投稿者「民放労連スタッフ」のアーカイブ

民放労連第122回臨時大会 決議4 政治圧力に屈することなく、放送における表現の自由を守りぬく決議

政治圧力に屈することなく、放送における表現の自由を守りぬく決議

日本国憲法の平和主義を揺るがす「安保関連法制」が成立してしまった二〇一五年。テレビ・ラジオなど日本のマスメディアは、報道機関としての権力監視機能を十分発揮できたと言えるだろうか。連日、国会前で繰り広げられた法案反対の声をていねいに紹介したニュース番組もあったが、法案審議に待ったをかけるような鋭いスクープ報道は、残念ながらほとんどなかったと言わざるを得ない。

そこには、政治圧力による報道の萎縮や自己規制が、なかっただろうか。

一昨年の総選挙の直前、自民党から在京キイ各局に、選挙期間中の報道番組の「公平中立」を求める「要請」が手渡された後、各局の報道番組から街頭インタビューがほぼ見られなくなった。番組不祥事を理由に、自民党が放送局の幹部を呼びつけて事情聴取する、ということも行われた。番組内容を理由とした、総務省による放送局への行政指導も「復活」した。また昨年一一月には、市民団体によるアピールの形を取りながら、キャスターの発言のごく一部を挙げて「放送法違反」と断じ、政府に対して規制強化を求める意見広告も、新聞に掲載された。

「放送番組編集の自由」を基本とする放送法が、その自由を抑制するために利用されるのは、まったく倒錯した事態ではないだろうか。放送法第三条に「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」とあるとおり、放送に不当な圧力をかけることこそ、放送法違反として責任を問われなければならない。

放送倫理・番組向上機構(BPO)の意見書に、自民党らによる放送局への恫喝のような言動を厳しく諌める指摘があったが、肝心の放送事業者は、放送の自由を守る気概を自ら示しているとは言えない。首相と会食を重ねる放送局幹部の存在も指摘され、市民からは権力との癒着が懸念されている。圧力に対し毅然とした態度を取ろうとしない放送局経営者に、その姿勢を早急に正すことを、私たちは強く求める。

放送法第一条には「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」「放送に携わる者の職責を明らかにすることによって、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」とある。これは放送事業者のみならず、政府や国民がともに実現すべき放送の公共的価値を謳ったものだ。私たち放送労働者も、理不尽な政治圧力に屈することなく、国民の「知る権利」に応え、放送における表現の自由を守りぬくために、よりいっそう奮闘することを誓う。

右、決議する。

二〇一六年一月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二二回臨時大会

民放労連第122回臨時大会 決議3 立憲主義の否定を許さず、憲法の理念実現のための不断の努力を宣言する決議

立憲主義の否定を許さず、

憲法の理念実現のための不断の努力を宣言する決議

 

参院選を控えた今年、安倍晋三首相は、改憲勢力で参院の三分の二を占めることに、年初より強い意欲を示している。夏の参院選で改憲を是とする勢力が八〇議席程度を得れば、自公連立で三分の二を確保している衆院と合わせ、憲法改正の発議が可能となる。

安倍首相は、有事や災害などの緊急時に、首相が法律と同等の政令を制定し、国民の権利を制限できる緊急事態条項の創設などを突破口に、国民が受け入れやすいところから着手し、改憲の実績を作る方針だ。安倍首相が執念を燃やす「憲法改正」の真の意図が、憲法の性格を国家権力を拘束するものから国民を拘束するものへと変え、基本的人権に制限を加えようというものであるからだ。

二〇一二年に発表された自民党の憲法改正草案は、現憲法の「公共の福祉」に代えて「公益及び公の秩序」にすべて置き換え、国民の自由および権利の範囲を解釈次第でいくらでも制限できる可能性を条文全体で実現しようとしている。

去年九月、自民党政権は、世論の過半数が反対し、憲法学者の圧倒的多数が「憲法に違反する」と声を上げるのを無視し、集団的自衛権を行使して海外の戦争に日本が荷担することを可能にする「戦争法(安保関連法)」を、強行採決によって成立させた。憲法を守らない首相が、今度は自らの意に沿う憲法に変えようとする。このような暴挙を断じて許してはならない。

私たち民放労連は、立憲主義をないがしろにし、国家のために個人の権利を制限し、海外での武力行使を認めようとする「憲法改正」には、断固反対する。

憲法第十二条は、私たちが手にする自由及び権利は、「国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」と定め、自由と平和を守るための努力を要請している。この要請に今こそ応えよう。現憲法を尊重維持し、それを活かして行くために運動を続けることを、私たちはここに宣言する。

右、決議する。

二〇一六年一月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二二回臨時大会

民放労連第122回臨時大会 決議2 安倍政権のさらなる労働法制改悪に反対する決議

安倍政権のさらなる労働法制改悪に反対する決議

昨年九月、過去二度も廃案となった労働者派遣法の「改正」が強行され、安倍政権による労働法制の大改悪がさらに推し進められることとなった。

この「改正」派遣法は、派遣労働を無期限に使い続けることも可能にする法であり、多くの反対の声を無視して強行採決した安倍政権を断じて許すことはできない。この法「改正」により大きな影響を受けるのが、放送局の中にも多い、その専門性ゆえに期間制限のなかった「専門二六業務」で働く派遣労働者であり、今回この枠が取り払われることで、それ以外の労働者と同じく原則として同じ職場では三年までしか働けなくなる。確かに、「改正」法によって雇用安定措置やキャリアアップ措置は義務付けられたが、実際には派遣先への正社員化や直接雇用を促進する実効性はなんら保障されていない。加えて今回の「改正」法によって、厳密には二六業務に該当しないのに三年を超えて派遣スタッフとして働いていた労働者への「期間制限違反の場合の労働契約申込みみなし制度」が有名無実化されたことで、多数の派遣労働者から直接雇用化や正社員化の可能性を奪っている。現在、日本の非正規労働者は二千万人を超え、労働者全体の四割近くに達しようとしているにも関わらず、正社員の仕事が派遣労働に取って替わられるのを防ぐ「常用代替の防止」という派遣法の基本原則が事実上撤廃され、雇用が不安定な労働者は益々増えることになるであろう。

さらに安倍政権は今後、労働時間法制についての「改悪」や解雇の金銭解決制度の導入をも強行しようとしている。

「残業代ゼロ法案」と批判される労働基準法「改正」案における、高度プロフェッショナル制度は、労働時間規制を一切なくし、残業代や休日・深夜の割増賃金の不払いを合法化するものであり、また現状のフレックスタイム制や企画業務型裁量労働制の制度改変は、長時間労働や不払い残業を増大させるだけであり、雇用の在り方を根本から変えていく危険性が高い。また、雇用の金銭解決についても、たとえ裁判により解雇無効を勝ち取ったとしても、金銭さえ支払えば労働者を会社から排除できる手段を経営側に与えるもので、弱者である労働者は物言えぬ立場に追い込まれ、雇用と労働条件がますます悪化していくことになるであろう。

民放労連は、安倍政権の進める労働法制の大改悪に反対し、労働者の権利と放送の未来のためになお一層奮闘する決意である。

右、決議する。

二〇一六年一月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二二回臨時大会

民放労連第122回臨時大会 決議1

組織を拡大し、民放で働くすべての労働者の団結を呼びかける決議

昨年十一月の厚生労働省の「就業形態の多様化に関する総合実態調査」によると、全雇用者に占める非正規雇用者の割合が初めて四割を超えたという。

私たちの放送産業でも、放送局構内で働く非正規労働者は番組制作現場のみならずあらゆる職場に存在し、その数はさらに増加している。

民放労連に寄せられる労働相談では、健康被害をもたらすような長時間労働と低賃金、さらには休日さえまともに取れず、パワハラやセクハラが横行する、劣悪な条件での労働を強いられている実態も浮かび上がっている。

さらに昨年九月三十日から施行された「改正」労働者派遣法では、放送局で働く派遣労働者の多くが該当する専門二六業務の期間制限からの除外規定が撤廃され、派遣元での無期雇用か、派遣先での直接雇用とならない限り、同一業務での派遣期間が最長三年となり、それ以上仕事を続けることができなくなるおそれが出てきている。

労働基準法第一条には「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」と定めているが、すべての民放労働者に「人たるに値する生活」が保障されているだろうか。

同じ放送産業に働き、同じ職場で日々の放送を支え、同じ番組を制作する仲間の中に、労働条件が劣悪で、将来の雇用までが不安定な仲間がいることを、これ以上放置することはできない。

私たちは一六春闘で、構内で働くすべての労働者の待遇改善を図るため、最低賃金協定締結と慰労金五万円以上の支給を、民放労連の統一要求として掲げることを決めた。民放労連が進めているすべての構内労働者の組織化をめざす「構内労働者プロジェクトⅡ」の運動をさらに前進させ、民放産業内の差別や格差の解消につながる真の待遇改善と、労働組合への組織化を進めていこう。

一六春闘の開始にあたり、沖縄地連から嬉しい知らせが届いた。昨年六月の琉球トラスト労組の結成・加盟に続き、これまで民放労連に加盟していなかった「RBCビジョン労組」が、年明けの一月七日の臨時大会で加盟を決定した。「一万人の民放労連」をめざし、民放労連加盟の組合員が、構内で働くすべての労働者に組合への参加を呼びかけ、「生活の向上・安定」と「よりよい放送の未来」のために団結しよう。

右、決議する。

二〇一六年一月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二二回臨時大会

 

民放労連 第122回臨時大会 大会アピール

大会アピール

報道機関は安倍政権からの圧力や介入に委縮し、真実を伝えることに腰が引けているのではないか。「番組や紙面には知りたいことが出ていない」という、少なからぬ国民からの批判の声が高まる中、私たちは東京・両国で開かれた民放労連第一二二回臨時大会に集まった。

安倍政権や与党自民党によるメディア攻撃が止まらない。朝日新聞に始まり、NHK、テレビ朝日、琉球新報・沖縄タイムス、そしてTBS。去年一一月、番組で安保関連法に批判的姿勢を示した『NEWS23』のアンカーマン岸井成格氏を放送法四条違反と名指しで攻撃する「市民団体」の全面意見広告が一部の新聞に掲載された。意見は放送法本来の趣旨を理解していない的外れの内容で、戦争法(安保関連法)の違憲性を国民に伝える表現の自由を封じることが目的であることは明らかだ。私たちは、引き続き「戦争法廃止を求める統一署名」に積極的に取り組んでいくことを確認した。

三年連続で、政府による賃上げ要請が経済界に対して行われている。しかし、物価の変動を考慮した労働者の実質賃金は二四ヵ月連続で低下している。輸出関連を中心とした大企業と、中小企業との賃金格差は広がる一方だ。民放労連も昨年の春闘や年末闘争では大幅賃上げを実現できていない。16春闘では、生活を防衛するための賃上げ=ベースアップを必ず勝ち取らなければならない。一年また一年と勝利を積み上げることで、十年先の未来に希望が持てるようなたたかいを展開しよう。

一方で、安倍政権による労働法制の改悪が進められている。労働者派遣法の改悪に引き続き、先の国会で継続審議となった「高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)」と「企画業務型裁量労働制の適用範囲拡大」を柱とする労働基準法の改悪が今国会で審議されている。さらに「解雇の金銭解決ルール」も法制化が検討されている。これらの制度は、企業利益優先で労働者を使い捨てる「ブラック企業」をますます増長させ、私たちが求める「ディーセント・ワーク」の対極にあるものだ。

私たちは「一万人の民放労連」をめざし、「構内労働者プロジェクト」を継続している。これまでの「正社員組合」からいかに脱却するのかが、労働組合に問われている。沖縄県ではRBCビジョン労働組合が労連に加盟するという嬉しいニュースもあった。京都放送労組が実践しているように、構内労働者の問題を自らの問題として位置づけ、組合として要求化し、改善を勝ち取っていくことで、構内労働者の組織化に取り組もう。

沖縄では名護市辺野古に米軍新基地を建設する計画が、県民の声を無視して強引に進められている。〇・六パーセントの面積に七三・八パーセントの在日米軍専用施設がある理不尽さを当たり前のことのように許してはならない。大会では、沖縄地連の仲間から、辺野古新基地建設をめぐる国と沖縄県の裁判や宜野湾市長選挙などについて発言が相次いだ。私たちは新基地建設をはじめ、在日米軍の再配置・強化に反対し、沖縄など国内の米軍基地の縮小・国外移設を求める。

平和国家と言論・表現の自由を守るため、労働組合が力強く声を上げなければならない。今こそ職場と暮らしに憲法を活かし、放送の未来につなげる16春闘を、力を合わせてたたかい抜こう!

二〇一六年一月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二二回臨時大会