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「働き方」関連法案強行採決抗議 委員長談話(2018年5月25日)

民放労連委員長談話

「働き方改革」関連法案の「強行採決」に抗議する

2018年5月25日

日本民間放送労働組合連合会

中央執行委員長 赤塚 オホロ

 

過労死や過労自殺が大きな社会問題となり、長時間労働改善が急務となっているなか、安倍晋三首相と政府与党が今国会での最重要課題と位置付ける「働き方」に関する関連法案が本日、衆議院厚生労働委員会で、与党などの賛成多数で可決された。

そもそもこの法案は2015年4月に「労働基準法等改正案」として提案されて以降、根強い反対意見もあって一度も審議されることなく2年以上継続審議とされ、昨年の衆議院解散により審議未了で廃案となったものである。それが今国会で最重要法案の一つとされ「働き方改革関連法案」として再度提案されたが、法案作成にあたって厚生労働省が提出していた資料に不適切なデータが使用されていたことが判明して「裁量労働制の適用範囲拡大」が法案から削除されるなど、検討段階から問題を抱えていたいわくつきの法案である。

さらにこの法案の目玉である「高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)」については、専門性、年収要件、本人同意などさまざまな適用条件が付けられているが反対の声は根強く、この制度を今国会で何としても成立させたい政府は一部野党の意見を採り入れて「制度適用後も撤回できる」と修正し、制度の適用と撤回は労働者個人の自由意思に委ねられているとの印象を与えようとしているが、使用者に比べて圧倒的に弱い立場に置かれているのが労働者であることを考慮すれば、実効性に乏しいと言わざるを得ない。

「高度プロフェッショナル制度」は、すべての労働時間規制を撤廃し、企業の残業代支払い義務を免除するものであり、たとえ導入当初に高い適用条件を付けていたとしても、今後経済界の意向を受けて条件が引下げられる可能性は非常に高い。何より2015年に塩崎前厚生労働大臣が経済界との懇談で「小さく産んで、大きく育てる」と発言したことを忘れてはならない。

連合の神津里季生会長も「過労死、過労自殺の温床になる」と発言するなど、多くの労働者や労働組合などの団体が強い反対の声を上げているにもかかわらず、政府・与党が国会内の「数の力」で強引に法案採決を行ったことに対し、私たちは強い怒りをもって抗議する。

以 上

規制改革推進会議へ「通信と放送の融合の下での放送のあり方について」に関し意見提出(2018年5月17日)

規制改革推進会議「投資等ワーキンググループ」に対する民放労連の意見

2018 年5 月17 日

日本民間放送労働組合連合会
中央執行委員会

 

私たち民放労連は、全国のラジオ局、テレビ局とその関連会社などで働く労働者で組織す
る、放送産業で唯一の産業別労働組合の連合体で、約9000 人を組織しています。現在、貴
会議で議論されている「通信と放送の融合のもとでの放送のあり方について」に関して、以
下のとおり意見を述べます。

(1)豊かな番組の再生産のために十分な還元を

放送番組は、多数の労働者がそれぞれに創意工夫をこらして作り上げるもので、私たちは
これまで一貫して「人と番組を大切にする」ことを各方面に求めてきました。
ところが、多くの放送の現場では番組制作費の削減がおこなわれる一方で、クオリティー
の維持・向上や創意工夫が求められて長時間労働が常態化し、さらには下請・孫請けなど重
層的産業構造の中で働く低賃金・不安定雇用の労働者が多数を占めるようになっています。
私たちは放送局の正社員以外の労働者を「構内労働者」と呼んで、労働組合への加入を呼び
かけるとともに、その賃金・労働条件の改善と番組制作費の回復を経営者たちに求めてきま
した。
現に、民放194 社の決算は、売上が5 年連続増収の2 兆2501 億円、当期利益は前年度を
上回り、各企業の内部留保も過去最高の2 兆7 千億円を上回ることは確実と見られていま
す。こうした資金を番組制作費や放送の現場で働く労働者により多く還元することで、視聴
者の「知る権利」に奉仕する豊かな放送番組を制作することができるはずです。
実際には、劣悪な労働環境というイメージのために、放送局や番組制作会社は労働者の確
保に難渋しているのが現状です。番組制作の現場に十分な見返りがないという状態をこのま
ま放置すれば、放送産業はますます人材が枯渇して、制作スキルやノウハウの継承・発展が
いよいよ困難になるでしょう。そのように荒廃した現場からはどのようなビジネスモデルも
成立しない、と私たちは断言します。

(2)放送における言論・表現の自由の保障を

放送法は第3条で「放送番組編集の自由」を掲げています。これは日本国憲法第21条が
「一切の表現の自由」を保障していることに直結しているものです。このため、放送の政治
的公平などを定めた放送法第4条は、放送事業者が自律的に遵守すべき倫理規定だと、研究
者の間では解釈されてきました。
ところが政府は、番組全体の内容を見て判断するというこれまでの見解に変更はないとし
ながらも、「極端な場合は個別の番組だけでも政治的公平を判断できる」との政府統一見解
をまとめ、逸脱している場合には放送電波の運用停止を命じることも可能だとしています。
これは、放送に対する政治的圧力以外の何ものでもありません。
このような政府と放送局の不健全な関係は、政府・総務省が放送免許の許認可権を直接把
握していることに起因するものです。ほとんどの先進諸国では独立行政委員会による間接規
制にしていることからすれば、日本の放送制度は異例と言うほかありません。
私たちは「国家権力からの独立と放送の自由を保障するため、放送制度・放送行政を抜本
的に見直し、政府から独立した、放送を所管する行政委員会の設置」の要求を長年の運動方
針としてきました。放送制度の見直しが議論されるのであれば、国際的にも異例である直接
免許制の再検討がまず議論されなければならないと、私たちは考えます。

(3)「電波の有効活用」のためには国民的な議論を

放送用の電波は、多数の人々に、同時に、瞬時に情報を伝達することができる、社会的に
有益なツールです。周波数帯の割り当ては、国際的な取り決めに従って、各国で厳格なルー
ルの下に運用されています。こうして割り当てられた電波は、言うまでもなく「国民の共有
財産」です。
すべての視聴者に受信機の買い替えを迫った地上テレビ放送のデジタル化から、まだ数年
しか経過していません。また、AMラジオのFM補完放送も、各地で始まっています。この
ような状況下では、拙速な電波利用の見直しによって視聴者・リスナーに無用の混乱を招か
ないことが求められます。
今年は高画質放送の4K・8Kが衛星放送でスタートしますが、今後の技術革新によりこ
れらの放送を地上波でも、ということになれば、地上波デジタル化の時と同じくテレビの買
い替えを国民に迫ることになるばかりでなく、新たな周波数帯の確保をしなければならなく
なり、それこそ「電波の有効活用」の観点から疑問を感じざるを得ません。
自衛隊や在日米軍が優先的に利用している周波数帯など、十分に情報公開されていない電
波利用の実態もあります。「電波の有効活用」を掲げるのであれば、こうしたさまざまな電
波利用の実態を明らかにして、総合的なプランを構築するために、国民各層の意見を反映で
きる幅広い議論の場を設けることから始めるべきではないでしょうか。

以 上

全日本テレビ番組製作社連盟(ATP)に「ハラスメント」根絶に向けた要請を提出(2018年5月17日)

2018年5月17日

一般社団法人全日本テレビ番組製作社連盟
理事長 倉内 均 殿

日本民間放送労働組合連合会
中央執行委員長 赤塚オホロ

「ハラスメント」根絶に向けた要請

財務省事務次官によるテレビ朝日女性記者へのセクシャル・ハラスメントがあったとして、大きな社会問題となっています。アメリカでのハリウッド女優などに対するセクシャル・ハラスメントが、ソーシャルメディアで「#Me Too」として全世界に広がりを見せていることからも、私たちはジャーナリズムに携わる労働者として看過できません。そして、今回の問題に限らず、民放産業内でも職場や仕事先でセクハラ、パワハラ、マタハラなどで心身に大きな影響を受けて、休職や退職に追い込まれている例があります。

私たち民放労連は、運動方針で「あらゆる性差別やハラスメントに反対し、職場での周知徹底と研修を求め、相談窓口の設置と相談者の側に立った具体的な救済措置」を経営者に要求しています。これは、放送で働くすべての労働者と、その労働者が働くすべての職場や場所が対象です。そして相談者のプライバシー保護はもとより、その相談事案に対する最大限の救済措置を求めているものです。

各社では法令に則り、相談窓口の設置と担当者を配置しているものと考えますが、各種ハラスメントは被害者と加害者で意識の違いが大きく、相談窓口担当者の意識の違いもその後の対応に大きく影響します。相談窓口担当者には兼務・兼任が多い現状を考えると、日々の仕事の忙しさの中でハラスメントに対する教育と研修、そして相談者への対応がおざなりになっていないでしょうか。

今回の事例を、個人的な問題あるいは個別の放送局の問題だと矮小化するのではなく、民放産業全体で取り組まねばならない重要な課題であると捉え、個人の尊厳を著しく傷つける行為である各種ハラスメントに対し、番組制作会社各社を束ねる貴連盟が強いリーダシップを発揮して、ハラスメント根絶に向けて取り組まれるようお願いいたします。

以 上

民放連へ「セクハラ問題」で緊急の申し入れ(2018年4月25日)

2018年4月25日

一般社団法人日本民間放送連盟

会長 井上 弘 殿

日本民間放送労働組合連合会

中央執行委員長 赤塚オホロ

 

「ハラスメント」根絶に向けた緊急申し入れ

 

財務省事務次官によるテレビ朝日女性記者へのセクシャル・ハラスメントがあったとして、大きな社会問題となっています。アメリカでのハリウッド女優などに対するセクシャル・ハラスメントが、ソーシャルメディアで「#Me Too」として全世界に広がりを見せていることからも、私たちはジャーナリズムに携わる労働者として看過できません。そして、今回の問題に限らず、民放産業内でも職場や仕事先でセクハラ、パワハラ、マタハラなどで心身に大きな影響を受けて、休職や退職に追い込まれている例があります。

 

私たち民放労連は、運動方針で「あらゆる性差別やハラスメントに反対し、職場での周知徹底と研修を求め、相談窓口の設置と相談者の側に立った具体的な救済措置」を経営者に要求しています。これは、放送で働くすべての労働者と、その労働者が働くすべての職場や場所が対象です。そして相談者のプライバシー保護はもとより、その相談事案に対する最大限の救済措置を求めているものです。

 

各社では法令に則り、相談窓口の設置と担当者を配置しているものと考えますが、各種ハラスメントは被害者と加害者で意識の違いが大きく、相談窓口担当者の意識の違いもその後の対応に大きく影響します。相談窓口担当者には兼務・兼任が多い現状を考えると、日々の仕事の忙しさの中でハラスメントに対する教育と研修、そして相談者への対応がおざなりになっていないでしょうか。

 

今回の事例を、個人的な問題あるいは個別の放送局の問題だと矮小化するのではなく、民放産業全体で取り組まねばならない重要な課題であると捉え、個人の尊厳を著しく傷つける行為である各種ハラスメントに対し、民間放送各社を束ねる貴連盟が強いリーダシップを発揮して、ハラスメント根絶に向けて取り組まれるよう強く申し入れます。

 

 

以 上

規制改革推進会議「通信と放送の融合の下での放送のあり方について」に対する民放労連委員長談話

規制改革推進会議「通信と放送の融合の下での放送のあり方について」

に対する民放労連委員長談話

 

2018年4月20日

日本民間放送労働組合連合会

中央執行委員長 赤塚 オホロ

 

政府の規制改革推進会議は、安倍首相も出席した4月16日の会合で放送制度の見直しを議論し、その中で今後の課題として「通信・放送の融合によるビジネスモデル」「多様で良質なコンテンツの提供」「電波の有効利用に向けた制度のあり方」を掲げ、第三次答申に向けて検討を進めていくことを表明した。この席では、政治的公平などを規定した放送法4条をはじめとする放送特有の規制の撤廃などは議論されなかったと報じられている。

視聴者にも大きな影響を及ぼしかねない問題について拙速な議論とならなかったことはひとまず評価したい。しかし、議論の方向性としては、相変わらず産業振興の側面ばかりが強調されていて、放送の社会的効用や公共的価値に関する論点が欠如していることが強く懸念される。放送法の目的にあるとおり、健全な民主主義の発達に資するために、私たち放送に働く者はこれまで努力を積み重ねてきた自負がある。こうした取り組みがまったく考慮されないような政策論議は、到底受け入れられない。

そもそも「投資等ワーキンググループ」という経済的価値を追求するための作業部会では、先に指摘したような放送の公共性に基づいた議論を期待できるはずもない。放送制度の見直しを検討するのであれば、産業界だけではなく国民各層の意見を幅広く反映できるよう、もっとオープンな枠組みで一から議論をやり直すべきだ。

 

以 上

声明「財務次官セクハラ疑惑と政府の対応に強く抗議する」

財務次官セクハラ疑惑と政府の対応に強く抗議する

 

2018年4月18日

 民放労連女性協議会

 日本民間放送労働組合連合会

 

週刊誌の報道に端を発した財務省・福田淳一事務次官による女性記者へのセクシャル・ハラスメント疑惑に関し、麻生太郎財務大臣並びに財務省は女性の人権を軽視し、報道機関への圧力ともとれる対応を続けている。民放労連女性協と民放労連は、財務省の対応に強く抗議する。また、各メディア企業に対しては、被害者保護のためにあらゆる対策を講じるよう求める。

 

一、福田次官、麻生大臣、財務省の対応について

財務省が顧問契約を結ぶ弁護士事務所に被害者本人から名乗り出るよう求めている点について、強く抗議する。「調査協力要請」は記者に求められる取材源の秘匿の観点からも到底応じられるものではない。さらに、名乗りでるという行為は、取材者としての立場を揺るがすものである上、プライバシーが保証されるのかも明確ではない。これは、セクハラの二次被害を生み出すとともに、報道機関への圧力・攻撃になる。

麻生大臣は、福田次官のセクハラ疑惑が報道された当初、調査をしないという方針を示した。その後も、被害者女性が名乗り出ない限り事実認定が難しいとの考えを示すなど、セクハラ被害を真剣に受け止めない態度を続けており、到底看過できるものではない。このような姿勢は、被害者があたかも加害者であるかのように扱う風潮を助長し、被害者の立場を著しく貶めるものである。

「女性活躍」を掲げてきた安倍政権であるはずなのに、一連の政府の対応を見ると「女性の人権」を軽んじているようにしか見えない。「女性活躍」をうたう政権として、その基盤となる「女性の人権」に真摯に向き合う事が求められている。政府はまず、福田次官への事情聴取・事実確認を行い、さらに、同様のセクハラが他の省庁でも行われていないか徹底的に調べるべきである。

 

一、報道機関である企業の取るべき対応について

私たちは、セクハラへの徹底した対策を各社に要求する。放送局の現場で働く多くの女性は、取材先や、制作現場内での関係悪化をおそれ、セクハラに相当する発言や行動が繰り返されてもうまく受け流す事を暗に求められてきた。たとえ屈辱的な思いをしても誰にも相談できないのが実態だ。この問題はこれ以上放置してはいけない。記者やディレクター、スタッフ、そして出演者らが受けるセクハラは後を絶たないのに、被害を受けたと安心して訴え出られるような環境も整っていない。このような歪みを是正しなければ、健全な取材活動、制作活動は難しくなる。

決して、被害を訴え出た側が責められるようなことになってはならない。「それくらい我慢するべきだ」「しょうがない」など個々人に負担を強いる指示や黙認は、セクハラを傍観し、容認する態度であり、到底許されない。

視聴者の半数は女性である。本来、伝え手である記者やディレクター、スタッフ、出演者は受け手と同じ比率で女性がいるべきであるが、現段階では二割程度にとどまっており、現場を指揮する意思決定層に至ってはほとんど女性がいない現実がある。本件のような問題に際して「現場に女性を出すな」といった安易な対応は、取ってはならない。

 

 

以 上

 

「放送制度改革」に対する民放労連の声明 (2018年3月27日)

「放送制度改革」に対する民放労連の声明

 

2018年3月27日

日本民間放送労働組合連合会

 中央執行委員会

 

安倍政権が検討しているという「放送制度改革」の方針案が明らかになった、と報道された。放送法4条の「番組編集準則」を撤廃し、インターネットと放送の規制を一本化して新規参入を促す内容で、安倍晋三首相は今年になって「放送事業の在り方の大胆な見直しが必要」と繰り返し発言し、内閣府の規制改革推進会議などで検討を進めているという。

番組編集準則は「番組の公序良俗」「事実を曲げないこと」「政治的公平」「多角的報道」を放送事業者に求めているものだが、放送の自律に基づく倫理規定として運用されるのならば、視聴者に対する放送倫理の表明として認められるものだ。しかし、これまで自民党政権は、放送内容に介入するために放送法4条を法規範として持ち出し、放送局に対して番組内容に関する行政指導をしばしば行ってきた。

憲法違反の疑いの強いこのような行政指導に放送局が従わざるを得なかったのは、放送免許が政府による直接免許制とされ、政府に睨まれると停波の危険があるからだ。このように電波法と結び付けた直接免許制こそ、一刻も早く改められるべきであり、独立行政委員会制度の創設など、国際社会で一般的な間接免許制に向けた議論を始めるのが先決だと私たちは考える。

一昨年の国会で行われた、当時の高市早苗総務相の「停波発言」を受けて政府が閣議決定した放送の政治的公平に関する「政府統一見解」で、現政権は、放送内容の政治的公平性を政府が判断することの正当性を改めて主張した。昨年11月に国連人権理事会から放送法4条見直しの勧告も出されていたが、これについては今月、日本政府としては「受け入れない」との態度を表明している。このようなこれまでの政府の姿勢とはまったく異なる方針案が唐突に示されたことに、驚きを禁じ得ない。総務省の検討会などでもこれほど大きな放送制度改革が議論された形跡はなく、政策の整合性の観点から強い疑問を持たざるを得ない。

約30年前に放送の公正原則を廃止した米国では、政治的な党派色を強めた番組が増え、社会の分断を助長したという指摘もある。今回の政府方針案には、情報流通の中心にインターネットを置いて、放送の社会的影響力を低下させようという狙いもあるのではないか。産業振興の色合いも強く、放送の社会的使命を軽視している様子もうかがえる。私たち放送で働く者が、放送倫理に基づく番組づくりで視聴者から信頼を得ようとしてきたこれまでの努力をないがしろにするかのような提案には、断固として反対をしていく。

放送は国民の知る権利に応える機関として、この国の民主主義の基盤の一翼を担ってきた。政府はまず、方針案決定に至る過程について、国民各層への説明責任を果たすべきではないか。

以 上

民放労連と映演共闘が民放連に申し入れ 2018年3月9日

2018年3月8日

一般社団法人 日本民間放送連盟

会長 井上 弘 殿

日本民間放送労働組合連合会

中央執行委員長 赤塚オホロ

 

申し入れ書

 

私たち民放労連は1月末、第126回臨時大会を開催し「いのちと健康、雇用と生活を守る18春闘!」をスローガンに、2018年春闘に臨むことを決定しました。加盟各組合では2月28日を中心に民放各社に対して要求を提出し、今春闘を開始しました。

 

今春闘をめぐっては、安倍首相は政労使会議の場で5年連続となる賃上げ要請を行い、「3%」という具体的な数値目標まで示しています。安倍首相がいくら「名目賃金は上昇している」と宣伝しても、実質賃金が低下している状況では消費拡大につながらず、さまざまな企業優遇施策で生み出された利益のほとんどは内部留保に回されているという現状に対する苛立ちが、「3%」という数値になったのだと考えます。

日本経済の回復のためには個人消費の拡大が不可欠であり、個人消費を活性化させるためには、物価や社会保障費の上昇を上回る「大幅な賃上げしかない」という認識は、政府はもとより、いまや社会一般に広がっています。

とりわけ、貯蓄に回りやすいと指摘される一時金よりも、ベースアップによる月例賃金の引き上げこそが、経済の活性化につながりやすいことは多くの経済学者や経済アナリストも主張しているところです。

 

2016年度の民放193社の売り上げは2兆3637億円となり、経常利益は7年ぶりに減益となりましたがそれでも1825億円を確保していますし、内部留保額も過去最高に迫るほど順調に増加しています。また貴連盟の民放連研究所による2017年度の見通しも微減ながらもほぼ前年度並みと推計しており、2018年度については微増の予測としています。

また、先月発表された電通の「日本の広告費」によると、2017年の総広告費は6年連続のプラス成長で、6兆円台に回復した2014年から3年連続での6兆円台となっています。マスコミ4媒体での広告費では、他の媒体が低下しているなか、ラジオ、テレビともに前年並みを維持していることからも、依然として広告主からの期待は大きいものがあると考えます。

貴連盟としても10年後、20年後の放送の未来が光り輝くものとなり、視聴者・リスナー、そして広告主にとって魅力ある媒体として存在していくために、加盟事業社に対して、「人と番組を大切にする」施策の推進を促すよう求めます。

 

今後も引き続き、民間放送各社を束ねる貴連盟と民放労働者を代表する唯一の産別労働組合である民放労連が、意見の相違を率直に認めつつも、これからの放送のあり方について、胸襟を開いて具体的な協議を深めることこそが、民放産業全体の発展のために極めて重要であると考えます。

こうした立場から以下に述べる民放労連の今春闘方針における3つの重点課題を真摯に受け止めていただき、併せて加盟各社に対して労使交渉で「誠意ある対応をとる」ことをご指示いただくよう申し入れます。

 

1.賃金要求「4つの柱」を追求し、すべての労働者の「賃金の底上げ」を実現する

賃金は日々の生活を営む上で必要な生活給であり、月例賃金はもちろん、賃金の後払いである一時金もすべて生活給です。さらに結婚や子育てなど家庭と家族のライフプランに合わせた生活レベルにするためにも、生計費の増加に見合う賃上げは絶対に必要ですしその賃上げ額は、物価などの経済情勢と社会保険制度や税制度、年金制度などの社会情勢を加味する必要があり、定期昇給だけで事足りるものではありません。

私たち民放労連は2018春闘において、ベースアップによる月例賃金の大幅アップ、前半年収の大幅増、初任給のアップ、「企業内最低賃金協定」締結を、賃金要求の四つの柱と位置付けて取り組むことを決定しています。

月例賃金については、物価の上昇や社会保険料の値上げなどによる家計負担を解消するため、昨年に引き続き「誰でも2万円以上」の賃上げを統一要求基準としました。

また「前半年収」については、引き続き民放労連の年収平均がピークだった2001年の水準への回復を長期的には追求しつつ、まずは世界同時不況が発生した2008年以前の半年収に戻すことを今春闘ではめざすことにしています。

「初任給アップ」については、最低賃金保障の底上げにもつながることから、引き続き「25万円以上への引き上げ」を求めることとしました。また初任給のアップは、放送をめざす若者たちが、放送の未来に希望を見出すことに直結するものと考えています。

「企業内最低賃金協定」締結の要求は、放送で働く労働者の「貧困と格差の是正」を求めて、2003年から民放労連の統一要求として掲げてきました。現在では、民放労連に加盟する労働組合がある独立U8局で労働協約が結ばれ、系列局系放送局では北陸放送や北日本放送のほか、ラジオ単営社のラジオ関西を合わせて11組合で締結されています。雇用形態の違いがあっても、放送労働者が仕事に誇りを持ち、生活の安定を図っていくにあたって、労使双方に大きなメリットがあるものと確信しています。そのためにも私たち民放労連の加盟組合は、まずは各社が直接雇用する労働者を対象とする「企業内最低賃金協定」締結とともに、「時給1500円以上、月額25万円以上」を要求し、引き上げを求めていく方針です。

 

2.雇用を破壊する労働法制改悪に反対し、人間らしい働き方を実現する

今次の通常国会で議論されている政府提出の「働き方関連法案」において、「裁量労働制の適用範囲拡大」が削除されました。これは、裁量労働制を「改正」するにあたり厚生労働省から提出されたデータが不適切な内容であり、経営者に都合よく改ざんあるいはねつ造された疑いまで出てきたからに他なりません。しかもこのデータは「高度プロフェッショナル制度」の法案作成にも利用されており、間違ったデータに基づいて作られた法案に正当性がないことは明白です。

放送が未来にわたって、視聴者・リスナーから信頼されるメディアとして発展していくためには、放送で働く労働者の権利と自由が保障され、生活を充実したものにするための雇用の安定と長時間労働が解消されていく必要があります。そのためにも放送産業に蔓延している長時間過重労働を撲滅していくことが求められています。

失った命は二度と戻りませんし、損なった健康は元通りにならないことを念頭に「いのちと健康」の観点から、業務の効率化やノー残業デー、消灯時間を決めるなどの小手先の対応で職場や個人に責任を押し付けるのではなく、人員の手当てや業務量の削減をするなどの抜本的な解決策を求めます。

また社員の長時間労働是正のために、安易に外注や外部委託などで立場の弱いプロダクションや派遣労働者に仕事を付け回すのではなく、すべての労働者が健康に働くことができる労働環境を整備させることが重要です。さらに労働時間が曖昧になりやすく、結果としてサービス残業の温床となる裁量労働制の導入にも反対します。

先にも述べましたが、労働者を労働基準法の枠外に置く「高度プロフェッショナル制度」や、ほとんどの営業職に適用することが可能となる企画業務型裁量労働制の適用範囲拡大、労働者の生活を根底から破壊する「解雇の金銭解決制度」など、労働法制の改悪には反対していきます。

貴連盟は、「極めて公共性が高い」民間放送の事業者の団体として、雇用のありかたを根本から破壊するこれら労働法制の改悪には断固として反対し、放送で働くすべての労働者の生活と雇用の安定、改善につながる真の法改正を求めて、毅然たる姿勢を表明されるよう強く望みます。

また、通算五年以上有期契約で働いた労働者が求めれば無期雇用に転換できることになった労働契約法と、有期の派遣労働者は三年を超えて同じ職場で働くことができなくなった労働者派遣法の適用を控え、立法趣旨を遵守して雇い止めすることがないよう要請します。

人間らしい働き方を実現するために労働者の権利を守り、私たち労働者を犠牲にするような法制度や企業内制度の改悪には毅然とした姿勢でたたかいます。

私たち民放労連では、放送の信頼性を高めるためにも、放送局構内で働くすべての労働者が、安心して働くことができ、安定した生活を営むことができる労働条件への改善こそ、放送が未来にわたって視聴者・リスナーから信頼されるメディアとして発展していくための重要な要素だと考えています。

 

3.平和と言論・表現の自由を守り、職場と生活(くらし)に憲法を活かす

安倍首相と政府は「特定秘密保護法」「安保関連法」「テロ等準備罪(共謀罪)」と矢継ぎ早に数の論理で法案を成立させ、そして大義なき解散総選挙の結果、憲法改正の発議要件である衆参両院での総議員の3分の2を確保した自民党と改憲勢力は、戦争ができる国づくりを着実に進めています。

国際NGO組織の「国境なき記者団」の報道の自由度ランキングでは2011年には11位だった順位が、年々順位を下げて2016年には七二位まで低下し、2017年も回復の兆しはありません。海外から見ても報道に対する政府の圧力強化と、それに伴う報道への信頼の低下を読み取ることができます。

市民のためのジャーナリズムであるとの原点に立ち返り、言論・表現の自由を守り、取材・報道を制限し、市民の知る権利を奪うことにつながる「特定秘密保護法」と、戦争への道を開く「安保法制(戦争法)」、思想信条の自由を奪うことにつながる「テロ等準備罪(共謀罪)」の廃止運動に全力で取り組みます。

過去の戦争に加担せざるを得なかったことへの反省から、戦後のマスコミの原点となった「二度と戦争のためにペンやマイク、カメラをとらない」との決意を、いま一度新たにし、国民の知る権利と報道の自由を守り抜くためにも、貴連盟が指導力を発揮してジャーナリズムの先頭に立たれることを強く期待します。

 

――― 総務省申し入れに関連して ―――――――――――――――

「改正放送法」と「放送コンテンツの製作取引適正化ガイドライン」について

2014年の改正放送法により、放送局の事業再編を推進するような環境が整備されました。これまでの総務省への問い質しでは「事業再編、基盤強化は放送局独自の判断であり、総務省が推し進めるものではない」と述べていますが、このような規制緩和は、とくにローカル放送局の番組制作機能を縮小させることにつながり、地域におけるローカル放送局の存在意義を大きく損なう恐れが強まることを意味します。そのような状況に陥れば、民放系列ネットワーク全体の総合力を低下させ、放送の社会的使命を十分果たせなくなる恐れもあると憂慮しています。

貴連盟としても、地域に密着した多様な放送のあり方を堅持していく立場から、「改正放送法」には、安易に再編を推進することのないよう、毅然として対応されるよう求めます。

さらに「放送コンテンツの製作取引適正化ガイドライン」の遵守状況についても問い質しをおこない、公正取引委員会のフォローアップ調査結果ではガイドライン自体の認知度は高い水準で推移して改善の兆しも見られるものの、依然として調査対象社の約3割(複数該当含む)で事前協議もない優越的地位の濫用が指摘され、なかでも採算確保が困難となる買いたたきが半分を占めています。公正取引委員会は「法律に違反する行為には、厳正に対処していく」としていますし、総務省も「優越的地位の濫用は、総務省としても問題があると考えている。下請法に違反する行為を周知していく」と述べています。

プロダクションが、発注元である放送局に番組制作取引において対等な立場で交渉することはきわめて困難です。このような関係を改善させていくためにも私たち民放労連では、すべての放送労働者の労働組合への加入を働きかけています。同時に貴連盟としても、放送産業の未来のために、すべての放送労働者が人間らしく働き、生活していくことができるよう、放送局が率先してプロダクションや関連会社との公正・公平関係を築くよう指導力を発揮されることを求めます。

 

以上

民放労連 総務省に申し入れ --野田総務相宛 要請書提出 2018年3月9日

総務大臣 野田 聖子 殿

                        2018年3月8日

 

日本民間放送労働組合連合会

中央執行委員長 赤塚オホロ

 

要 請 書

 

日頃の所管行政全般へのご努力に対し、敬意を表します。

 

一昨年、当時の高市早苗総務相が、政治的公平が疑われる放送が行われたと政府が判断した場合、その放送局に対して、電波法76条に基づいて電波停止を命じる可能性に言及する国会答弁を行いました。これを受けて貴省は「政治的公平の解釈について(政府統一見解)」を国会に提出しました。これは、これまで放送の政治的公平は番組編成全体で判断するとしてきた政府解釈を、「番組編集が不偏不党の立場から明らかに逸脱していると認められるといった極端な場合」には放送法違反と認定するという、従来に比べより踏み込んだ見解を示したものです。

このような政府見解に対して、国際社会からは疑問が突き付けられています。国連人権理事会は日本における表現の自由の問題をめぐって、政府による介入を避けるために放送における独立規制機関の設立などを提言しています。また、国内の多くの研究者も「番組内容は放送事業者の自律に基づくべきで、番組編集準則違反を理由に電波法の無線局の運用停止や放送法の業務停止などの行政処分を行うことは憲法上許されない」との意見です。そもそも、政府が第三者の意見聴取もなく放送の政治的公平を判断すること自体、憲法が保障する表現の自由、放送法が保障する番組編集の自由に照らして明らかな法解釈の誤りです。私たちは政府統一見解および総務大臣答弁の速やかな撤回を求めます。

安倍首相は今年1月の施政方針演説で「国民の共有財産である電波の有効利用に向けて、大胆な改革を進めてまいります」と述べ、放送を含む電波利用の「改革」に意欲を見せています。電波オークション制の導入なども取りざたされる中、上記のような放送法制に関する誤解に基づいて「改革」の議論を進めるようなことがあってはならないと私たちは考えます。

 

豪雨や豪雪など異常気象が続く中、各地で相次ぐ災害に際して、ローカル放送の重要性が増していることは明らかです。しかし、政府の政策は「放送番組の同一化による番組制作費の削減」など、放送局の事業再編を促すような制度整備を進めているようですが、こうした規制緩和策がローカル放送局の番組制作機能をいっそう縮小させることを、私たちは危惧しています。地域における放送局の存在意義が揺らぐようなことになれば、かえって民放系列ネットワーク全体の総合力を低下させ、放送の社会的使命を十分果たせなくなる恐れもあります。貴省に対し、放送の多元性・多様性・地域性を重視した県域免許原則を堅持する政策の推進を求めます。

 

安倍内閣は「憲法改正」について今国会でも強い意欲を見せていますが、改憲手続法(憲法改正国民投票法)は、国会議員が構成する「広報協議会」が政党による有料・無料の意見広告を取り仕切ること、政党の意見は「そのまま放送しなければならない」としていること、投票期日前14日間は有料意見広告を禁止していることなど、放送における表現の自由の観点からみて極めて重大な問題が十分審議されないまま、2007年に成立した経緯があります。こうした問題点を慎重に再検討することなく、憲法改正の具体的な手続きに入ることは許されません。

多くの市民や専門家、さらに国際団体なども強い懸念・反対を表明した特定秘密保護法が全面施行されています。膨大な行政情報を「秘密」として指定し、秘密を漏えいした者には厳罰を科すもので、報道関係者をはじめ秘密にアプローチしようとする者も処罰の対象としていることは表現・報道の自由に実質的な制限を加えるものです。報道機関で働く私たちは、同法の停止・法律の廃止を強く求めています。また、監視社会化を進める「共謀罪」関連法についても、私たちは早急な廃止を求めています。

 

貴省は「4K・8K」テレビを「次世代の高画質放送」と位置付けて、産業競争力向上の観点から積極的に推進する姿勢です。ようやくデジタル放送への切り替えが完了したという時期に、また次の新技術で家電製品の需要を喚起しようとしても、視聴者の理解は到底得られません。今年12月には衛星放送で4K・8Kの本放送が開始されますが、私たちは4K・8Kについて視聴者に新たな負担増を課すような過剰な推進策を取らないことを求めます。

 

「働き方改革」が政府の重要政策として掲げられているにもかかわらず、放送番組の制作現場では、極めて劣悪な労働条件で働かざるをえない労働者が多数存在している状態が、いっこうに改善されていません。それどころか、この間、放送局が推し進めてきた経費削減策が現場の労働者をいっそう疲弊させています。貴省は2009年に「放送コンテンツの製作取引適正化ガイドライン」を公表しましたが、このガイドラインが放送現場の労働環境改善に十分な効果をあげているとは到底言えないことは、貴省自身が行っているフォローアップ調査からも明らかです。公正取引委員会や厚生労働省など関係省庁とも連係され、放送局とプロダクションとの取引適正化や放送現場の労働環境を改善する施策を強化されるよう要請します。

 

ラジオは、震災に際してはきめ細かな情報を聴取者に提供して、その存在価値が見直されました。しかし、各地のラジオ局は経営環境の厳しさから存亡の危機に立たされていると言っても過言ではありません。難聴対策としてのAMラジオのFM補完も進んでいますが、聴取者の利益を念頭に、単なる経営効率化に留まらない、ラジオの媒体価値向上や経営の安定につながる行政的施策を早急に検討するよう、要請します。

 

貴省におかれましては、放送が国民生活や民主主義の発展に不可欠な存在であるという認識の下、以下の要請事項を真摯に受け止められ、今後の放送行政に反映されるよう、切に要望いたします。

 

要請事項

 

1.貴省が国会に提出した「政治的公平の解釈について(政府統一見解)」を撤回すること。

1.放送の独立規制機関の設置をはじめとする放送制度・放送行政の抜本的見直しを検討すること。

1.放送局の番組制作力の低下につながるような放送局の事業再編を推進しないこと。

1.番組内容を理由とした「厳重注意」などの行政指導は、放送局に萎縮効果をもたらし、表現の自由に深刻な影響を与えることから、行わないこと。

1.「改憲手続法」における放送メディアの取り扱いについて、憲法・放送法が保障する表現の自由・放送の自由の観点から慎重に見直し、放送の公平・公正が担保される措置を具体的に検討すること。その際、放送事業者や放送労働者の意見を積極的に聴取すること。

1.4K・8K放送の推進については、国民的合意を図りながら慎重に進めること。

1.「放送コンテンツの製作取引適正化ガイドライン」の遵守状況を定期的に点検・調査してその結果を公表し、実効をあげるための具体的かつ追加的なフォローアップを早急に実施すること。放送局と番組制作会社との取引の問題について、民放労連や関係する労働組合との意見交換の機会を設けること。

1.既存ラジオ媒体の経営改善につながる媒体価値向上や経営安定のための施策を検討・実施すること。

 

以 上

第126回臨時大会 「相次ぐ米軍機の事故に抗議し、普天間基地の即時閉鎖返還を求める決議」

相次ぐ米軍機の事故に抗議し、普天間基地の即時閉鎖返還を求める決議

【提案 沖縄地連】

二〇一八年新年早々の六日、沖縄本島中部のうるま市から橋でつながった伊計島に米軍のヘリが不時着。住民は恐怖で騒然とした。海兵隊は二日後の八日午前、回転翼を取り外した機体を大型輸送ヘリでつり下げ基地内へと運び去った。

ところが同日午後、読谷村のリゾートホテル近くの民間地にまたしても別のヘリが不時着したのだ。在日海兵隊司令官は安全な場所に着陸した、と兵員を賛辞した。事故の原因究明もなされないままにである。リゾートホテルに墜落していたら大惨事が起きていたにもかかわらずだ。

昨年暮れの一二月七日には普天間基地周辺の保育園の屋根に米軍ヘリの部品が落下。六日後の一三日には普天間第二小学校の校庭に基地から飛び立ったヘリの窓(重さ約八㌔)が落下し、体育の授業中だった児童たちの十数メートル近くで窓の特殊ガラスが散乱した。窓落下の風圧で小石が飛び、児童が軽傷を負っている。一歩間違えば大惨事になっていたところだ。

普天間基地所属の米軍機群は、オスプレイが一六年暮れに名護市の東海岸に墜落大破したのをはじめ、今年の新年までにオーストラリア沖での訓練に参加したオスプレイが墜落。東村高江では大型輸送ヘリが墜落炎上。そして年末年始の落下事故と不時着事故。相次ぐ米軍機の事故に沖縄県議会は一月一九日、抗議決議を全会一致で可決した。

ヘリの窓が落下した小学校の児童らは「空からは雨が降ってくると思っていたら、ヘリやヘリの部品が降ってくる」と手記をしたためている。事故後、米軍は学校上空を避けると言ったが、一八日には学校上空を我が物顔で飛行し、児童たちを不安に陥れた。そして一月二三日には渡名喜島に不時着。もう沖縄だけの事故で済まされない。オスプレイはじめ米軍機は全国を飛んでいる。みんなの空から「米軍機が降ってくる」。

沖縄が被る犠牲は米軍機だけではない。ヘリの部品と窓が落下した保育園と小学校には連日、「落下は作り話」「基地のそばにいるお前らが悪い」という電話が後を絶たない。保育士や教諭らの心労をあざ笑い、沖縄に基地を押し付ける「ヘイト集団」の存在は絶対に許してはならない。許せば民主主義が根底から崩壊することを意味する。

二〇〇四年八月に沖縄国際大学にヘリが墜落した事故の後、上空から普天間基地と周辺市街地を視察した当時のラムズフェルド米国防長官は「世界一危険な飛行場」と発言した。だが事故は今でも続いている。事故が起こるたびに米軍は「良き隣人」を強調しながら飛行を再開する。日本政府は米政府にモノが言えず沖縄の基地負担を黙認する。どちらも「沖縄県民の命」より軍事優先しか頭にない。世界一危険な基地と欠陥機は一日も早くなくさなくてはならない。

私たちは相次ぐ米軍機の事故に抗議し、米軍普天間基地の即時閉鎖返還を求める。

右決議する。

二〇一八年一月二八日

日本民間放送労働組合連合会 第一二六回臨時大会