も得ないまま次々と強行採決で成立させた。取材・報道の自由と国民の知る権利に制約をかけ、さらには憲法で保障された思想・信条の自由、内心の自由まで制限しようとしている。日本という国を、法治国家から統制国家に変貌させようとしている。

二〇一二年に発表された自民党の憲法改正草案では、権力を規制するという立憲主義の本義からはずれ、国民を統制し、国家に奉仕させようとする意図が明白なものとなっていた。

何が秘密なのかも明確でない「特定秘密保護法」、法務大臣でさえ理解できない「共謀罪」などの法律がいかにして成立したのかを考えれば、「時の総理大臣の意向」として忖度されることは明らかだ。

私たち民放労連は、立憲主義を否定する改憲に、強く反対する。国家のために個人の権利や表現の自由を制限し、多数派の一存で国の根幹を変えられるような社会に変えてはならない。安倍首相らが企図する改憲の真の狙いは、権力を縛る憲法上の制約を取り払うことである。この暴挙を許さないためにも、真の狙いを隠蔽し、蟻の一穴を狙うかのような「お試し改憲」にも断固反対する。

憲法十二条に、私たちが手にする自由及び権利は、「国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」と定められたとおり、民放労連に結集する私たちは、現憲法を尊重し、自由と平和を守るための運動を続けることを、私たちはここに宣言する。

右、決議する。

二〇一七年七月三〇日

日本民間放送労働組合連合会 第一二五回定期大会

第125会定期大会 「安倍政権が推し進める労働法制改悪に反対する決議」

安倍政権が推し進める労働法制改悪に反対する決議

昨年から安倍政権が進めてきた働き方改革実現会議が、長時間労働の是正や同一労働同一賃金の実現を含む実行計画を三月に発表した。

実行計画によると「時間外労働の上限規制」について、月四五時間、かつ、年三六〇時間、特例(特別条項)として年七二〇時間、かつ、繁忙期には休日労働を含み二~六ヵ月平均八〇時間以内、単月では休日労働を含み一〇〇時間未満とし年六回までとなっている。また、勤務間インターバル制度については努力義務に留めている。

あわせて、労働時間規制の適用除外の労働者を作る「高度プロフェッショナル制度」(過労死促進・残業代ゼロ制度)導入を諦めておらず、年間一〇四日以上の休日確保を企業に義務付ける修正方針を七月一一日に明らかにした。

安倍政権はこれらの労働基準法改正案の早期成立を図ろうとしている。働き方改革を「多様で柔軟な働き方を選択可能にする社会の追求」と言うが、これは雇用の流動化にほかならない。

過労死ラインぎりぎりで働いて、いのちと健康を本当に守ることができるだろうか。長時間労働が常態化している放送業界で働く我々は、果たしてこのような上限規制で、心身ともに健康な生活を送れるだろうか。ワークライフバランスの実現や、安定した雇用を求める私たち労働者の願いとは全く逆方向を向いている。七月末に予定されていた「政労使合意」が不成立に終わったのも当然だ。

安倍政権下では、これまでも議論が尽くされないまま、国の根幹に関わるさまざまな法案が強行採決されてきた。私たちの人間らしい生活を脅かす労働法制の改悪に反対しよう。

いのちと健康を守りながら安心して長く働ける職場と安定した雇用を確立するため、民放労連は全力をあげて団結しよう。

右、決議する

二〇一七年七月三〇日

日本民間放送労働組合連合会 第一二五回定期大会

第125回定期大会 「組織を拡大し、民放で働くすべての労働者の団結を呼びかける決議」

組織を拡大し、民放で働くすべての労働者の団結を呼びかける決議

電通の過労自殺事件の労災認定を契機に、政府が進めている「働き方改革」は、異常な長時間労働の解消が議論の中心となった。この問題は、民放産業も「他人事」で済ますことはできない。すでにキイ局などでは長時間労働の改善をはかる動きがあるが、効果は不確実であり、サービス残業につながっては本末転倒だ。果たして民放産業全体での長時間労働解消は図れるのだろうか。

多くの大企業が「働き方改革」に積極的に取り組んでいるが、そのしわ寄せが中小零細企業や下請企業に付け回されるようでは意味がない。そして日本の労働者人口五四〇〇万人のうち二〇〇〇万人を超えている非正規雇用者が、劣悪な賃金労働条件のまま、さらに増えていくことを見過ごすわけにはいかない。

「賃金が安くても放送の仕事をしたいという若者は、いくらでもいる」と豪語した放送経営者たちは、総額人件費削減のため社員数を減らすとともに賃金抑制に邁進し、派遣や業務委託も増やしていった。低賃金の労働者が増えることにより、「民放はブラック企業」という認識が広まり、放送業界を志望する人が減っている。

新入社員は限られた人数しか採用されず、民放の成長期を支えた多くのベテランが次々と職場を離れる中、働き盛りの世代の離職も年々増加している。

このような状況の中、放送を支える人材を、放送局ではなく関連プロダクションや非正規労働者に依存していく傾向は今後一層顕著となっていくであろう。

今こそ、民放で働くすべての労働者の賃金を引き上げ、長時間労働を解消し、人間らしい生活ができる環境を作っていこう。そのためには企業の枠を超えて民放労働者が団結していく必要がある。目前の二〇一八年問題で解雇される仲間が出ないよう、様々な条件で働く未組織労働者に組合への結集を呼びかけ、ひとりでも入れる組合を全国に広げていく。今までの枠にとらわれない民放労連の姿を追求していこう。

本当の意味での民放労働者のための民放労連を目指し、労働者目線の同一労働同一賃金を実現するべく、民放で働くすべての労働者を結集させていこう。

右、決議する

二〇一七年七月三〇日

日本民間放送労働組合連合会 第一二五回定期大会

第125回定期大会 アピール

大会アピール

 

今年で施行七十年の節目を迎えた日本国憲法。戦争による死者を一人も出すことなく、平和を守り続けてきた。この憲法に対して、安倍首相は憲法記念日に、憲法「改正」を二〇二〇年までに行うと発言した。人類が獲得した普遍的成果としてのこの憲法を、主権者の声も聴かず、独断で変えることが許されるのか。私たちは、立憲主義に基づく平和を堅持し、表現の自由と放送労働者の生活を守るという使命を胸に、暑さ厳しい富山に結集した。

いま、放送の仕事から離れ、また就職先として選ばない若い労働者が増えている。蔓延する長時間労働や局の正社員と関連会社の労働者との間の格差などが原因だが、是正への動きはまだ鈍い。長時間労働対策では、テレビ朝日労組が休日の取得奨励日を獲得して成果を上げる一方、読売テレビでは管理職が勤務表の改ざんをしてまで目標を達成しようとしていると報告があった。労使ともに的確な対応が見いだせない中、民放労連でモデルケースを考えていきたいという提案もあった。放送を守るため、長時間労働の削減、組合員の賃上げ、それに構内スタッフの賃金を改善していくたたかいを強化していこう。

政府は「同一労働同一賃金」を含む「働き方改革」を打ち出す一方、「解雇の金銭解決」や「高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)」の法制化を推し進めようとしている。安倍政権による労働法制の改悪には断固として反対していく。また、2018年問題では、不安定雇用の労働者の雇止め問題が発生しないよう、労組が日頃から派遣労働者や構内スタッフと向き合う姿勢が求められている。

組織拡大は労働組合が経営との力関係を優位に保つ最も有効な手段だ。「一万人の民放労連」をめざす「構内労働者プロジェクトⅡ」で、私たちは企業内組合からの脱却の重要性を学んだ。構内スタッフの組織化で着々と成果を挙げる京都放送労組の取り組みを労連全体に広げる必要がある。また、構内スタッフの待遇改善や慰労金支給の取り組みを今後も進めるとともに、企業内最賃協定を締結する意義を理解し、すべての組合で要求を出していこう。

辺野古の新基地建設に絡み、沖縄県が7月24日、国を相手に五度目の提訴を行った。沖縄の仲間からは県民の声に耳を傾けず、建設に突き進もうとする国の理不尽な姿勢に対する怒りの声が上がった。

テレビ神奈川労組は20年にわたる未消化代休問題を地方労働委員会のあっせんにより全面解決した。労働委員会という公的機関はもちろん、労連本部や地連、規模別共闘、全国の労連の仲間、さらに県労連や地区労まで巻き込んだことが成果につながった。

多くの市民や労働組合などの反対にもかかわらず、「共謀罪」関連法が成立した。共謀罪は二七七もの犯罪を対象にし、表現の自由や内心の自由を制限。プライバシーの侵害や監視社会が広がるおそれがある。共謀罪法の廃止を求めるあらゆる取り組みに積極的に参加しよう。今求められているのは、国民誰もが平和で安定した人間らしい生活。「新自由主義改革」で広がる社会の閉塞感を払しょくするために、私たちは放送の持つ社会的責任をあらためて自覚し、すべての放送労働者の団結で、「いのちと健康」「雇用と生活」を守っていこう!

 

二〇一三〇

         日本民間放送労働組合連合会 第一二五定期大会 

民放労連委員長談話 「共謀罪」廃止までたたかい抜く (2017年6月15日)

民放労連委員長談話

「共謀罪」廃止までたたかい抜く

2017年6月15日

日本民間放送労働組合連合会

中央執行委員長 赤塚 オホロ

 

「テロ等準備罪」と名称を変えた「共謀罪」関連法案が本日早朝、参議院本会議で与党などの賛成多数で可決とされた。国会審議では法務大臣がまともな答弁もできず、挙句の果てに委員会採決を省略した「中間報告」で本会議に上程して徹夜の国会で強行採決するという、憲政史上恥ずべき行いの結果だった。安倍政権を揺るがす数々の疑惑の追及を恐れた政府・与党の一連の行動は、政治の私物化そのものであり、断じて許されない。

 

具体的な犯罪行為がなくても、その相談をしたという疑いがあれば身柄拘束や家宅捜索も可能となるという「共謀罪」は、思想・信条の自由、言論・表現の自由、集会・結社の自由などの基本的人権を踏みにじる、違憲の疑いが強いものだ。捜査当局の恣意的な判断で、市民団体や労働組合の日常的な活動、テレビ・ラジオなどメディアの取材・報道活動まで摘発の対象とされるおそれがある。「共謀罪」は、国会前で夜を徹して反対の声を上げ続けた多くの市民たちと同様に、私たち放送の現場で働く者としても絶対に容認できない。

 

国連の特別報告者の立場から「共謀罪」法案に疑問を投げかけたジョセフ・カナタチ氏は、日弁連のシンポジウムで「法律が通ってしまったとしても、まだ始まったばかりだ。日本の人々は基本的人権の保障を享受する権利がある」と語った。私たちは、政府・与党らの横暴に強く抗議するとともに、「共謀罪」関連法を廃止に追い込むまで、国内・国外の幅広い仲間と共にたたかい抜く決意を表明する。

 

以 上

民放労連委員長談話 「共謀罪」法案の「強行採決」に抗議する(2017年5月19日)

民放労連委員長談話

「共謀罪」法案の「強行採決」に抗議する

 

2017年5月19日

日本民間放送労働組合連合会

中央執行委員長 赤塚 オホロ

 

「テロ等準備罪」と名称を変えた「共謀罪」関連法案が本日、衆議院法務委員会で、与党などの賛成多数で可決とされた。これまでの国会審議では、野党の質問に対して法務大臣がまともに答弁できない状況が相次ぎ、各地では多くの市民、法律家、学者、労働組合やさまざまな団体が強い反対の声を上げているにもかかわらず、政府・与党が国会内の「数の力」で強引に法案採決を行ったことに対し、私たちは強い怒りをもって抗議する。

具体的な犯罪行為がなくても、その相談をした疑いがあれば身柄拘束や家宅捜索も可能となるという「共謀罪」は、捜査当局が人々の内心にまで踏み込んで罪に問うものであり、思想・信条の自由、言論・表現の自由、集会・結社の自由などの基本的人権をないがしろにする、憲法違反の疑いが強い法案だ。

「一般人は対象としない」と政府は説明するが、自らテロリストと認める組織など存在するはずもなく、結局は政府や捜査当局の恣意的な判断で、平和的に活動している市民団体や労働組合などにまで際限なく拡大して、「テロ集団」のレッテルを貼って摘発することが可能となる。テレビ・ラジオをはじめとする報道機関の日常的な取材・報道活動や、番組制作のための打ち合わせなどの通常業務、また労働組合としての正当な活動までが犯罪とされかねないこの法案を、私たち放送の現場で働く者は絶対に認めることはできない。

私たちは、平和的な民主主義社会と相容れない「共謀罪」関連法案を廃案に追い込むまで、幅広い仲間たちと共にたたかい抜くことを、改めてここに宣言する。

 

以 上

総務省・放送を巡る諸課題に関する検討会「地域における情報流通の確保等に関する分科会とりまとめ案」に対する民放労連の意見

総務省・放送を巡る諸課題に関する検討会「地域における情報流通の確保等に関する分科会とりまとめ案」
に対する民放労連の意見を提出いたしました

総務省・放送を巡る諸課題に関する検討会「地域における情報流通の確保等に関する分科会とりまとめ案」に対する民放労連の意見

2017年5月10日

中央執行委員長 赤塚 オホロ

 

放送を取り巻く環境が大きく変化し、放送業界が一段と厳しい状況を迎えているこの時期に、政府が「頑張るローカル局を応援する」と題した提言を打ち出すことについては歓迎したい。しかし、この「取りまとめ案」に示されている「国の取り組むべき課題」は、的外れなものが少なくなく、むしろ弊害となりかねないことが危惧される。

 

「案」では、ローカル局が「特に、災害時に、国民の生命・財産の安全確保に必要な情報を効率的に伝達するメディアとして重要な役割を果たしている」としている。むろんこの認識に誤りはないが、災害放送の重要性ばかりをことさらに強調することは、かえってローカル局の果たすべき役割の過小評価につながるおそれがある。ローカル局には、豊かな地域性を背景に、報道のみならず娯楽、芸術、また地域に暮らす人々の活動を各地に発信するなどの幅広いコミュニケーション活動を担う公共的機能が期待されている。そうした日常の放送活動で培った信頼感が災害時にも大きな力となる、という関係にあるのであって、災害時のみに突然に放送局が公共的な重要性を発揮するわけではない。

 

「国の取り組むべき課題」としては「地域の放送コンテンツの二次利用の促進」「地上波4K放送の実現に向けた研究開発」「放送コンテンツ海外展開支援事業の新たな支援方策の検討」が掲げられているが、現在の政策の延長線上にあるこれらの策が地域の視聴者の期待に応えるものとは到底考えられない。とりわけ、新たな受信機器の購入など視聴者に過大な負担を強いることになる「地上波4K」を十分な検証もなくやみくもに推進することは、視聴者保護の観点から即刻中止すべきである。

 

「案」では「ローカル局の人材確保・育成の必要性」が言及されながら具体的な支援策は示されず、自助努力に任されているかのようだ。放送を担う人材の確保・育成に向けて、放送の多元性・多様性・地域性や表現の自由の確保に資する積極的な支援策が緊急に求められている。また、コンテンツの二次利用や海外展開が不可能と言っていいローカルラジオ局をいかに支援・活性化させるかについて、一切言及がない。政府がラジオ局支援に消極的だとすれば、それこそ災害放送の重要性に鑑みても大きな矛盾ではないか。

 

ローカル局の経営基盤の安定化は、地域の視聴者のニーズに即してはかられるべきであり、国策に沿った事業を展開しようとする放送局だけを恣意的に支援するような行政のあり方は、間接的な言論統制にもなりかねず、強い懸念を抱かざるを得ない。

 

以 上

民放労連委員長談話・「共謀罪」法案の閣議決定に抗議する 発表

民放労連委員長談話・「共謀罪」法案の閣議決定に抗議する

 

民放労連委員長談話・「共謀罪」法案の閣議決定に抗議する

2017 年3 月21 日

日本民間放送労働組合連合会

中央執行委員長 赤塚 オホロ

「テロ等準備罪」と名称を変えた「共謀罪」関連法案が本日閣議決定され、

国会に上程されることとなった。多くの反対・懸念の声を顧みることなく、強

引に法案提出に至ったことは極めて遺憾であり、強い怒りをもって抗議する。

具体的な犯罪の実行行為がなくても、その相談をした疑いがあれば強制捜査

の対象にできるという共謀罪は、人々の内心そのものを処罰する法律であり、

その「共謀」を立証するためには、捜査当局による盗聴や私信メールのチェッ

クなど、著しいプライバシー侵害が拡がる恐れが強い。思想・信条の自由、言

論・表現の自由、集会・結社の自由などを踏みにじり、「監視社会」「密告社会」

をもたらす危険極まりない法案だ。

自らテロリストと認める組織など存在せず、結局は政府や捜査当局の恣意的

な判断で、平和的に活動している市民団体や労働組合などにまで際限なく拡大

して対して「テロ集団」のレッテルを貼って摘発することが可能となる。日常

的な取材・報道活動や、労働組合としての正当な活動まで犯罪行為とされかね

ないこの法案を、私たち放送の現場で働く者としては絶対に認めることはでき

ない。

憲法違反の疑いが強い「共謀罪」関連法案を廃案に追い込むまで、私たちは

幅広い仲間と共同して、たたかい抜くことを宣言する。

以 上