テレビユー山形で労働組合結成(8月22日)
山形県初の民放労組

 8月22日、テレビユー山形で労働組合が結成されました。結成大会は午後2時から上山温泉の三木屋旅館で開かれました。出席組合員は30名で、労連本部・東北地連・東京放送労組・毎日放送労組・東北放送労組・青森テレビ労組・テレビユー福島労組からお祝いに駆けつけました。
 大会では、結成に至る経過報告、規約の承認、役員の選出、運動方針と要求の採択、民放労連加盟の確認、ストライキ権の確立が行われ、結成宣言を採択しました。労連加盟の投票では賛成30、反対0、保留0で労連加盟が決まり、労連加盟141番目の組合となりました。
 初代委員長の佐藤義亀氏は、「ここに集まった皆さんの意思が一つになり、強力な力となって、これまで閉ざされていた重い扉が開かれました。節目の年に大きな意味を持つ一歩を踏み出すことができました。放送業界が激動の時代を迎えた今、お互いが協力し合い、より良い職場環境を築くと共に、県民から支持され愛されるテレビ局を目指して頑張りましょう。」と述べました。
 テレビユー山形はTBS系列の放送局で、1989年10月1日に山形では3番目の民放局として開局、今年10月に10周年を迎えます。デジタル放送時代を目前にして、放送局のあり方や労働環境の改善を求めて結成の気運が高まりました。
 組合は、8月23日早朝に会社側にあいさつを行い結成通知をするとともに、要求書の提出と団体交渉の申し入れを行い、活動を開始しました。8月23日朝の時点で加入組合員は43名で、組織対象者45名の95.5%となっています。
初代執行委員は、次のみなさんです。
 委員長   佐藤 義亀
 副委員長  大瀧 康伸
 副委員長  鈴木健一郎
 書記長   横井千代志
 執行委員  伊藤 和義
 執行委員  清原 康宏
 執行委員  陶山 英雄
 執行委員  太田 和宏


MIC長崎フォーラム開催(8月8日〜9日)

被爆から五四回目の夏を迎える長崎で、八月八日から九日の二日間『なくせニュークス‘99MIC長崎フォーラム』が開催され、一三四名が参加、民放労連は地元からの一五名を含む二九名が参加しました。今年のテーマは「検証・ガイドライン時代」で新ガイドライン、盗聴法、日の丸・君が代法、憲法調査会設置など「いつか来た道」へ逆戻りするかのような今の日本、私はこんなにも「悪法がスイスイ通る仕組」を知りたくて参加しました。
 一日目の基調講演は保坂展人衆議院議員が盗聴法をめぐる国会の緊迫した状況を自らもテレビ朝日の記者との会話を盗聴された事件の話をまじえながら熱弁。保坂さんの話を聞いて盗聴法がいかに人権侵害の危険な法律か鮮明になり、他の法案についても審議が充分されないまま強行採決される国会運営の異常さが恐ろしくなりました。
 パネルディスカッションでは地元長崎の原弁護士、原水禁佐世保理事長の山下氏を迎えて、「戦争を放棄した国」から「戦争をする国」に変えようとする動きに対して私たちはどう運動してゆくか討論されました。この日、アニメ映画『はとよ ひろしまの空』が上映され、短編ながらとても印象に残りました。
 二日目の八月九日は、長崎新聞社前を朝出発し、みんな汗びっしょりになって片足鳥居など被爆の跡を数ヵ所めぐり祈念式典会場の平和公園まで歩きました。 四五年前の長崎・広島が二度とあってはならない、平和が一番と心から思う二日間でした。(民放労連女性協書記長・川村 高子)


第89回定期大会、広島で開催(7月23日〜25日)

 民放労連第八九回定期大会は、七月二十三日から三日間、広島市広島プリンスホテルで開催。岩崎委員長の開会挨拶で大会の幕が開き、引き続いてMICの今井議長と全労連の寺間幹事から、熱い激励と連帯の言葉が贈られた。
 労連加盟は、この大会でテクノマックス労組、長野朝日放送労組、テレビ新潟労組が承認され、合計で一四〇となった。新加盟のテレビ新潟労組からは、報道デスクの小林剛さんの労災認定闘争が異例の早さで解決したこと、また、福井放送労組からも昇進差別の長期争議の解決が報告された。
 討議の中では、ベアゼロや定昇カットの経営側の不当な行為に対する各組合のとりくみ方が紹介された。一方、「能力」主義や「成果」主義の導入に対抗するため、現行の賃金のあり方を見なおし、新しい賃金闘争の方針を来春闘に向けてまとめることが確認された。
 静岡第一テレビで発覚したCM不正事件で、静岡第一テレビ労組から経過と現在のとりくみが報告された。CM不正が三たび明らかになったことで、この問題を民放業界全体の問題として捉え、徹底した再調査と再発防止作を各局に求めていくことを決めた。 
 例年よりテーマ数を増やした八つの課題別分散会でも、民放が抱える多様な問題について、活発な意見交換が行われた。三日間の白熱した討議を経て、最終日に労連本部提出の議案が一括採決され、全員の賛成によって可決された。九九年度役員の新委員長には日本テレビ労組出身の柴田吉彦氏が決定した。規約改正投票では、会費値上げ案を否決、壮年協議会設置に関する規約改正は成立した。
 最後に、十四本の決議を採択したあと、「デジタル化という先の見えない時代、視聴者とともに新しい放送を作り上げよう」という大会アピールを採択。平和の地、広島大会で、九九年度への第一歩を踏み出した。


定期大会での岩崎委員長開会あいさつ

 最近のテレビの話題は「サッチー」こと野村沙知代一色。放送局には視聴者から「いいかげんにしろ」という批判の電話がひきもきらない状態だが、毎分の視聴率を見るとスタッフも止めるに止められない悪循環に陥っている。一方、国会では周辺事態法や盗聴法など重要な法案が次々と通る。他にやらなければならないことがいっぱいあるが、数字のいいものに飛びつかざるを得ないこの構造をどうして打破できないのか、私たちは改めて議論を深める必要がある。
 さらに、一連の報道で問題なのは、野村沙知代さんを擁護することを許さない雰囲気があることだ。バッシングというやり方には、「横並び」報道以上に問題があるのではないだろうか。この国には本当に「表現の自由」があるのか、という根本的な疑問に突き当たる。憲法では表現の自由を保障している。私たちマスメディアの仕事は、表現の自由の保障なしには成立しない。そのメディア自身が、みずから表現の自由の原則を踏みにじるような一方的バッシングに明け暮れていることは、実に深刻な問題を含んでいる。
 日の丸君が代の法制化は、立法という圧力をもって、国民に日の丸君が代への忠誠を強制しようとするものだ。日の丸君が代をどう考えるかは、思想信条の自由だからここでは立ち入らない。問題は、政府の考え方を一方的に国民に強制しようとするやり方だ。これこそ日本のジャーナリズムがもっと重大な問題として受けとめ、大いに国民的議論を巻き起こすべきではないだろうか。
 史上最低のベアゼロ春闘を経験し、BS・地上波デジタル化を控えた状況は、これまでの常識が通用しない世界に入りつつあるのかもしれない。そういうときこそ、より多くの知恵を集めて新しい道を模索しなければならない。この大会でも議論を充実させ、激動の時代にふさわしい運動方針づくりに寄与していただきたい。


定期大会課題別分散会の報告

第1分散会・放送デジタル時代に放送局のあり方を問う
 デジタル化は不可避だが、二〇〇六年のローカルでの地上デジタル放送は進んでいない。設備投資が必要になっているので、政府の支援を求めるべきではないかという意見があった。デジタル化では、ソフト論と視聴者の問題が欠落している。民放ではジャーナリズムの視点をもって番組が作る人が少なくなっており、これが問題だ。系列を越えた番組や、キイ局に縛られたローカルではソフト制作力を向上できない。ネットワークシステムの見直しなどが必要だ。視聴者のニーズを大切にする視点が解決策になる。

◆第2分散会・子どもとテレビ、視聴者と放送の自由
 民放連とNHKが専門家会合のとりまとめで発表した提案について労連のとりくみについて議論し、検証した。各局では今のところ際立ったとりくみはない。問題点としては子ども番組の定義が明確でなく、番組の良し悪しの判断がつけにくい。また、青少年の年齢的な「くくり」もはっきりしていない。メディアリテラシーについては、メディアの内側を子どもに見せたらどうかという意見もあった。視聴者からのクレーム対応としては、読売テレビが問題となった番組ビデオを見る会を設けているので、各局で参考にしてはどうか。

◆第3分散会・民放労連の賃金闘争の課題
 今春闘ではベアゼロだけでなく、基準内賃金の基準外への移行や定昇カットの攻撃もあった。ベアゼロの理由は「支払い能力論」、売上減などだ。一時金は出せるが、ベアは長期的なもので、先行き不透明で「出せない」というものだった。組合の経営分析が必要だ。賃金論の原点に戻って考えるべきで、賃金体系についても組合が言及することが重要。たたかい方については、社のあり方を論議していくこと、会社がいやがることをやっていくことも方法だ。能力主義では、若年層でも、上司への不満が評価への不満となっている。

◆第四分散会・リストラ合理化/人員削減・分社化・出向攻撃とどうたたかうか
 本部から、日本の「リストラ合理化」の実例を紹介。TBS分社化による、関連会社などへの影響や、不透明なまま、進められようとしている現場の動きも報告。ほかに、STVラジオの制作部門切り離しや、ラ・テ兼営局でのラジオ軽視がいっそう強まっている状況、ラジオ単営局での人員削減の動きも、リアルに報告。キイ・準キイ局の部門切り離しや関連会社再編の状況と、出向協定や「合理化事前協議協定要求」の解説があった。労働組合として、リストラ合理化に対し、視聴者・聴取者との関連と、放送局や関連プロダクションのあり方との関連でとらえていく必要性が強調され、労働組合の政策立案能力や提言要求の課題が提起された。

◆第5分散会・CM不正事件と民放の放送倫理を問う
 最初に本部からCM不正の犯罪性の正確な認識と組合員レベルでもこの問題について倫理が鈍磨していることへの反省を促す提起があり、続いて静岡第一テレビで調査委員会のメンバーであった同労組の中野書記長が不正事件の経過と現状を報告した。参加者からも、スポット単価や収容本数と関係なく設定される売上予算の重圧や、東京支社における放送局と代理店の力関係など、タブーとされがちな問題についても率直な報告があいついだ。最後に不正の土壌となる「悪しき企業主義」を廃するためにも、労働組合の役割の重要性を確認した。

◆第6分散会・関連労組の課題、個人加盟の確立、放送制作労働者の組織化にどうとりくむか
 関連労働者の組織化は、局労組に加盟して支部とする、単組として立ちあげる、放送スタッフユニオンに加盟する、という三つの方法がある。特に派遣社員や数が少ない場合は三番目のケースが組織化への第一歩としてとりくみやすい。アルバイトや派遣社員の労働条件を改善しようとすると、局労組の組合員の中から反対意見がでたり、スト活動はお互いの利害が絡み合う為どう働きかけていけばいいのか難しいという悩みも出された。「組織化によって関連会社間の労働条件切り下げ競走による潰し合いを防ぐことができる。その為にも、個人加入者を含めた組合の組織を強化していくことが大切」という話しで意欲を新たにできた。

◆第7分散会・放送ジャーナリズムを考える
 日の丸君が代をめぐって広島の校長が自殺した事件の背景が伝えられていない。ニュースを映像で扱う場合、その部分だけが一人歩きして、本質的なところが伝えられにくい。放送ジャーナリズムを考える場合、営業・編成との関係があり営業からの圧力もある。企業ジャーナリズムの世界で自社の不祥事を扱うのにバラツキがあり、自分の首を締めてしまうこともある。毅然とした姿勢で臨むことが重要だ。近畿の報道は被害者も配慮して地元に密着しているが、その分、客観性に乏しいのではないか、人員が少なく局の中でジャーナリズム教育ができていない、報道が専門職として確立していない、報道に限らず放送人としてジャーナリズム意識を持つべきだ、などの意見が出された。

◆第8分散会・民放労働運動の次代を担う民放青年運動の構築をめざして
 青年協議会の設立が提案されているが、青年は仕事が忙しいため活動に参加できていないのが現状だ。Y&Yフォーラム、青年集会の年二回のイベントがあるが、もっと横のネットワークを作っていくという提案に対して、組織を作っても続くのか、いまやっている活動でよいのではないかという意見もでた。若者は現状を知らないから危機感を持たない。勉強の場、議論の場としての青年協にしたい。横の情報を交換できる場を提供し、未組織との交流をはかるためにも青年協は有効ではないか。


ラジオ福島労組が「初スト」(8月4日)

 八月四日、ラジオ福島労組は、夏季一時金の大幅カットなどに抗議して、全面ストライキを行った。ラジオ福島の会社は一九五三年(昭和二八年)に設立したラジオ単営局で、二年前に小針前社長の退任で役員の刷新をはかり、福島民報社、毎日新聞社、福島県らが大株主になった。しかし、昨年秋から新役員の下で、「営収落ち込み」を理由に、年末一時金を前年比二〇%カット、時間外手当月二〇時間打ち切りなどの人件費削減攻撃を行ってきた。さらに今年の夏季一時金は、前年比四〇%カットという生活破壊の賃金切り下げ回答を示してきた。これに対し、組合は再回答を求めたが会社は拒否。このため、組合は全面ストで抗議した。 ストは三〇分だったが組合員はみんな初体験で、きめ細かなスト体制をとって「初スト」にのぞんだ。組合はカットの撤廃と労基法違反是正を要求して、たたかいを続けている。