民放労連 第123回定期大会 決議2「安倍政権が推し進める労働法制改悪に反対する決議」

安倍政権が推し進める労働法制改悪に反対する決議

 【提案 労連本部】

 七月の参院選での勝利を受け、安倍政権はさらなる労働法制の「改悪」を推し進めようとしている。日本経済の回復を目指す安倍首相は、「一億総活躍プラン」において、「長時間労働の是正」「同一労働同一賃金」などの働き方改革を掲げている。確かにこれらは、われわれ労働者が長年解決しようと取り組んできた課題にほかならない。しかし、この「改革」は、果して本当にわれわれの生活の改善につながるのだろうか。

「一億総活躍プラン」では、「長時間労働の是正」を掲げているが、これまでに安倍政権が実際にとりくんだのは労働時間の短縮ではなく、「残業代ゼロ」を目指す労働基準法改悪である。この法案で、労働時間規制の適用除外の労働者を作る「高度プロフェッショナル制度」を導入しようとしているが、企業による「ノルマ」の設定次第で、労働者をいくらでも都合よく働かせ放題とすることができ、長時間労働の是正どころか、逆に長時間労働に拍車をかけることになる。

今年四月から厚生労働省では、四七都道府県すべてに過重労働撲滅特別監督管理官を配置し、企業への労働基準監督署の立ち入り調査の基準となる残業時間も月百時間から月八十時間に引き下げられた。しかし、高度プロフェッショナル制度や裁量労働制の適用範囲拡大といった労働法制の改悪が進めば、長時間労働の実態がますます隠されてしまう。一方では規制緩和を推し進めている中で、「長時間労働の是正」は、大きく矛盾していると言わざるを得ない。

また、「同一労働同一賃金」の実現に向けて、非正規雇用の待遇改善を図るとしているが、財界からの反発は大きなものがあると予想され、正社員の賃金を大きく引き下げることにつながりかねない。私たちが望む非正規雇用者の賃金を含む大幅な待遇改善を実現するためには、私たち、労働組合の不断の努力が欠かせない。

今や労働者の約四割が非正規雇用者であるという事実は、まぎれもなく財界と政府が推し進めてきた施策の結果であり、それをさらに助長させるような労働法制の改悪にはすべての労働者が団結して反対していく必要がある。

民放労連は、安倍政権が民意を無視して企業利益優先で強引に推し進める労働法制の大改悪に反対し、憲法を活かし、働くルールを確立するため、全力をあげて奮闘する決意である。

右、決議する

二〇一六年七月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二三回定期大会