民放労連第129回定期大会「労働者保護に資する労働法制の〝真〟の改正を求める決議」(2019年7月28日)

 財界が強く要請している「解雇の金銭解決制度」の法制化に向けて、厚生労働省は、「解雇無効時の金銭救済制度に係る法技術的論点に関する検討会」という長い名称の会議を立ち上げ、議論をはじめている。重々しい名称のわりに、検討されている内容の本質は旧来から変わらず「解雇は違法で無効なものであった場合、労働者は会社に金銭を要求できる」と、あたかも労働者に有利に映る表現をとっているが、これまでの判例によって積み重ねられた「整理解雇の四要件(人員整理の必要性、解雇回避努力義務の履行、被解雇者選定の合理性、解雇手続の妥当性)」を根底から覆すもので、違法な解雇すら一定程度の金銭を支払うことで合法化できることを目論む。
 企業にとって好ましくない労働者の排除や、事業の統廃合、景気動向に合わせた雇用調整手段として使用者側に期待されていることはすなわち、労働者にとっては雇用不安を常態化させるものにほかならず、法制化には妥協の余地なく反対する。
 
 厚生労働省による調査データの不備や異常値が多数見つかった問題を受けて、「働き方改革関連法案」から全面削除された「裁量労働制の適用範囲拡大」について、安倍政権は国会への再提出へ向けて粛々と準備を進めている。
 「裁量労働制」は労働基準法で認められた制度で、法律で規定された「専門業務型」「企画業務型」の二種があり、いずれも特定の職種に従事する労働者を対象に、実際の労働時間に関係なく、使用者は労使間で定めた「みなし労働時間」分の時間外労働手当を支払えば済むというものだ。政府は昨年の国会で法制化を断念したものの、「1日も早く、完全な働き方改革法案を完成させてもらいたい」と注文をつけたように財界は、「企画業務型」の適用範囲を拡大し、問題解決型提案営業と自社事業についての企画・立案・調査・分析を行い、その結果を活用して事業の管理・実施状況の評価を行う業務、すなわちあらゆる営業職を裁量労働制の適用対象とすること、そして、企業にとって制度を使い勝手の良いものにするための手続きの簡素化を引き続き求めている。
 
 私たち民放労連は、解雇権の乱用を導く「解雇の金銭解決制度」と、労働者のいのちと健康を脅かす「裁量労働制の適用範囲拡大」に強く反対するとともに、すべての労働者が安心して働ける社会の実現につながる労働法制の真の改正を求めていく。

右決議する。

2019年7月28日
日本民間放送労働組合連合会 第129回定期大会