Author Archives: 民放労連スタッフ

メディア日誌 2019年3月

◆政府は、NHKがすべての番組を放送と同時にインターネット配信できるようにする放送法改正案を閣議決定した。 (3月5日)

◆権利者の許可なくインターネットに上げられたと知りながら漫画や写真、論文などをダウンロードすることを違法とする著作権法改正案について、自民党の文部科学部会と知的財産戦略審査会の合同会議は、改めて国会への提出を了承した。(3月6日)

◆NHKが6月に予定する組織再編で、『ETV特集』などを制作している「文化・福祉番組部」の分割案が浮上し、現場から説明を求める要望書が出たことについて、上田良一会長は「文化番組や福祉番組を制作する体制はしっかりと確保する」と定例会見で述べた。(3月7日)

◆放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は、俳優の細川茂樹さんが所属事務所から契約解除を告げられたと伝えたTBSの情報番組『新。・情報7daysニュースキャスター』(17年12月29日放送分)について「放送倫理上問題がある」とする見解を発表した。(3月11日)

◆テレビを視聴できるワンセグ機能付きの携帯電話を持つと、NHKの受信料の契約義務が生じるか同課が争われた四件の訴訟の上告審決定で、最高裁第三小法廷は、義務はないと主張する原告の上告をいずれも退けた。契約義務を認め、NHK勝訴とした二審東京高裁判決が確定した。(3月12日)

◆ミュージシャンで俳優のピエール瀧容疑者が麻薬取締法違反の疑いで逮捕され、放送局や映画会社などは対応に追われた。(3月13日)

◆官房長官会見で記者の質問を制限するのは国民の知る権利を侵害しているとして、新聞労連や民放労連などでつくる日本マスコミ文化情報労組会議は、官邸前で抗議した。(3月14日)

◆日本民間放送連盟は、憲法改正の賛否を問う国民投票の際に政党などが流すテレビ・ラジオCMについて、内容などに問題がないか放送前にチェックする「考査」の具体的な留意点をまとめたガイドラインを公表した。3月20日)

◆日本民間放送連盟は、総務省の有識者会議で、AMラジオ局がAM放送をやめてFM放送に転換できるように制度改正することを、正式に要請した。(3月27日)

◆参議院本会議は、NHKの2019年度予算を全会一致で承認した。(3月29日)

メディア日誌 2019年2月

◆2時間ドラマを放送しているTBS系「月曜名作劇場」(月曜午後8時)が3月で終了することに鉈。民放キー局の夜の番組から2時間ドラマのレギュラー枠が消えることになる。(2月1日)

◆民放連は民放テレビ・ラジオの2018年度中間決算の概況をまとめた。地上民放195社の売上高は前年同期比0.5%減の1兆129億円、経常利益は同4.0%増の716億円で減収増益。本業の業績を示す営業利益は同10.6%減の467億円だった。(2月3日)

◆日本新聞労働組合は、首相官邸が東京新聞の特定記者の質問行為を制限したとして、抗議する声明を発表した。(2月5日)

◆内戦が続くイエメンを取材するために現地に渡航しようとしたフリージャーナリスト常岡浩介さんが外務省から旅券返納命令を受け、出国を禁じられたことがわかった。(2月5日)

◆2015年末に新入社員が過労自殺した電通は、労働環境の改善に向けた取り組みの結果として、18年の社員一人当たりの平均総労働時間が1952時間となったと発表した。前年より79時間減った。(2月14日)

◆沖縄県名護市辺野古の米軍進基地建設に関する冬季用新聞記者の質問をめぐり、首相官邸が「事実誤認」「度重なる問題行為」と内閣記者会に文書で伝えた問題で、政府は「改憲の進行への協力依頼にとどまり、報道機関への不当な介入ではない」とする答弁書を決定した。(2月15日)

◆NHKは制作局の8つの「部」を6つの「ユニット」に再編する組織改革を6月に実施する方向で調整に入った。(2月17日)

◆官房長官記者会見での東京新聞記者の質問をめぐり官邸側が「問題意識の共有」を記者クラブに求めたことに対して「日本マスコミ文化情報労組会議」は政府が15日に閣議決定した答弁書を「断じて容認できない」とする声明を出した。(2月18日)

◆電波利用料額の改定を盛り込んだ電波法改正案が2月19日、国会に提出された。電波利用料の総額は現行の年間約620億円ら2割増の約750億円を見込む。(2月23日)

◆菅義偉官房長官は27日の記者会見で、東京新聞記者が26日に会見の意義などについて質問したのに対して「あなたに答える必要はありません」と述べたことについても撤回や修正の考えはないと明言した。(2月27日)

メディア日誌 2019年1月

◆大晦日に放送されたNHK紅白歌合戦の2部(午後9時~同11時45分)の視聴率は関東地区で41.5%、関西地区で40.5%だった。ビデオリサーチが発表した。1部(午後7時15分~同8時55分)は関東地区で37.7%、関西地区で35.2%だった。(1月2日)

◆日本テレビ系で2、3日に中継された「第95回東京箱根間往復大学駅伝競走」の平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は、2日の往路が30.7%、3日の復路か32.1%。同局で放送が始まった1987年以降で往路・復路とも過去最高を記録した。(1月4日)


◆民放連は、総務省の「電波利用料の見直しに係る料額算定の具体化方針案」に異見を提出した。電波利用料とその料額の改定時期を1年早め、地上波テレビ局に大幅な負担増を求める方針案は極めて遺憾と表明した。(1月9日)


◆日本テレビ系のバラエティー番組『世界の果てまでイッテQ!』の祭り企画にやらせ疑惑が指摘されている問題で、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が、審議入りすると決めた。今後、番組関係者の聴取などを行う。 (1月11日)


◆米軍普天間基地の名護市辺野古への移設計画をめぐって安倍晋三首相が「土砂投入にあたりサンゴは移している」と述べ、不正確な説明をしたと批判されている問題で、発言を流したNHKの姿勢も問題視する声が出ている。(1月12日)


◆NHKは2019年度の予算案とし事業計画を発表した。事業収入は前年度比1.1%増の7247億円、事業支出は同2.1%増の7277億円で、9年ぶりの赤字予算となった。順次実施される受信料値下げの影響。 (1月15日)


◆タクシーに乗車した際の車載カメラの映像が民放各社に無断提供され、プライバシーが侵害されたとして、歌手のASKAさんがタクシー会社に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は、タクシー会社に220万円の支払いを命じた。(1月16日)


◆総務省はNHKのガバナンスを強化する放送法改正案を1月下旬召集の通常国会に提出する。(1月17日)


◆放送サービス高度化推進委員会は昨年12月にNHKや民放BS局で始まった4K、8K放送の普及状況を発表した。対応テレビやチューナーの出荷実績などから割り出した視聴世帯の推計は、12月末時点で約45万世帯。 (1月25日)

民放労連第128回臨時大会「ABC事件、労働争議の早期解決を求める決議」(2019年1月27日)

 一方的な契約解除からほぼ1年、大阪府労働委員会で係争中の「平成30年(不)第24号朝日放送グループホールディングス/朝日放送ラジオ事件」は、5回にわたる書面のやり取りによる調査を経て、今年3月から公開の場で行われる審問の段階に移ることになった。

 長年、朝日放送のラジオニュース班で働いてきた5人の派遣労働者は、2017年度末に突如雇い止めとなった。契約打ち切りの合理的理由を聞くため5人は労働組合を結成し、昨年3月、朝日放送に対して団体交渉の開催を求めた。

 しかし、朝日放送側が話し合う姿勢を見せることなく即日拒否したため、組合は府労委に「団交拒否の不当労働行為の救済」を申し立てたのである。

 朝日放送側は組合の団交要求を「府労委申し立てのためのアリバイづくりだ」と曲解して批判したため、組合は昨年10月に重ねて団交開催を要求したが、今度は「その真意を図りかねる」とはね付け、不誠実な対応に終始している。

 組合員が求めているのは、団交を開催して雇い止めの理由を聞くことであり、さらにその先には生活基盤の回復、5人全員の職場復帰を見据えている。組合側には「図りかねる」と言われるよう底意はなく、真意は明快である。

 一方の朝日放送側は府労委の審問において自ら証人を立てることなく「組合側証人への反対尋問で正当性を立証する」と強気の姿勢を示している。

 5人の組合員は、生活基盤を突如失い、苦境にありながらも真摯な話し合いを切望している。朝日放送は自らの正当性に自信があるならなおのこと、団交を開催して正々堂々と組合員に向き合うべきではないか。

 第128回臨時大会に結集した我々は、朝日放送側に対して、速やかに団体交渉の開催に応じ、一刻も早い争議解決を強く求める。

 右、決議する。

2019年1月27日
日本民間放送労働組合連合会 第128回臨時大会

民放労連第128回臨時大会「沖縄県民の民意を無視した名護市辺野古新基地建設に向けた土砂投入作業に断固抗議する決議」(2019年1月27日)

 2018年12月14日午前、日差しを受けて青く輝く沖縄県名護市辺野古の海に、1台のトラックが積んでいた土砂を降ろした。民意を無視し、生物多様性に富んだ海の埋め立てが始まったこの日は、沖縄の記憶に刻まれることになる。埋め立てが始まった米軍キャンプシュワブゲート前で抗議行動を続ける市民は、民意を踏みにじる安倍政権の姿勢に強い憤りをもって抗議した。
 
 昨年9月30日の沖縄県知事選挙。急逝した翁長雄志前知事の遺志を引き継ぎ、普天間基地の名護市辺野古への移設反対を表明して過去最多の得票数で、政権が支援する相手候補を破った玉城デニー知事が誕生した。この知事選で県民は明確に「辺野古移設にNO」を突きつけた。県民はこれまでも全県的な選挙で再三、新基地建設反対の民意を示してきた。しかし政府は知事選後、県が撤回した埋め立て承認の効力停止を申し立てて工事を再開。玉城知事は安倍晋三首相との会談で「民意は圧倒的に反対だ」として、改めて新基地建設を断念するよう求めた。だが政府は一顧だにせず、土砂投入に踏み切った。
 
 埋め立てが始まった護岸で囲まれた区域では作業が始まり、真っ青な辺野古ブルーの海が土砂で茶色に染まった。政府は埋め立て作業を加速することで県民にあきらめムードを植え付け、基地建設の既成事実化を積み上げるのが狙いだ。事あるたびに「沖縄に寄り添う」と発言する安倍政権。だが実のところ基地から派生する爆音や事件事故に悩まされ続ける沖縄の声を聴こうとする姿勢は微塵もない。この現状に県民の怒りは沸点に達している。
 
 その一方で、ここに来て朗報もある。今月23日、全国の憲法学者131人が、政府による辺野古新基地建設の強行は憲法違反であり、工事の中止を求める声明を発表した。全国に約600人いるといわれる憲法学者へも賛同の輪を広げるという。

 また、工事中止を求める米ホワイトハウスへの署名は全世界から約21万筆が集まっている。24日までに呼びかけの発起人である請願者宛に、ホワイトハウスから「私たちはあなたのメッセージを慎重に検討しています」と回答があった。憲法学者の声明もホワイトハウスからの請願に対する回答も極めて異例のことだ。来月24日には、紆余曲折あった辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票も全県で実施されることが決まった。

 辺野古埋め立て問題は沖縄だけの問題ではない。憲法9条と日米安保の問題でもあり、地方自治法と人権、民主主義を問うことからすると、国民すべての問題である。
 私たちは、辺野古新基地建設に向けた埋め立てに対する沖縄県民の民意が示されるまで、政府は辺野古への海に土砂投入作業を即時中止するよう強く求める。

 右、決議する。

2019年1月27日
日本民間放送労働組合連合会 第128回臨時大会

民放労連第128回臨時大会「あらゆるハラスメントを許さず見過ごさず、根絶をめざす決議」(2019年1月27日)

 1992年、日本で最初のセクシュアル・ハラスメント裁判(福岡事件)で、企業に対して「使用者責任として、民法715条に基づくセクハラ防止義務と適切な対処義務がある」との判決が示され、『セクハラ』は人格権を侵害する不法行為であると同時に、企業には、従業員がその尊厳を傷つけられないよう未然に防ぎ、働きやすい職場環境を保つ義務があるとした。
 この事件以降、セクハラ訴訟が相次ぎ、日本の社会にセクハラが根深く蔓延していることが露わとなった。にもかかわらず、政府や国会の不作為により、セクハラを明確に定義し、禁止する法律が不備のままで、セクハラの根絶を遅らせている。

 昨年4月、当時の財務事務次官による放送記者へのセクハラが明らかになった。この記者の告白は、放送に限らずメディア内部の「慣習」や「常識」が個人の尊厳を侵害するハラスメントに該当する場合があるとの気づきを与え、社会の声なき声を伝えるべき私たち自身が、声なき声の当事者でもあることを自覚させることとなった。
 翌5月、新聞や放送、出版などメディアで働く有志によって「メディアで働く女性ネットワーク」が設立された。職場の秩序や業務に影響を与え、被害者の人生に暗い影を落とすセクハラを含むあらゆる人権侵害をメディア内部から撤廃する運動がはじまった。
 日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)でも、メディア労働者を対象に調査を実施。回答を寄せた女性233名のうち、実に74%がセクハラを受けたことがあると答えた。また男性も15%が「ある」と回答した。「相談しても解決しない」「仕事に支障が出るかもしれない」「相談内容が他の人に漏れるかもしれない」などの不安により、多くの被害者が相談できず、心の傷をずっと一人で抱え込んでいることも浮かび上がった。

 精神的身体的負担の大きさから、加害者ではなく被害者が職場を去らなければならないという不条理をはらんだセクハラをはじめ、パワハラやマタハラなどを決して見過ごしてはならない。私たち自身がハラスメントの加害者にならないと誓うだけではなく、他者のハラスメントに勇気をもって注意を促し、誰もが働きやすい職場環境作りに労働組合が率先して取り組もう。
 今年6月のILO国際労働機関総会で「仕事の世界における暴力とハラスメント」根絶のための条約の採択準備がすすめられている。これまでの議論で「各加盟国は、仕事の世界における、性差に基づく暴力・ハラスメントを禁止するための国内法令を採択すべき」との文言を盛り込む方向だ。これに対し、日本政府は、態度を留保し、消極的な姿勢を示している。私たち民放労連は、ハラスメント根絶に向けたILOの方針に賛同するとともに、日本政府に早急な国内法整備を求める。

 右、決議する。


2019年1月27日
日本民間放送労働組合連合会 第128回臨時大会

民放労連第128回臨時大会「民主主義の基盤となる放送の価値を守り抜く決議」(2019年1月27日)

 放送番組基準は「政治に関しては公正な立場を守り、一党一派に偏らないように注意する」「広告は、真実を伝え、視聴者に利益をもたらすものでなければならない」「番組およびスポットの提供については、公正な自由競争に反する独占的利用を認めない」「事実を誇張して視聴者に過大評価させるものは取り扱わない」「広告は、たとえ事実であっても、他をひぼうし、または排斥、中傷してはならない」と規定している。
 安倍晋三首相が目指す改憲を国会が発議し、国民投票が実施されるにあたって、放送局がこうした基準をしっかり守る姿勢を示すことができれば、憂慮される事態―改憲勢力がカネの力で大量の意見表明CMを放送して、世論を改憲賛成に誘導するのではないかーに対し、有権者に有用な放送が実現できると信じる。

 2007年に成立した国民投票法は、国民投票運動を「憲法改正案に対し賛成又は反対の投票をし又はしないよう勧誘する行為」と定義している。そのうえで、主権者である国民一人ひとりが冷静な判断を行うために、国民投票運動CMは、投票期日前14日から投票日当日まで、放送を禁じられている。
 日本民間放送連盟(民放連)は、テレビ・ラジオでの「憲法改正に賛成です・反対です」との意見を表明する有料意見CMについても、投票期日前14日間は取り扱わないとの可能性を示唆している。
 憲法「改正」をめぐる今日の問題は、日本の民主主義の行く末に大きな影響を与えるだろう。各放送局は、有料意見CMの取り扱いについては国民の冷静な判断に資する自主基準を定め、日常の報道番組などにおいても積極的に改憲の問題を取り上げ、多様性多元性を確保して、さまざまな意見をできる限り紹介することが求められる。

 自民党は昨年12月、「総務省は、ローカル局の積極的な再編を促進するため、放送対象地域の拡大= 県域免許の見直しについて検討を行うこと」などを項目とする「放送法の改正に関する小委員会第二次提言」を打ち出した。放送局の経営効率化を狙ったこれまでの政策の延長線上にあるものと言えるが、地域が必要とする情報を確実に届けていくというローカル放送の役割が阻害されるのではないだろうか。

 昨年末に金沢市内で開催されたメディア総合研究所主催のシンポジウム「ローカル放送の未来を問う」では、地元の放送局から招いたパネリストが地域におけるジャーナリズムの確立のために奮闘している実状を語った。地域メディアとしてのローカル放送局はむしろ多発する災害等の放送即応対応など、地域密着型の必要性が高まっており、「積極的な再編」などで整理統合されるような存在では決してない。

 放送は戦後を通して、日本の民主主義の基盤を形成してきたとの自負がある。今こそ、放送・表現の自由を最大限に生かして、視聴者から信頼される放送を確立しよう。権力からの不当な圧力をはねのけて、放送の価値を守り抜こう。
 右、決議する。


2019年1月27日
日本民間放送労働組合連合会 第128回臨時大会

民放労連第128回臨時大会「憲法『改正』に反対し、平和と立憲主義を守る決議」(2019年1月27日)

 安倍晋三首相は、年頭記者会見で憲法に関する質問に対し「具体的な改正案を提示する」と、改めて憲法「改正」への強い意気込みを見せた。この発言に対しては、野党だけではなく、同じ与党の公明党や自民党内からも反対意見や慎重論が出ているが、立ち止まる気配は全くない。
 自民党がめざす改憲の基本は2012年に発表された自民党「憲法改正草案」であり、この草案を読み解くと、権力を規制するという立憲主義の本義から外れ、国民を統制し、国家に奉仕させようとする意図が浮かび上がってくる。

 また憲法施行70年にあたる一昨年の憲法記念日、改憲派による集会に安倍首相はビデオメッセージを寄せ「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む、という考え方、これは国民的な議論に値する」と述べた。「憲法学者の中に、自衛隊は違憲という議論があるから」「自衛隊は違憲かもしれないけれども、命を張って守ってくれというのは、あまりにも無責任」とその理由を示した。改憲賛成派のなかからは、「戦力不保持を定める2項を残したまま自衛隊の存在を明記することは自衛隊は軍隊ではないことを認めること」と否定的な意見もあるが、国民の理解を得やすい九条改憲案として歓迎する声が多い。
 一方、改憲反対派からは、「武力を行使できる自衛隊を明記することは、集団的自衛権を容認し、安保法制を整備した現在、一項の戦争放棄と二項の戦力不保持を死文化することにほかならない」などと明記論について強い懸念が示されている。

 昨年4月のNHKの世論調査によれば、改憲についての賛成と反対は2014年以降それぞれ30%前後で拮抗し、残りの約40%は態度を保留させている。さらに憲法9条に限れば、「評価する・ある程度評価する」が70%を占めた。自衛隊の明記論については、賛成が反対を上回るが「どちらともいえない」が最も多く、国民の理解が広がっているとはいえず、世論は九条改定に慎重な姿勢といえるだろう。何よりも「憲法改正よりもほかの問題を優先すべき」という意見が七割も占めることを安倍政権は尊重すべきだ。

 私たち民放労連は、立憲主義の否定、民主主義の形骸化、そして平和を脅かす改憲には強く反対するとともに、国家を優先し、個人の権利や表現の自由が制限される社会の到来を決して許すことはできない。
憲法12条が、自由と権利は「国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」と定めているとおり、民放労連に結集する私たちは、現憲法を尊重し、自由と平和、民主主義を守るための運動を続けることを、ここに宣言する。

 右、決議する。

2019年1月27日
日本民間放送労働組合連合会 第128回臨時大会

民放労連第128回臨時大会「『労働法制改悪』に反対する決議」(2019年1月27日)

 三菱電機では、2012年から2017年までの5年間に、実に5名もの社員が長時間労働を原因とする労災の認定を受け、うち2名が過労自殺に追い込まれていたことが昨年九月に明らかになった。また3名は、2004年に導入された裁量労働制のもとで働き、その犠牲者だったことがわかった。相次ぐ労災認定により、三菱電機は裁量労働制を廃止するしかなかった。

 昨年6月、過労死を促進する恐れがある残業代ゼロ制度「高度プロフェッショナル制度」が盛り込まれた「働き方改革関連法案」が通常国会で強行採決によって成立した。安倍政権はこの「働き方改革」関連法のもう一つの柱に裁量労働制の適用対象の拡大を盛り込む方針だったが、政府が用意した労働時間の比較データが『ねつ造』されたものだったことが発覚して、断念した経緯がある。
 
「裁量労働制の対象拡大については、法案の早期の再提出を期待する」との日本経団連会長のコメントに対応するかのように、政府は昨年9月に「裁量労働制実態調査に関する専門家検討会」を立ち上げ、法改正に向けて着々と歩を進めている。
 加えて、安倍政権は、事前に就業規則に定めておけば、労働者の解雇が裁判で不当と認定されても復職させることなく、金銭で解決できるという「解雇の金銭解決制度」法制化への意欲は衰えていない。判例によって積み上げられた「整理解雇の四要件」規制を根底から覆すものであり、企業にとって好ましくない労働者の排除や、事業に合わせた雇用調整手段として悪用される危険性が高く、「解雇を助長する」として、労働者側が議論の棚上げをはかってきたが、法整備に向けた検討会は続いており予断を許さない。

 「裁量労働制の対象拡大」と「解雇の金銭解決制度」は、「高度プロフェッショナル制度」とともに、労働者の人間らしく働き、生活する権利をはく奪するもので、法制化は絶対に許してはならない。
 すべての労働者の「いのちと健康」「雇用と生活」を守るために、労働法制改悪に断固反対の声を挙げ、ともにたたかおう。

 右、決議する。

2019年1月27日
   日本民間放送労働組合連合会 第128回臨時大会

民放労連第128回臨時大会「民放で働くすべての労働者の団結を呼びかける決議」(2019年1月27日)

 いわゆる非正規労働者の雇用不安を解消するとともに安心して働き続けることができることを目的に、改正労働契約法が施行されてまもなく6年となる。昨年4月には、5年を超えて有期雇用が反復更新された労働者には無期労働契約に転換できる権利が生じることになった。
  いくつかの放送局やプロダクション・関連会社では、有期雇用の労働者を無期へと転換する動きが見られ雇用不安の解消に前進したが、一方で、労働条件については正社員との格差が縮小したわけではない。

 「非正規という言葉を一掃することをめざす」として、政府は「働き方改革実現会議」を立ち上げ、昨年には「働き方改革関連法」が成立した。これにより、2020年4月から正規・非正規労働者間の不合理な待遇格差を解消する「同一労働同一賃金」が義務づけられる。
これを先取りするかたちで、ヤマト運輸は有期契約のドライバーの正社員化を発表。また高島屋などでは、非正規社員の賃金を、同じ条件で働く正社員と同等の水準に合わせる方針を明らかにしている。

 構内で働く多くの労働者の協力なしでは日々の放送活動が成り立たない放送産業にとっても「同一労働同一賃金」の実現は、目指すべき目標だ。昨春闘では、西日本映像労組の長年の要求に対して、「新たな採用についてはすべて正社員とする」と会社が回答し、格差是正を一歩前進させた。また昨年末闘争では、静岡朝日テレビ労組がアルバイトの昇給制導入を実現し、テレビ東京労組はキイ局としては初の企業内最賃協定締結を勝ち取った。格差是正を先進的に取り組んできた京都放送労組は、子会社の本社への統合を機に、構内労働者の労働条件改善の回答を引き出した。

 このように民放労連でも広がりつつある「同一労働同一賃金」に向けた動きをさらに大きく確実なものとするために、各組合が、放送局とプロダクション・関連会社、正社員とそれ以外の労働者の賃金・労働条件の格差を解消し、放送が魅力ある産業となるよう取り組んでいこう。放送業界が健全に発展していくためには、放送の将来を担う人材の確保が必要だ。残業代がなくては生活が困窮するような低賃金、睡眠や休みさえまともに取れない長時間労働が当たり前の産業に人は集まらない。若手の退職が増加している状況も、経営者は理解しているはずだ。

 2020年4月に施行される「同一労働同一賃金」を追い風にして、放送産業に働くすべての労働者が安全に、そして安心して働くことができる賃金と労働条件を実現し可視化することで、労働組合の役割と重要性についての認識を広げ、放送局構内で働くすべての労働者に労働組合への加入を呼びかけ、大きな団結をつくりだそう。
 右、決議する。

2019年1月27日
日本民間放送労働組合連合会 第128回臨時大会