メディア日誌 2016年3月

◆CBCテレビ(名古屋市中区)の林尚樹社長は同市内で会見を行い、東海テレビ(同市東区)が全国放送する昼ドラの終了について「寂しい思いがございます」と話し、過去に自局も全国放送で昼の連ドラを手がけていた〝ライバル〟でもあることから、「ともに作って参りました局としては、できれば続けていただきたいなとは思っていました」と語った。(3月1日)

◆高市早苗総務相が放送法四条の「政治的公平」の解釈についで、一つの番組だけでも放送局に電波停止を命じる可能性に言及した問題で、テレビの報道番組に出演しているジャーナリスト六人が記者会見を開いて批判した。席上、在京放送局の報道現場から匿名で寄せられたとする、いくつかの声が紹介された。「自粛の動きがある」「有形無形の圧力を感じる」など、深刻な訴えが続いた。  (3月7日)

◆日本民間放送連盟の井上弘会長は17日の定例記者会見で、総務省が示した「(放送の公平性は)一つ一つの番組を見て、全体を判断する」との政府統一見解に対し、放送局の自主自律の判断に任せ、個々の番組で政治的公平性を判断しないよう訴えた。井上会長は番組を木に例えて「放送局は森のようなもの。木を見て森を見ないということではなく、番組全体を見てほしい」と述べた。(3月18日)

◆インターネットで配信される音楽をテレビ・ラジオ番組で使った放送局に歌手やレコード会社が使用料を請求できるようになる。現在は歌手とレコード会社が使用料を請求できるのは、CDなどの音楽に限られる。TPPでネット配信音楽でも使用料を請求できるようにすることが義務づけられたことを受け、政府は著作権法を改正する。  (3月18日)

◆毎日放送、朝日放送、大阪放送は19日正午、AMラジオ放送と同じ番組をFMでも流す「FM補完放送」の本放送を開始した。この日は、大阪市内で三社共同制作の記念番組を公開で生放送。各局のアナウンサーらが、都市部での難聴地域解消などが目的であることを紹介、「音楽やスポーツ中継がよりクリアに聞こえます」とアピールした。補完放送は大阪府のほぼ全域と京都、兵庫、奈良、和歌山各府県の一部で聞くことができる。(3月20日)

◆東日本大震災の発生直後に開局した宮城県女川町の臨時災害FM局「女川さいがいFM」が3月末で閉局する。被災者の生の声を紹介し、被災者に身近な情報を伝えながら町の復興を支えてきたが、震災五年で区切りをつける。(3月26日)