民放労連第127回定期大会「労働者を守る真の「働き方改革」を求める決議」(2018年7月29日)

労働者を守る、真の「働き方改革」を求める決議

過労死を促進する恐れがある残業代ゼロ制度(高度プロフェッショナル制度=「高プロ」)が盛り込まれた「働き方改革関連法案」が、六月二九日の参議院本会議で可決・成立した。本来の労働基準法が適用されない労働者を定める重大な「法改悪」と言わざるを得ない。

企業は、「高プロ」の対象となる労働者については一日八時間、週四〇時間という労基法三二条の労働時間規制を超えて、何時間でも働かせることができるという制度だ。労働基準監督官の経験者からは「過労死につながる長時間労働は増えるが、(監督署は)指導はできない。高プロは長時間労働の指導そのものを除外する制度であり、長時間労働があったとしても、会社側に高プロはそういう制度だと言われるだけ」と懸念の声が上がっている。

さらに、対象を「年収一〇七五万円以上」とする想定や、職種も「金融商品の開発業務、金融ディーラー・アナリストなど」となっているが、これらは法改正の必要がない省令で定めることができ、経営者に都合よく変更されて拡大される懸念がぬぐえない。放送に携わる業務も、高プロの対象職種に加えられる可能性は十分にある。

また、罰則付きの残業時間規制が導入されることになったが、その一方で労働組合と特別条項で合意すれば、年六回まで「繁忙期では単月で一〇〇時間未満、年七二〇時間」までの残業を認めた。上限を超えた場合には企業にペナルティが課せられるが、過労死ライン八〇時間を超える数値は、労働者の「いのちと健康」の観点からも労働組合として安易に認める訳にはいかない。

こうしてみれば、「働き方改革関連法」は労働者のためのものではなく、企業の使用者責任の範囲を縮小する狙いがあることは明らかだ。今国会でもうひとつ導入を狙っていた「裁量労働制の適用範囲拡大」については、政府が用意した労働時間の比較データが不適切だったことが発覚して削除されたが、政府はこれについても諦めた訳ではなく、日本経団連の中西宏明会長も「法案の早期の再提出を期待する」と後押しした。

高プロと残業規制は、二〇一九年四月、大企業を対象に施行される。労働者の「いのちと健康を守る」ためにも、労働時間規制が急務であることは明らかなのに、「働き方改革関連法」はこれに逆行している。私たち民放労連は、過労死につながる「働き方改革関連法」に強く反対を唱えるとともに、すべての労働者が安心して働ける社会の実現に資する、労働法制の真の改正を求めていく。

右、決議する。

二〇一八年七月二九日

日本民間放送労働組合連合会 第一二七回定期大会