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民放労連 第123回定期大会 決議3「憲法「改正」に反対し、立憲主義を守るために不断の努力を宣言する決議」

憲法「改正」に反対し、立憲主義を守るために不断の努力を宣言する決議

                          【提案 労連本部】

 七月一〇日に行われた参院選で、自民党・公明党ほか「改憲勢力」が三分の二を超える議席を占め、自公連立で三分の二を確保している衆院と合わせ、憲法改正の発議が可能となった。安倍晋三首相は投票日翌日、「いかにわが党の案をベースに三分の二を構築していくか。これがまさに政治の技術だ」と発言し、あたかも改憲が既定路線であるかのような姿勢を示した。

言うまでもなく、今回の参院選は憲法を争点としたものになってはいない。安倍首相自身、選挙期間中は憲法にほとんど触れず、「(改憲を)争点とする必要はない」とまで語っていた。にもかかわらず、衆参両院で3分の2を得た途端に、改憲が国民の信任を得たかのような発言をし、しかもそれが「政治の技術」などと述べることは、卑怯かつ、姑息な、ありとあらゆる非難に値する行為だ。

より憂慮すべきなのは、自民党の憲法「改正」が、立憲主義の原則自体を変える方向にある点である。二〇一二年に発表された自民党の憲法改正草案は、国民が権力を拘束するという立憲主義の本義からはずれ、国家が国民を拘束し、国家に奉仕させんとする意図が明白なものとなっている。一例が、現憲法の「公共の福祉」に代えて「公益及び公の秩序」という用語を多用し、国民の自由および権利の範囲を恣意的にいくらでも制限できるようになっている点だ。

昨年九月、自民党政権は、世論の過半数が反対し、憲法学者の圧倒的多数が「憲法に違反する」と声を上げるのを無視し、集団的自衛権を行使して海外の戦争に日本が荷担することを可能にする「戦争法(安保関連法)」を、強行採決によって成立させた。安倍首相らが企図する改憲の真の狙いは、このような暴挙にお墨付きを与えるよう、憲法上の制約を取り払うことである。

私たち民放労連は、立憲主義を否定する改憲の方向性に、深い憂慮と警戒感を表明する。国家のために個人の権利や表現の自由を制限し、多数派の一存で国の根幹を変えられるような社会になってはならない。また、真の狙いを隠蔽し、蟻の一穴を狙うかのような「お試し改憲」にも、断固反対する。災害への緊急対応などを理由に政府や自民党が導入に前向きとされる「緊急事態条項」も、人権を制限し、権力の独裁につながりかねないため、決して許してはならない。

憲法十二条は、私たちが手にする自由及び権利は、「国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」と定め、自由と平和を守るための努力を要請している。この精神を活かそう。現憲法を尊重維持し、それを活かして行くために運動を続けることを、私たちはここに宣言する。

右、議決する。

二〇一六年七月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二三回定期大会

民放労連 第123回定期大会 決議2「安倍政権が推し進める労働法制改悪に反対する決議」

安倍政権が推し進める労働法制改悪に反対する決議

 【提案 労連本部】

 七月の参院選での勝利を受け、安倍政権はさらなる労働法制の「改悪」を推し進めようとしている。日本経済の回復を目指す安倍首相は、「一億総活躍プラン」において、「長時間労働の是正」「同一労働同一賃金」などの働き方改革を掲げている。確かにこれらは、われわれ労働者が長年解決しようと取り組んできた課題にほかならない。しかし、この「改革」は、果して本当にわれわれの生活の改善につながるのだろうか。

「一億総活躍プラン」では、「長時間労働の是正」を掲げているが、これまでに安倍政権が実際にとりくんだのは労働時間の短縮ではなく、「残業代ゼロ」を目指す労働基準法改悪である。この法案で、労働時間規制の適用除外の労働者を作る「高度プロフェッショナル制度」を導入しようとしているが、企業による「ノルマ」の設定次第で、労働者をいくらでも都合よく働かせ放題とすることができ、長時間労働の是正どころか、逆に長時間労働に拍車をかけることになる。

今年四月から厚生労働省では、四七都道府県すべてに過重労働撲滅特別監督管理官を配置し、企業への労働基準監督署の立ち入り調査の基準となる残業時間も月百時間から月八十時間に引き下げられた。しかし、高度プロフェッショナル制度や裁量労働制の適用範囲拡大といった労働法制の改悪が進めば、長時間労働の実態がますます隠されてしまう。一方では規制緩和を推し進めている中で、「長時間労働の是正」は、大きく矛盾していると言わざるを得ない。

また、「同一労働同一賃金」の実現に向けて、非正規雇用の待遇改善を図るとしているが、財界からの反発は大きなものがあると予想され、正社員の賃金を大きく引き下げることにつながりかねない。私たちが望む非正規雇用者の賃金を含む大幅な待遇改善を実現するためには、私たち、労働組合の不断の努力が欠かせない。

今や労働者の約四割が非正規雇用者であるという事実は、まぎれもなく財界と政府が推し進めてきた施策の結果であり、それをさらに助長させるような労働法制の改悪にはすべての労働者が団結して反対していく必要がある。

民放労連は、安倍政権が民意を無視して企業利益優先で強引に推し進める労働法制の大改悪に反対し、憲法を活かし、働くルールを確立するため、全力をあげて奮闘する決意である。

右、決議する

二〇一六年七月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二三回定期大会

民放労連 第123回定期大会 決議1「組織を拡大し、民放で働くすべての労働者の団結を呼びかける決議」

組織を拡大し、民放で働くすべての労働者の団結を呼びかける決議

【提案 労連本部】

依然として日本の労働者の非正規労働者が増大し続けている。一方で外国人労働者が大都市のみならず、全国で拡大し続け、コンビニや外食産業には、店長のみが日本人という店もある。一体、日本の若者は、どこに行ったのか?

中国は、二〇一五年になって、三六年間実施してきた「一人っ子政策」の廃止を発表した。農家では、子供が親より先に亡くなってしまうと後継ぎがいなくなり、年老いた両親は明日の糧さえ得ることが出来なくなるという厳しい現実が生まれている。

一方、私たちの社会も「少子化」を止めることが出来るのだろうか。労働者の賃金を抑えることで、企業が存立するという社会をこのまま突き進むのであれば、そのしっぺ返しが来るのは、遠い未来のことではない。

人手不足という問題もある。放送で働く人たちは、それぞれの「職能」により、技術を培い、経験を積み「番組」という「製品」に仕上げるシステムをもっているが、これ以上、「安価な労働力」に頼っていては、人材を育てるシステムが崩壊し、気が付けば「誰もいなくなった」ということになる。

民放労連に寄せられる労働相談では、過労死の認定基準を超える長時間労働と低賃金、さらには休日や有給休暇の取得もままならず、ストレスによる心や身体の健康被害を訴える人もいる。こうした相談は、非正規労働者だけに限ったことではない。このままでは、「正社員は守られている」という時代も終わる。

「人件費の削減」「番組制作費のカット」などの経営戦略によって、結果、「余裕のない働き方」が、この業界に蔓延してきた。私たちは、いかにして、この状況を打破できるのかを真剣に考えなければならない。

では、どうするか。答えは、労働組合を強くすることである。正規雇用の社員への組合加入を強く働きかけ、私たちの周りで、一緒になって「放送」のために働くスタッフ、構内労働者を組合に加入させることである。「企業内労働組合」の殻を破り、放送で働くすべての労働者のための労働組合「民放労連」を目指そう。

二期目に入った「構内労働者プロジェクトⅡ」の運動をさらに前進させ、民放産業内の差別や格差の解消につながる真の待遇改善と、労働組合への組織化を進めていこう。

民放労連未加盟の単組には、民放労連加盟を呼びかけ、まだ組合に入っていない従業員や非正規労働者に組合加入を呼びかけ、「生活の向上・安定」と「よりよい放送の未来」のために団結しよう。

右、決議する。

二〇一六年七月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二三回定期大会

民放労連 第123回定期大会 大会アピール

大会アピール

平和憲法の改悪が現実味を帯びてきた。七月一○日に行われた参議院選挙で、非改選議席を合わせた「改憲勢力」が三分の二を超える事態となった。衆参両院で「改憲勢力」が三分の二を超えたのは戦後初。安倍政権が「戦争できる国づくり」を加速させようとしているこの夏、私たちは、立憲主義に基づく平和を堅持し表現の自由と放送労働者の生活を守るため、二五年間をかけて昨年、再建を達成した京都放送労組の地元、京都に結集した。

生活が少しも楽にならない。厚生労働省が七月一二日に発表した二〇一五年の国民生活基礎調査で、生活が「苦しい」と回答した世帯が60・3パーセントに上り、高止まりが続いている。そのような中でも、民放労連の16春闘でベアを獲得した組合は二六組合三支部一分会となり、ベア春闘の流れは確実に成果を上げている。また、構内スタッフへの要求組合は過去最多となり、回答も三九組合一支部。要求に団結した成果だ。私たちは生活を再建し放送を守るため、新年度も組合員のベースアップと年収増、それに構内で働くすべての人たちの労働条件を改善していくため、たたかいをいっそう強化して行くことを決めた。

会社更生法から二一年、再建を果たした京都放送労組は、この間も組織拡大と労働者の仕事と生活を守り続け、今また佐藤典子組合員の直用化を求める新たなたたかいの中で、労働組合の役割をさらに発展させている。組織を拡大することこそが経営者との力関係を優位にし、要求を実現する原動力であることを、ここ京都で再確認した。

今大会で私たちは、放送局構内で働くすべての仲間の賃金・労働条件を向上させるために取り組んでいる「構内労働者プロジェクトⅡ」を核に、再び「一万人の民放労連」をめざすことをあらためて決意した。企業内組合からの脱皮を図りながら、成果を広げつつある構内労働者の待遇改善や慰労金支給の取り組みを強め、労働組合への結集を呼びかけていく。また、企業内最賃協定の締結を、春闘・年末闘争を問わず、すべての単組で要求していくことをめざす。

安倍政権は、数の力を背景に経営側の意に沿い、労働時間・休日などを労働基準法の枠外に置く「高度プロフェッショナル制度」や「企画業務型裁量労働制」に営業職を入れることなどを画策している。長時間労働によって、過労死やうつになっても「自己責任だ」と言わんばかりの悪法の成立を、絶対に許してはならない。

今回の参院選で私たちは改憲勢力の拡大を止められなかった。憲法改正をめぐる議論が徹底的に参院選の争点から隠され、「テレビはなぜ、選挙期間中に争点をもっと報道しないのか」と視聴者から批判を受けた。安倍政権によるマスコミへの介入と懐柔がさらに進んだと見られているのではないか。
公職選挙法一四八条は、「選挙運動の制限に関する規定は、報道及び評論の自由を妨げるものではない」と規定している。放送局経営者は、自粛・萎縮したと批判を受けるような報道姿勢を率直に反省すべきだ。私たちは今こそ国民の知る権利に応え、放送への信頼を取り戻さなければならない。すべての放送労働者の団結で、平和な社会と放送の未来を創り出そう!

二〇一六年七月三一日
日本民間放送労働組合連合会 第一二三回定期大会

第123回民放労連定期大会 報告

第123回定期大会開く

民放労連第123回定期大会は7月30日・31日の二日間、京都市のKBSホールで開催され、全国の単組から108人の代議員(委任含む)などが参加した。この会場は、京都放送労組が21年にわたる再建闘争を、昨年秋に債務弁済完了をもって終結したことを記念して選ばれた。大会は、労連本部の赤塚委員長の開会挨拶に続いて、来賓から日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)の新崎議長(新聞労連前委員長)が挨拶。テレビ朝日労組の上田代議員、朝日放送労組の東代議員、サンテレビ労組の草薙代議員を議長団に選出し議事に入った。

臨時大会以降の主な経過報告に続き、前年度の運動総括を齋田書記長、情勢の特徴を赤塚委員長、新年度の運動方針を齋田書記長が提案した。第二号議案の前年度決算と新年度予算案は小寺副委員長が提案した。また、大会二日目には「構内労働者プロジェクトⅡ」の報告を安部副委員長が、本部で検討を進めている組織財政検討委員会の報告を小寺副委員長が行った。

これらの提案を受けて、二日間でのべ40人の代議員や中執が発言した。

春夏闘について、今年労連加盟した沖縄のRBCビジョン労組が初めてのスト権確立で大幅なベアを勝ち取ったことなど、各労組が獲得成果を報告。構内で働く労働者を対象にしたクオカードの支給など、構内労働者関連の要求実現でも前進回答が相次いだ。京都放送労組は、労働条件の改善のほか、佐藤典子組合員の直用化要求、戦争法反対や脱原発の取り組み、再建闘争後の放送局のあり方提言など、多彩な取り組みを報告した。

沖縄の労組は、6月に開催された「全国女性のつどい」の報告に加え、沖縄県北部の高江での米軍のヘリパッド建設強行や、辺野古の新基地建設について現状報告も行って、大会参加者に理解を求めた。

また、4月に大地震にあった熊本から、熊本放送労組、熊本県民テレビ労組、KKTイノベート労組が報告に立ち、全国の仲間から寄せられたカンパに感謝の意を表するとともに、厳しい状況の中でも闘争を継続していることを報告した。

大会二日目の冒頭には、メディア総合研究所の砂川所長(立教大学教授)が特別講演を行い、総務省で検討が進められている放送持株会社制度の規制緩和の動きや、ローカル民放局の財務状態について解説。ほとんどの民放局は新社屋建設を自己資金で賄えるなど、潤沢な資金をため込んでいることを指摘した。

大会の最後に本部の齋田書記長が討論のまとめを行い、内部留保の還元を求めて、要求にこだわって納得するまでたたかうことの重要性を強調した。

討論終了後、議案について一括して採決を行い、全会一致で採択。「組織拡大」「労働法制改悪反対」「平和憲法を守る」「放送の自由を守る」「沖縄に対する政府の暴力を許さない」「京都放送労組佐藤組合員の直用化」の大会決議を拍手で採択した。役員選挙は定員内の立候補のため信任投票となり、再任の赤塚委員長・齋田書記長はじめ立候補者全員が信任された。永らく本部専従を務めた安部副委員長が退任し、プロダクション・関連労組から新たに2人の常任中央執行委員が信任された。

京都放送に直用化を求めている佐藤典子組合員が大会アピールを提案し、全員の拍手で採択された。最後に赤塚委員長の音頭で団結ガンバローを三唱して、大会全日程を終了した。

メディア日誌 2016年2月

◆自民党は総務会で、NHKの2016年度予算案の了承を見送った。職員によるタクシー券不正使用や子会社社員の着服問題など不祥事への対応について説明が不十分だと批判が噴出したため。先月29日に続く2度の了承見送りは異例。(2月2日)

◆民放キイ局5社の2015年4~12月期連結決算が出そろい、テレビ朝日ホールディングス(HD)など4社で純利益が増加した。日本テレビHD以外は地上波テレビ放送の広告収入が減ったが、前年同期に開催されたサッカー・ワールドカップ(W杯)ブラジル大会で膨らんだ番組制作費が減り、利益を押し上げる要因になった。売上高は五社ともに増えた。日テレHDは地上波テレビ放送の視聴率が好調で企業の広告出稿がスポット、タイム収入ともに伸びた。テレビ東市HDはアニメを中心にライツ収入が拡大した。TBSHDは映画事業が好調だった。地上波テレビの広告出稿は回復傾向にあり、16年3月期の業績予想は五社そろって上方修正した。 (2月6日)

◆高市早苗総務相は9日午前の衆院予算委員会で、放送事業者が政治的公平性を欠く放送を繰り返し、行政指導でも改善されないと判断した場合、電波法七六条に基づいて電波停止を命じる可能性に言及した。民主党の玉木雄一郎氏の質問に「放送法を所管する立場から必要な対応は行うべきだ」と答弁した。放送法四条は放送事業者に「政治的に公平であること」などを求めている。これを踏まえ、玉木氏は「憲法九条改正に反対する内容を相当の時間にわたって放送した場合、電波停止になる可能性があるか」などとただした。高市氏は「一回の番組で電波停止はありえない」としたうえで、「私が総務相のときに電波を停止することはないが、将来にわたって罰則規定を一切適用しないことまでは担保できない」と述べた。(2月9日)

◆在日朝鮮人に対する差別的言動などのヘイトスピーチ(憎悪表現)の動画がインターネット上で公開されているのは人権侵害に当たるとして、法務省か複数のサイト管理者に削除を要請し、一部が応じていたことが、関係者への取材で分かった。ヘイトスピーチによる人権侵害を抑止するための法務省の措置が、動画削除につながった初のケース。(2月14日)

◆和歌山放送は、同じ番組をFMでも放送する「FM補完放送」の予備免許が御坊、田辺両FM補完中継局に近畿総合通信局から交付されたと発表した。昨年12月に交付を受けた和歌山FM補完中継局(周波数94.2メガヘルツ)は今春に放送開始予定で、御坊、田辺両中継局でも順次、放送をスタートさせる。(2月20日)

◆NHK放送文化研究所が実施した「国民生活時間調査」で、5年前に比べて、若者を中心にテレビ離れがさらに進み、ビデオやインターネットの利用が広がっていることが分かった。(2月26日)

◆NHKの籾井勝人会長は、総合テレビの『NHKとっておきサンデー』に番組終盤で約8分間出演し、冒頭と最後に計2回頭を下げて謝った。番組では子会社NHKアイテック社員による約2億円の着服や、アナウンサーによる危険ドラッグの製造・所持などの不祥事とその処分、再発防止策を紹介。(2月28日)

◆放送法を巡る高市総務相の発言を巡り、田原総一朗さんや鳥越俊太郎さんらテレビのキャスターなどを務めるジャーナリスト6人が東京都内で記者会見し「『電波停止』発言は憲法、放送法の精神に反している」などとするアピール文を発表。アピール文では、「(放送に対する)自主規制、忖度、萎縮が放送現場の『内部から』拡ひろがることになっては、危機は一層深刻」と説明している。(2月29日)

メディア日誌 2016年1月

◆2015年の大晦日に放送された第66回NHK紅白歌合戦の第2部の関東地区平均視聴率(総合テレビ)は、前年比3.0ポイント減の39.2%で2部制となった1989年以降で最低だった。(1月2日)

◆日テレは2015年の年間視聴率が全日、プライム、ゴールデンの各時間帯でNHK、民放キー局を通じて首位となり、2年連続で「三冠」を達成したと発表した。(1月4日)

◆NHKの報道番組『クローズアップ現代』の国谷裕子キャスターが降板することが分かった。出演は3月まで。(1月7日)

◆テレビ朝日は、ニュース番組『報道スターション』の古舘伊知郎キャスターの後任として4月からのメインキャスターに同局の富川悠太アナウンサー(39)を起用すると発表した。(1月8日)

◆NHKの籾井勝人会長は2016年度の予算と事業計画を高市総務相に提出した。受信料などの事業収入は、15年度予算比185億円増の7016億円となった。三期連続の黒字予算で、事業収入が7000億円台となるのは初めて。(1月13日)

◆TBSは、報道番組『NEWS23』や『サンデーモーニング』に出演している岸井成格氏(71)が4月1日付で「スペシャルコメンテーター」に就任すると発表した。TBSによると同局との専属契約で、番組の垣根を超えてさまざまな報道・情報番組に出演し、ニュースについて解説や論評をする。(1月15日)

◆放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は、東京都世田谷区の一家4人殺害事件を扱ったテレビ朝日の番組『世紀の瞬間&未解決事件』について審理入りを決めた。(1月20日)

総務省に「要請書」提出 2016年2月16日

総務大臣 高市 早苗 殿

2016年2月16日

 

日本民間放送労働組合連合会

中央執行委員長 赤塚オホロ

要 請 書

日頃の所管行政全般へのご努力に対し、敬意を表します。

高市早苗総務相は衆院予算委員会で、政治的公平が疑われる放送が行われたと判断した場合、その放送局に対して「放送法の規定を順守しない場合は行政指導を行う場合もある」としたうえで「行政指導しても全く改善されず、公共の電波を使って繰り返される場合、それに対して何の対応もしないと約束するわけにいかない」などと述べ、放送法4条違反を理由に電波法76条に基づいて電波停止を命じる可能性に繰り返し言及しました。大多数の研究者・専門家は「番組内容に関する規律は放送事業者の自律に基づくべきで、番組編集準則違反を理由に電波法の無線局の運用停止や放送法の業務停止などの行政処分を行うことは憲法上許されない」との意見ですが、電波法の停波規定まで持ち出して放送番組の内容に政府が介入しようとする大臣の発言は、放送局に対する恫喝に他ならず、憲法が保障する表現の自由、放送法が保障する番組編集の自由に照らして明らかな法解釈の誤りです。私たちは大臣発言の速やかな撤回を求めます。

昨年来、自民党による放送局幹部を呼びつけての事情聴取など、政権政党による放送への介入と言わざるを得ない事態も続発しています。これは放送法第3条「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」に明確に違反する行為であり、貴省としてもこうした行為には厳重な対応が必要だと考えます。また、NHK番組の「やらせ」疑惑を理由とした貴省による行政指導も行われています。放送局への政府の許認可権限を背景に行われるこうした行為は番組制作への萎縮効果を招き、放送の自律を揺るがせる重大な問題だと考えます。

私たちは、こうした事態は日本における「放送の自立・自律」が真の意味で確立していないことの表れだと考えます。この機会に、独立行政機関の設置を含む放送行政・放送免許制度の根幹からの見直しを訴えます。

昨年設置された貴省の「放送を巡る諸課題に関する検討会」では、インターネット時代の地上波放送局の「生き残り戦略」をめぐる議論が行われているとのことですが、改正放送法により「放送番組の同一化による番組制作費の削減」など放送局の事業再編を促すような環境がすでに整備されています。このような規制緩和はローカル放送局の番組制作機能を縮小させることにつながりかねず、地域における放送局の存在意義を大きく損なう恐れが強まることを意味します。すでに「認定放送持株会社制度」の導入など、ただでさえ東京キイ局への一極集中がこれまで以上に進行させる制度づくりがおこなわれている中で、地域における放送局の存在意義が損なわれることになれば、かえって民放系列ネットワーク全体の総合力を低下させ、放送の社会的使命を十分果たせなくなる恐れもあると、私たちは憂慮します。

安倍内閣は「憲法改正」について今国会でも強い意欲を見せていますが、改憲手続法(憲法改正国民投票法)は、国会議員が構成する「広報協議会」が政党による有料・無料の意見広告を取り仕切ること、政党の意見は「そのまま放送しなければならない」としていること、投票期日前14日間は有料意見広告を禁止していることなど、放送における表現の自由の観点からみて極めて重大な問題が十分審議されないまま、2007年に成立した経緯があります。こうした問題点を慎重に再検討することなく、憲法改正の具体的な手続きに入ることは許されません。

また、多くの市民や専門家、さらに国際団体なども強い懸念・反対を表明した特定秘密保護法が全面施行されています。膨大な行政情報を、客観的なチェックもないままに事実上永久に「秘密」として指定し、秘密を漏えいした者には厳罰を科すもので、報道関係者をはじめ秘密にアプローチしようとする者も処罰の対象としていることは表現・報道の自由に実質的な制限を加えるものです。報道機関で働く私たちは、同法の停止・法律の廃止を強く求めています。

貴省は「4K・8K」テレビを「次世代の高画質放送」と位置付けて、産業競争力向上の観点から積極的に推進する姿勢です。ようやくデジタル放送への切り替えが完了したという時期に、また次の新技術で家電製品の需要を喚起しようとしても、視聴者の理解は得られないと考えます。衛星放送などで4K・8K放送が本格的に開始されようとしていますが、私たちは4K・8Kについて視聴者に新たな負担増を課すような過剰な推進策を取らないことを求めます。

放送番組の制作現場では、極めて劣悪な労働条件で働かざるをえない労働者が多数存在している状態が、いっこうに改善されていません。それどころか、この間、放送局が推し進めてきた経費削減策が現場の労働者をいっそう疲弊させています。貴省は2009年に「放送コンテンツの製作取引適正化ガイドライン」を公表しましたが、このガイドラインが放送現場の労働環境改善に十分な効果をあげているとは到底言えないことは、貴省自身が行っているフォローアップ調査からも明らかです。大きな社会問題となった違法派遣や偽装請負を放送現場から根絶するためにも、ガイドラインの実効性を確保する具体的かつ追加的なフォローアップが必要だと考えます。その上で、公正取引委員会や厚生労働省など関係省庁とも連係され、放送局とプロダクションとの取引適正化や放送現場の労働環境を改善する施策を強化されるよう要請します。

ラジオは、震災に際してはきめ細かな情報を聴取者に提供して、その存在価値が見直されました。しかし、各地のラジオ局は経営環境の厳しさから存亡の危機に立たされていると言っても過言ではありません。難聴対策としてのAMラジオのFM補完も始まりましたが、聴取者の利益を念頭に、単なる経営効率化に留まらない、ラジオの媒体価値向上や経営の安定につながる行政的施策を早急に検討するよう、要請します。

 

貴省におかれましては、放送が国民生活や民主主義の発展に不可欠な存在であるという認識の下、以下の要請事項を真摯に受け止められ、今後の放送行政に反映されるよう切に要望する次第です。

 

要請事項

1.番組の「政治的公平」を理由として、放送局の停波にまで言及した大臣発言を速やかに撤回する こと。

1.放送の独立行政機関の設置をはじめとする放送制度・放送行政の抜本的見直しを検討すること。

1.放送局の番組制作力の低下につながるような放送局の事業再編を推進しないこと。

1.番組内容の問題を理由とした「厳重注意」などの行政指導は、放送局に萎縮効果をもたらし、表現の 自由に深刻な影響を与えることから、行わないこと。

1.「改憲手続法」における放送メディアの取り扱いについて、憲法・放送法が保障する表現の自由・ 放送の自由の観点から慎重に見直し、放送の公平・公正が担保される措置を具体的に検討すること。 その際、放送事業者や放送労働者の意見を積極的に聴取すること。

1.4K・8K放送の推進については、国民的合意を図りながら慎重に進めること。

1.「放送コンテンツの製作取引適正化ガイドライン」の遵守状況を定期的に点検・調査してその結果 を公表し、実効をあげるための具体的かつ追加的なフォローアップを早急に実施すること。放送局 と番組制作会社との取引の問題について、民放労連や関係する労働組合との意見交換の機会を設け ること。

1.既存ラジオ媒体の経営改善につながる媒体価値向上や経営安定のための施策を検討・実施すること。

 

以 上

【民放労連声明】高市総務相の「停波発言」に抗議し、その撤回を求める

民放労連声明

高市総務相の「停波発言」に抗議し、その撤回を求める

2016年2月10日

日本民間放送労働組合連合会

中央執行委員長 赤塚オホロ

 

高市早苗総務相は2月8日の衆院予算委員会で、政治的公平が疑われる放送が行われたと判断した場合、その放送局に対して「放送法の規定を順守しない場合は行政指導を行う場合もある」としたうえで「行政指導しても全く改善されず、公共の電波を使って繰り返される場合、それに対して何の対応もしないと約束するわけにいかない」と述べ、放送法4条違反を理由に電波法76条に基づいて電波停止を命じる可能性に言及した。昨日の同委員会でも「法律に規定された罰則規定を一切適用しないとは担保できない」と、再び電波停止の可能性を答弁したと伝えられる。

昨年来、安倍首相をはじめ閣僚や自民党首脳などから、「政治的に公平であること」などをうたう放送法4条の「番組編集準則」を根拠に、放送局に対して行政指導を行うことを正当化する発言が相次いでいる。しかし、大多数の研究者・専門家は「番組内容に関する規律は放送事業者の自律に基づくべきで、番組編集準則違反に対して電波法の無線局の運用停止や放送法の業務停止などの行政処分を行うことは表現の自由を保障する憲法上許されない」との意見であり、こうした見解はBPOの意見書や国会の参考人招致などで繰り返し表明されている。現に、番組内容を理由に政府・総務省が放送局に対して不利益となる処分を行ったことはこれまで一件もない。

それを、電波法の停波規定まで持ち出して放送番組の内容に介入しようとするのは、放送局に対する威嚇・恫喝以外の何ものでもない。憲法が保障する表現の自由、放送法が保障する番組編集の自由に照らして、今回の高市総務相の発言は明らかな法解釈の誤りであり、速やかな撤回を求める。高市総務相は昨年11月の衆院予算委員会(閉会中審査)でも放送法174条の業務停止条項に言及しているが、この条文は地上波放送局(特定地上基幹放送事業者)には適用されないことが同法に明記されており、法解釈の意図的な曲解と言わざるを得ない。民主主義のもっとも重要な基盤と言うべき表現の自由に係って、まともな法解釈ができない政治家であるなら大臣を務める資格はなく、私たちは高市大臣が自ら進退を明らかにされることを求める。

今回のような言動が政権担当者から繰り返されるのは、マスメディア、とくに当事者である放送局から正当な反論・批判が行われていないことにも一因がある。放送局は毅然とした態度でこうした発言の誤りを正すべきだ。また、このような放送局への威嚇が機能してしまうのは、先進諸国では例外的な直接免許制による放送行政が続いていることが背景となっている。この機会に、放送制度の抜本的な見直しも求めたい。

 

以 上

民放労連第122回臨時大会 決議5 世界一危険な普天間飛行場の無条件撤去を求め、辺野古の新基地建設に反対する決議

世界一危険な普天間飛行場の無条件撤去を求め、

辺野古の新基地建設に反対する決議

仲井眞前沖縄県知事が二〇一三年一二月、公約を撤回して沿岸埋め立てを容認して以降、政府はここぞとばかりに名護市辺野古での新基地建設を進めている。米海兵隊キャンプシュワブのゲート前では本土から派遣された機動隊員により、また海上では海上保安庁の保安官により、反対住民の強制排除が過激さを増し、けが人が続出している。暴力によらない正当な抗議行動に対し、政府はますます圧力を強めている。

ここ数年、沖縄県内における選挙では、基地建設反対の公約を掲げる候補者が当選を続けている。一昨年の衆院選では「辺野古新基地建設反対」を公約に掲げて当選しながら、ただちにその公約を覆した現職議員をすべて選挙区落選に追い込んだ。これは明らかな県民の怒りの表れであり、新基地建設反対という大きな「民意」である。しかし、政府は「沖縄県民に寄り添う」と言いながら、この「民意」には一切耳も貸さず、辺野古新基地建設を強行している。

そのような状況下で行われた、今年一月の普天間基地を抱える宜野湾市長選挙。「オール沖縄」の支援を受け、辺野古新基地建設反対を訴える志村候補と、基地問題には一切触れず普天間基地の危険性除去だけを訴えた現職の佐喜眞候補との一騎打ちとなった結果、政府の強力な後押しを受けた佐喜眞氏が勝利した。政府は「宜野湾市民は辺野古基地容認」と受け止め、菅官房長官に至っては「オール沖縄は実態とかけ離れている」と述べている。

しかし、市長選において琉球新報と毎日新聞、共同通信が実施した出口調査では、政府の辺野古新基地建設の評価は五四・九%もの市民が支持しないと答え、支持するとした人は三三・八%にとどまった。つまり、宜野湾市民の「民意」もはっきり「新基地建設反対」なのである。これまで沖縄県民が選挙を通して示し続けた「民意」は無視し、今回の宜野湾市長選のような、自分たちの都合のいい「民意」は持ち上げるという政府のやり方は、「民意」を都合良く使い分ける偽善としか言いようがない。

名護市辺野古への新基地建設をめぐっては、翁長雄志沖縄県知事の辺野古埋め立て承認取り消し処分の取り消しを求めて国土交通相が提起した代執行訴訟も行われている。裁判で沖縄県は「国がまるで一国民であるという立場で、沖縄県知事の行政権限を奪う主体になることは無理がある」と違法性を主張している。憲法が保障する地方自治の原則を踏みにじる政府とは一体何なのか。

もともと国土面積の〇・六%しかない沖縄県に在日米軍専用施設の七三・八%が集中しているという現状こそ、沖縄に対する差別構造そのものではないか。その上さらに辺野古の美しい海に新基地を建設する道理はない。しかし、沖縄県内のメディアがいくら力をこめて主張しても、本土の人々にその声はなかなか届かない。私たち全国のメディアに働く者の間にも、無意識の差別感が蔓延していないだろうか。そして、これは沖縄という一地方の問題ではなく、日米外交の問題であり日本国民全体の問題に他ならないことも、私たちは強く意識しなければならない。

私たち民放労連は、沖縄県民の闘いと連携するとともに、政府によって都合良く葬られようとする真の「沖縄県民の民意」を全国に発信し、米軍が恒久的に存在し、戦争の装置としての辺野古新基地建設に反対することを、ここに決議する。

二〇一六年一月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二二回臨時大会