民放労連からのメッセージ : 総務省へ「地デジ化対策」などで申し入れ(2月10日)
投稿日時: 2011-2-15 12:40:54 (1091 ヒット)

2月10日、民放労連は総務省に対し、「地デジ化対策」「放送局と番組制作プロダクションの取引適正化」「改正放送法の運用・整備」などについて申し入れを行った。以下、要請文


2011年2月10日
総務大臣
 片山 善博 殿

日本民間放送労働組合連合会
中央執行委員長 赤塚オホロ

要 請 書

 日頃の所管行政全般へのご努力に対し、心から敬意を表します。

 民放産業唯一の労働組合の連合体である私ども民放労連は、先月末に開催した第112回臨時大会において別紙の「『地デジ難民』を生まないために最大限の施策を求める決議」を採択しました。この決議で強調しているように、私どもは地上デジタル放送への移行予定を半年後に控えた現在、アナログ放送終了に向けたきめ細かな対策の拡大が緊急に講じられない限り、移行に際して大きな混乱が発生し、ひいては放送に対する視聴者・国民の信頼さえ失墜させることにもなりかねないと危惧しています。
 テレビ放送開始以来既に60年近くが経過し、今やテレビは国民の生活基盤を支えるインフラの一部であり、ライフラインの根幹を形成するメディアとなっています。アナログ放送の終了によってそのテレビの視聴機会を奪われるようなことが断じて起こってはなりません。貧困や格差社会の克服が国民的課題として大きく浮上している今日、デジタル化が経済的弱者や受信障害共聴世帯や共同住宅の未対応施設などを切り捨てておこなわれ、新たな格差の拡大につながる結果となっては国民から大きな反発を招くことになります。

 また放送番組の制作にはワーキングプアとも言うべき劣悪な労働条件で働く労働者が多数存在しています。放送局は2008年から2009年度にかけての営業収入の落ち込みに際して経費削減をよりいっそう強め、放送現場の労働環境はいよいよ厳しさを増しています。貴省は一昨年「放送コンテンツの製作取引適正化ガイドライン」を発表されましたが、このガイドラインが労働環境改善に効果をあげているとは到底言えないことは、民放労連が昨年メディア総合研究所と共同で昨年来実施している「番組製作の仕事に関するアンケート」の結果からも明らかであります。ガイドラインの実効性を確保する具体的措置が必要と考えます。違法派遣や偽装請負を放送現場から根絶するためにも、公正取引委員会や厚生労働省など関係省庁とも連係され、放送局とプロダクションとの取引適正化や放送産業の労働者を保護する施策を強化されるよう要請します。

 昨年11月26日、放送法改正案がほとんど国会での審議もなされないまま成立しました。「60年ぶりの大改正」とされる放送関係法案の全般的な見直しが、国民的議論がおこなわれることもなく実施されたことには驚きを禁じ得ません。
 「放送」の定義が必ずしも明確でないことや事業への業務停止命令など、貴省の放送への権限拡大とも受け取れる条項が含まれること、マスメディア集中排除原則についての今後の方向など、私たちはこれからの放送行政のあり方について少なからぬ懸念を抱かざるを得ません。
 前大臣自らが「言論の自由を守る砦」を作るためと実施された「今後のICT分野における国民の権利保障等の在り方を考えるフォーラム」での検討結果が、今後の行政にどのように反映されるのかも明確ではありません。

 貴省におかれましては、放送が国民の生活や民主主義の形成・発展に不可欠な存在であるという認識の下、以下の要請事項を真摯に受け止められ、今後の放送行政に反映されるよう切に要望する次第です。

要請事項
1.アナログ放送の終了に当たっては、テレビの視聴機会を奪われる世帯が出ることのないよう、きめ細かい対策を緊急に拡大すること。とくに自力ではデジタル放送受信環境の整備が困難な世帯への支援策を格段に強化すること。
1.受信障害対策や共同住宅の共聴設備の100%デジタル化を完了するための具体策を明示すること。
1.本年7月24日にアナログ放送を終了できることになるデジタル受信機普及率などの数値目標をその調査方法も含め事前に国民に提示して理解を得ること。
1.放送産業にワーキングプアと呼ばれる劣悪な労働条件がさらに拡大することのないよう、放送行政の立場からの対策を強化すること。「放送コンテンツの製作取引適正化ガイドライン」の順守状況を点検し、実効をあげるための具体的措置を公表すること。そのために民放労連ほか関係労働組合とも意見聴取や協議をおこなうこと。
1.携帯端末向けマルチメディア放送の本放送開始時期やチャンネルプランの具体化にあたっては、既存のラジオ媒体の運営に支障が生じることのないよう十分な配慮をすること。
1.既存ラジオ媒体の経営改善につながる媒体価値向上のための施策を検討すること。
1.「改正放送法」の運用にあたり、表現・言論の自由を守り、拡大していく方向で、省令や施行規則等を整備していくこと。
以 上

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