声明・報告

民放労連 第123回定期大会 決議1「組織を拡大し、民放で働くすべての労働者の団結を呼びかける決議」

組織を拡大し、民放で働くすべての労働者の団結を呼びかける決議

【提案 労連本部】

依然として日本の労働者の非正規労働者が増大し続けている。一方で外国人労働者が大都市のみならず、全国で拡大し続け、コンビニや外食産業には、店長のみが日本人という店もある。一体、日本の若者は、どこに行ったのか?

中国は、二〇一五年になって、三六年間実施してきた「一人っ子政策」の廃止を発表した。農家では、子供が親より先に亡くなってしまうと後継ぎがいなくなり、年老いた両親は明日の糧さえ得ることが出来なくなるという厳しい現実が生まれている。

一方、私たちの社会も「少子化」を止めることが出来るのだろうか。労働者の賃金を抑えることで、企業が存立するという社会をこのまま突き進むのであれば、そのしっぺ返しが来るのは、遠い未来のことではない。

人手不足という問題もある。放送で働く人たちは、それぞれの「職能」により、技術を培い、経験を積み「番組」という「製品」に仕上げるシステムをもっているが、これ以上、「安価な労働力」に頼っていては、人材を育てるシステムが崩壊し、気が付けば「誰もいなくなった」ということになる。

民放労連に寄せられる労働相談では、過労死の認定基準を超える長時間労働と低賃金、さらには休日や有給休暇の取得もままならず、ストレスによる心や身体の健康被害を訴える人もいる。こうした相談は、非正規労働者だけに限ったことではない。このままでは、「正社員は守られている」という時代も終わる。

「人件費の削減」「番組制作費のカット」などの経営戦略によって、結果、「余裕のない働き方」が、この業界に蔓延してきた。私たちは、いかにして、この状況を打破できるのかを真剣に考えなければならない。

では、どうするか。答えは、労働組合を強くすることである。正規雇用の社員への組合加入を強く働きかけ、私たちの周りで、一緒になって「放送」のために働くスタッフ、構内労働者を組合に加入させることである。「企業内労働組合」の殻を破り、放送で働くすべての労働者のための労働組合「民放労連」を目指そう。

二期目に入った「構内労働者プロジェクトⅡ」の運動をさらに前進させ、民放産業内の差別や格差の解消につながる真の待遇改善と、労働組合への組織化を進めていこう。

民放労連未加盟の単組には、民放労連加盟を呼びかけ、まだ組合に入っていない従業員や非正規労働者に組合加入を呼びかけ、「生活の向上・安定」と「よりよい放送の未来」のために団結しよう。

右、決議する。

二〇一六年七月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二三回定期大会

民放労連 第123回定期大会 大会アピール

大会アピール

平和憲法の改悪が現実味を帯びてきた。七月一○日に行われた参議院選挙で、非改選議席を合わせた「改憲勢力」が三分の二を超える事態となった。衆参両院で「改憲勢力」が三分の二を超えたのは戦後初。安倍政権が「戦争できる国づくり」を加速させようとしているこの夏、私たちは、立憲主義に基づく平和を堅持し表現の自由と放送労働者の生活を守るため、二五年間をかけて昨年、再建を達成した京都放送労組の地元、京都に結集した。

生活が少しも楽にならない。厚生労働省が七月一二日に発表した二〇一五年の国民生活基礎調査で、生活が「苦しい」と回答した世帯が60・3パーセントに上り、高止まりが続いている。そのような中でも、民放労連の16春闘でベアを獲得した組合は二六組合三支部一分会となり、ベア春闘の流れは確実に成果を上げている。また、構内スタッフへの要求組合は過去最多となり、回答も三九組合一支部。要求に団結した成果だ。私たちは生活を再建し放送を守るため、新年度も組合員のベースアップと年収増、それに構内で働くすべての人たちの労働条件を改善していくため、たたかいをいっそう強化して行くことを決めた。

会社更生法から二一年、再建を果たした京都放送労組は、この間も組織拡大と労働者の仕事と生活を守り続け、今また佐藤典子組合員の直用化を求める新たなたたかいの中で、労働組合の役割をさらに発展させている。組織を拡大することこそが経営者との力関係を優位にし、要求を実現する原動力であることを、ここ京都で再確認した。

今大会で私たちは、放送局構内で働くすべての仲間の賃金・労働条件を向上させるために取り組んでいる「構内労働者プロジェクトⅡ」を核に、再び「一万人の民放労連」をめざすことをあらためて決意した。企業内組合からの脱皮を図りながら、成果を広げつつある構内労働者の待遇改善や慰労金支給の取り組みを強め、労働組合への結集を呼びかけていく。また、企業内最賃協定の締結を、春闘・年末闘争を問わず、すべての単組で要求していくことをめざす。

安倍政権は、数の力を背景に経営側の意に沿い、労働時間・休日などを労働基準法の枠外に置く「高度プロフェッショナル制度」や「企画業務型裁量労働制」に営業職を入れることなどを画策している。長時間労働によって、過労死やうつになっても「自己責任だ」と言わんばかりの悪法の成立を、絶対に許してはならない。

今回の参院選で私たちは改憲勢力の拡大を止められなかった。憲法改正をめぐる議論が徹底的に参院選の争点から隠され、「テレビはなぜ、選挙期間中に争点をもっと報道しないのか」と視聴者から批判を受けた。安倍政権によるマスコミへの介入と懐柔がさらに進んだと見られているのではないか。
公職選挙法一四八条は、「選挙運動の制限に関する規定は、報道及び評論の自由を妨げるものではない」と規定している。放送局経営者は、自粛・萎縮したと批判を受けるような報道姿勢を率直に反省すべきだ。私たちは今こそ国民の知る権利に応え、放送への信頼を取り戻さなければならない。すべての放送労働者の団結で、平和な社会と放送の未来を創り出そう!

二〇一六年七月三一日
日本民間放送労働組合連合会 第一二三回定期大会

総務省に「要請書」提出 2016年2月16日

総務大臣 高市 早苗 殿

2016年2月16日

 

日本民間放送労働組合連合会

中央執行委員長 赤塚オホロ

要 請 書

日頃の所管行政全般へのご努力に対し、敬意を表します。

高市早苗総務相は衆院予算委員会で、政治的公平が疑われる放送が行われたと判断した場合、その放送局に対して「放送法の規定を順守しない場合は行政指導を行う場合もある」としたうえで「行政指導しても全く改善されず、公共の電波を使って繰り返される場合、それに対して何の対応もしないと約束するわけにいかない」などと述べ、放送法4条違反を理由に電波法76条に基づいて電波停止を命じる可能性に繰り返し言及しました。大多数の研究者・専門家は「番組内容に関する規律は放送事業者の自律に基づくべきで、番組編集準則違反を理由に電波法の無線局の運用停止や放送法の業務停止などの行政処分を行うことは憲法上許されない」との意見ですが、電波法の停波規定まで持ち出して放送番組の内容に政府が介入しようとする大臣の発言は、放送局に対する恫喝に他ならず、憲法が保障する表現の自由、放送法が保障する番組編集の自由に照らして明らかな法解釈の誤りです。私たちは大臣発言の速やかな撤回を求めます。

昨年来、自民党による放送局幹部を呼びつけての事情聴取など、政権政党による放送への介入と言わざるを得ない事態も続発しています。これは放送法第3条「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」に明確に違反する行為であり、貴省としてもこうした行為には厳重な対応が必要だと考えます。また、NHK番組の「やらせ」疑惑を理由とした貴省による行政指導も行われています。放送局への政府の許認可権限を背景に行われるこうした行為は番組制作への萎縮効果を招き、放送の自律を揺るがせる重大な問題だと考えます。

私たちは、こうした事態は日本における「放送の自立・自律」が真の意味で確立していないことの表れだと考えます。この機会に、独立行政機関の設置を含む放送行政・放送免許制度の根幹からの見直しを訴えます。

昨年設置された貴省の「放送を巡る諸課題に関する検討会」では、インターネット時代の地上波放送局の「生き残り戦略」をめぐる議論が行われているとのことですが、改正放送法により「放送番組の同一化による番組制作費の削減」など放送局の事業再編を促すような環境がすでに整備されています。このような規制緩和はローカル放送局の番組制作機能を縮小させることにつながりかねず、地域における放送局の存在意義を大きく損なう恐れが強まることを意味します。すでに「認定放送持株会社制度」の導入など、ただでさえ東京キイ局への一極集中がこれまで以上に進行させる制度づくりがおこなわれている中で、地域における放送局の存在意義が損なわれることになれば、かえって民放系列ネットワーク全体の総合力を低下させ、放送の社会的使命を十分果たせなくなる恐れもあると、私たちは憂慮します。

安倍内閣は「憲法改正」について今国会でも強い意欲を見せていますが、改憲手続法(憲法改正国民投票法)は、国会議員が構成する「広報協議会」が政党による有料・無料の意見広告を取り仕切ること、政党の意見は「そのまま放送しなければならない」としていること、投票期日前14日間は有料意見広告を禁止していることなど、放送における表現の自由の観点からみて極めて重大な問題が十分審議されないまま、2007年に成立した経緯があります。こうした問題点を慎重に再検討することなく、憲法改正の具体的な手続きに入ることは許されません。

また、多くの市民や専門家、さらに国際団体なども強い懸念・反対を表明した特定秘密保護法が全面施行されています。膨大な行政情報を、客観的なチェックもないままに事実上永久に「秘密」として指定し、秘密を漏えいした者には厳罰を科すもので、報道関係者をはじめ秘密にアプローチしようとする者も処罰の対象としていることは表現・報道の自由に実質的な制限を加えるものです。報道機関で働く私たちは、同法の停止・法律の廃止を強く求めています。

貴省は「4K・8K」テレビを「次世代の高画質放送」と位置付けて、産業競争力向上の観点から積極的に推進する姿勢です。ようやくデジタル放送への切り替えが完了したという時期に、また次の新技術で家電製品の需要を喚起しようとしても、視聴者の理解は得られないと考えます。衛星放送などで4K・8K放送が本格的に開始されようとしていますが、私たちは4K・8Kについて視聴者に新たな負担増を課すような過剰な推進策を取らないことを求めます。

放送番組の制作現場では、極めて劣悪な労働条件で働かざるをえない労働者が多数存在している状態が、いっこうに改善されていません。それどころか、この間、放送局が推し進めてきた経費削減策が現場の労働者をいっそう疲弊させています。貴省は2009年に「放送コンテンツの製作取引適正化ガイドライン」を公表しましたが、このガイドラインが放送現場の労働環境改善に十分な効果をあげているとは到底言えないことは、貴省自身が行っているフォローアップ調査からも明らかです。大きな社会問題となった違法派遣や偽装請負を放送現場から根絶するためにも、ガイドラインの実効性を確保する具体的かつ追加的なフォローアップが必要だと考えます。その上で、公正取引委員会や厚生労働省など関係省庁とも連係され、放送局とプロダクションとの取引適正化や放送現場の労働環境を改善する施策を強化されるよう要請します。

ラジオは、震災に際してはきめ細かな情報を聴取者に提供して、その存在価値が見直されました。しかし、各地のラジオ局は経営環境の厳しさから存亡の危機に立たされていると言っても過言ではありません。難聴対策としてのAMラジオのFM補完も始まりましたが、聴取者の利益を念頭に、単なる経営効率化に留まらない、ラジオの媒体価値向上や経営の安定につながる行政的施策を早急に検討するよう、要請します。

 

貴省におかれましては、放送が国民生活や民主主義の発展に不可欠な存在であるという認識の下、以下の要請事項を真摯に受け止められ、今後の放送行政に反映されるよう切に要望する次第です。

 

要請事項

1.番組の「政治的公平」を理由として、放送局の停波にまで言及した大臣発言を速やかに撤回する こと。

1.放送の独立行政機関の設置をはじめとする放送制度・放送行政の抜本的見直しを検討すること。

1.放送局の番組制作力の低下につながるような放送局の事業再編を推進しないこと。

1.番組内容の問題を理由とした「厳重注意」などの行政指導は、放送局に萎縮効果をもたらし、表現の 自由に深刻な影響を与えることから、行わないこと。

1.「改憲手続法」における放送メディアの取り扱いについて、憲法・放送法が保障する表現の自由・ 放送の自由の観点から慎重に見直し、放送の公平・公正が担保される措置を具体的に検討すること。 その際、放送事業者や放送労働者の意見を積極的に聴取すること。

1.4K・8K放送の推進については、国民的合意を図りながら慎重に進めること。

1.「放送コンテンツの製作取引適正化ガイドライン」の遵守状況を定期的に点検・調査してその結果 を公表し、実効をあげるための具体的かつ追加的なフォローアップを早急に実施すること。放送局 と番組制作会社との取引の問題について、民放労連や関係する労働組合との意見交換の機会を設け ること。

1.既存ラジオ媒体の経営改善につながる媒体価値向上や経営安定のための施策を検討・実施すること。

 

以 上

【民放労連声明】高市総務相の「停波発言」に抗議し、その撤回を求める

民放労連声明

高市総務相の「停波発言」に抗議し、その撤回を求める

2016年2月10日

日本民間放送労働組合連合会

中央執行委員長 赤塚オホロ

 

高市早苗総務相は2月8日の衆院予算委員会で、政治的公平が疑われる放送が行われたと判断した場合、その放送局に対して「放送法の規定を順守しない場合は行政指導を行う場合もある」としたうえで「行政指導しても全く改善されず、公共の電波を使って繰り返される場合、それに対して何の対応もしないと約束するわけにいかない」と述べ、放送法4条違反を理由に電波法76条に基づいて電波停止を命じる可能性に言及した。昨日の同委員会でも「法律に規定された罰則規定を一切適用しないとは担保できない」と、再び電波停止の可能性を答弁したと伝えられる。

昨年来、安倍首相をはじめ閣僚や自民党首脳などから、「政治的に公平であること」などをうたう放送法4条の「番組編集準則」を根拠に、放送局に対して行政指導を行うことを正当化する発言が相次いでいる。しかし、大多数の研究者・専門家は「番組内容に関する規律は放送事業者の自律に基づくべきで、番組編集準則違反に対して電波法の無線局の運用停止や放送法の業務停止などの行政処分を行うことは表現の自由を保障する憲法上許されない」との意見であり、こうした見解はBPOの意見書や国会の参考人招致などで繰り返し表明されている。現に、番組内容を理由に政府・総務省が放送局に対して不利益となる処分を行ったことはこれまで一件もない。

それを、電波法の停波規定まで持ち出して放送番組の内容に介入しようとするのは、放送局に対する威嚇・恫喝以外の何ものでもない。憲法が保障する表現の自由、放送法が保障する番組編集の自由に照らして、今回の高市総務相の発言は明らかな法解釈の誤りであり、速やかな撤回を求める。高市総務相は昨年11月の衆院予算委員会(閉会中審査)でも放送法174条の業務停止条項に言及しているが、この条文は地上波放送局(特定地上基幹放送事業者)には適用されないことが同法に明記されており、法解釈の意図的な曲解と言わざるを得ない。民主主義のもっとも重要な基盤と言うべき表現の自由に係って、まともな法解釈ができない政治家であるなら大臣を務める資格はなく、私たちは高市大臣が自ら進退を明らかにされることを求める。

今回のような言動が政権担当者から繰り返されるのは、マスメディア、とくに当事者である放送局から正当な反論・批判が行われていないことにも一因がある。放送局は毅然とした態度でこうした発言の誤りを正すべきだ。また、このような放送局への威嚇が機能してしまうのは、先進諸国では例外的な直接免許制による放送行政が続いていることが背景となっている。この機会に、放送制度の抜本的な見直しも求めたい。

 

以 上

民放労連第122回臨時大会 決議5 世界一危険な普天間飛行場の無条件撤去を求め、辺野古の新基地建設に反対する決議

世界一危険な普天間飛行場の無条件撤去を求め、

辺野古の新基地建設に反対する決議

仲井眞前沖縄県知事が二〇一三年一二月、公約を撤回して沿岸埋め立てを容認して以降、政府はここぞとばかりに名護市辺野古での新基地建設を進めている。米海兵隊キャンプシュワブのゲート前では本土から派遣された機動隊員により、また海上では海上保安庁の保安官により、反対住民の強制排除が過激さを増し、けが人が続出している。暴力によらない正当な抗議行動に対し、政府はますます圧力を強めている。

ここ数年、沖縄県内における選挙では、基地建設反対の公約を掲げる候補者が当選を続けている。一昨年の衆院選では「辺野古新基地建設反対」を公約に掲げて当選しながら、ただちにその公約を覆した現職議員をすべて選挙区落選に追い込んだ。これは明らかな県民の怒りの表れであり、新基地建設反対という大きな「民意」である。しかし、政府は「沖縄県民に寄り添う」と言いながら、この「民意」には一切耳も貸さず、辺野古新基地建設を強行している。

そのような状況下で行われた、今年一月の普天間基地を抱える宜野湾市長選挙。「オール沖縄」の支援を受け、辺野古新基地建設反対を訴える志村候補と、基地問題には一切触れず普天間基地の危険性除去だけを訴えた現職の佐喜眞候補との一騎打ちとなった結果、政府の強力な後押しを受けた佐喜眞氏が勝利した。政府は「宜野湾市民は辺野古基地容認」と受け止め、菅官房長官に至っては「オール沖縄は実態とかけ離れている」と述べている。

しかし、市長選において琉球新報と毎日新聞、共同通信が実施した出口調査では、政府の辺野古新基地建設の評価は五四・九%もの市民が支持しないと答え、支持するとした人は三三・八%にとどまった。つまり、宜野湾市民の「民意」もはっきり「新基地建設反対」なのである。これまで沖縄県民が選挙を通して示し続けた「民意」は無視し、今回の宜野湾市長選のような、自分たちの都合のいい「民意」は持ち上げるという政府のやり方は、「民意」を都合良く使い分ける偽善としか言いようがない。

名護市辺野古への新基地建設をめぐっては、翁長雄志沖縄県知事の辺野古埋め立て承認取り消し処分の取り消しを求めて国土交通相が提起した代執行訴訟も行われている。裁判で沖縄県は「国がまるで一国民であるという立場で、沖縄県知事の行政権限を奪う主体になることは無理がある」と違法性を主張している。憲法が保障する地方自治の原則を踏みにじる政府とは一体何なのか。

もともと国土面積の〇・六%しかない沖縄県に在日米軍専用施設の七三・八%が集中しているという現状こそ、沖縄に対する差別構造そのものではないか。その上さらに辺野古の美しい海に新基地を建設する道理はない。しかし、沖縄県内のメディアがいくら力をこめて主張しても、本土の人々にその声はなかなか届かない。私たち全国のメディアに働く者の間にも、無意識の差別感が蔓延していないだろうか。そして、これは沖縄という一地方の問題ではなく、日米外交の問題であり日本国民全体の問題に他ならないことも、私たちは強く意識しなければならない。

私たち民放労連は、沖縄県民の闘いと連携するとともに、政府によって都合良く葬られようとする真の「沖縄県民の民意」を全国に発信し、米軍が恒久的に存在し、戦争の装置としての辺野古新基地建設に反対することを、ここに決議する。

二〇一六年一月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二二回臨時大会

民放労連第122回臨時大会 決議4 政治圧力に屈することなく、放送における表現の自由を守りぬく決議

政治圧力に屈することなく、放送における表現の自由を守りぬく決議

日本国憲法の平和主義を揺るがす「安保関連法制」が成立してしまった二〇一五年。テレビ・ラジオなど日本のマスメディアは、報道機関としての権力監視機能を十分発揮できたと言えるだろうか。連日、国会前で繰り広げられた法案反対の声をていねいに紹介したニュース番組もあったが、法案審議に待ったをかけるような鋭いスクープ報道は、残念ながらほとんどなかったと言わざるを得ない。

そこには、政治圧力による報道の萎縮や自己規制が、なかっただろうか。

一昨年の総選挙の直前、自民党から在京キイ各局に、選挙期間中の報道番組の「公平中立」を求める「要請」が手渡された後、各局の報道番組から街頭インタビューがほぼ見られなくなった。番組不祥事を理由に、自民党が放送局の幹部を呼びつけて事情聴取する、ということも行われた。番組内容を理由とした、総務省による放送局への行政指導も「復活」した。また昨年一一月には、市民団体によるアピールの形を取りながら、キャスターの発言のごく一部を挙げて「放送法違反」と断じ、政府に対して規制強化を求める意見広告も、新聞に掲載された。

「放送番組編集の自由」を基本とする放送法が、その自由を抑制するために利用されるのは、まったく倒錯した事態ではないだろうか。放送法第三条に「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」とあるとおり、放送に不当な圧力をかけることこそ、放送法違反として責任を問われなければならない。

放送倫理・番組向上機構(BPO)の意見書に、自民党らによる放送局への恫喝のような言動を厳しく諌める指摘があったが、肝心の放送事業者は、放送の自由を守る気概を自ら示しているとは言えない。首相と会食を重ねる放送局幹部の存在も指摘され、市民からは権力との癒着が懸念されている。圧力に対し毅然とした態度を取ろうとしない放送局経営者に、その姿勢を早急に正すことを、私たちは強く求める。

放送法第一条には「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」「放送に携わる者の職責を明らかにすることによって、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」とある。これは放送事業者のみならず、政府や国民がともに実現すべき放送の公共的価値を謳ったものだ。私たち放送労働者も、理不尽な政治圧力に屈することなく、国民の「知る権利」に応え、放送における表現の自由を守りぬくために、よりいっそう奮闘することを誓う。

右、決議する。

二〇一六年一月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二二回臨時大会

民放労連第122回臨時大会 決議3 立憲主義の否定を許さず、憲法の理念実現のための不断の努力を宣言する決議

立憲主義の否定を許さず、

憲法の理念実現のための不断の努力を宣言する決議

 

参院選を控えた今年、安倍晋三首相は、改憲勢力で参院の三分の二を占めることに、年初より強い意欲を示している。夏の参院選で改憲を是とする勢力が八〇議席程度を得れば、自公連立で三分の二を確保している衆院と合わせ、憲法改正の発議が可能となる。

安倍首相は、有事や災害などの緊急時に、首相が法律と同等の政令を制定し、国民の権利を制限できる緊急事態条項の創設などを突破口に、国民が受け入れやすいところから着手し、改憲の実績を作る方針だ。安倍首相が執念を燃やす「憲法改正」の真の意図が、憲法の性格を国家権力を拘束するものから国民を拘束するものへと変え、基本的人権に制限を加えようというものであるからだ。

二〇一二年に発表された自民党の憲法改正草案は、現憲法の「公共の福祉」に代えて「公益及び公の秩序」にすべて置き換え、国民の自由および権利の範囲を解釈次第でいくらでも制限できる可能性を条文全体で実現しようとしている。

去年九月、自民党政権は、世論の過半数が反対し、憲法学者の圧倒的多数が「憲法に違反する」と声を上げるのを無視し、集団的自衛権を行使して海外の戦争に日本が荷担することを可能にする「戦争法(安保関連法)」を、強行採決によって成立させた。憲法を守らない首相が、今度は自らの意に沿う憲法に変えようとする。このような暴挙を断じて許してはならない。

私たち民放労連は、立憲主義をないがしろにし、国家のために個人の権利を制限し、海外での武力行使を認めようとする「憲法改正」には、断固反対する。

憲法第十二条は、私たちが手にする自由及び権利は、「国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」と定め、自由と平和を守るための努力を要請している。この要請に今こそ応えよう。現憲法を尊重維持し、それを活かして行くために運動を続けることを、私たちはここに宣言する。

右、決議する。

二〇一六年一月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二二回臨時大会

民放労連第122回臨時大会 決議2 安倍政権のさらなる労働法制改悪に反対する決議

安倍政権のさらなる労働法制改悪に反対する決議

昨年九月、過去二度も廃案となった労働者派遣法の「改正」が強行され、安倍政権による労働法制の大改悪がさらに推し進められることとなった。

この「改正」派遣法は、派遣労働を無期限に使い続けることも可能にする法であり、多くの反対の声を無視して強行採決した安倍政権を断じて許すことはできない。この法「改正」により大きな影響を受けるのが、放送局の中にも多い、その専門性ゆえに期間制限のなかった「専門二六業務」で働く派遣労働者であり、今回この枠が取り払われることで、それ以外の労働者と同じく原則として同じ職場では三年までしか働けなくなる。確かに、「改正」法によって雇用安定措置やキャリアアップ措置は義務付けられたが、実際には派遣先への正社員化や直接雇用を促進する実効性はなんら保障されていない。加えて今回の「改正」法によって、厳密には二六業務に該当しないのに三年を超えて派遣スタッフとして働いていた労働者への「期間制限違反の場合の労働契約申込みみなし制度」が有名無実化されたことで、多数の派遣労働者から直接雇用化や正社員化の可能性を奪っている。現在、日本の非正規労働者は二千万人を超え、労働者全体の四割近くに達しようとしているにも関わらず、正社員の仕事が派遣労働に取って替わられるのを防ぐ「常用代替の防止」という派遣法の基本原則が事実上撤廃され、雇用が不安定な労働者は益々増えることになるであろう。

さらに安倍政権は今後、労働時間法制についての「改悪」や解雇の金銭解決制度の導入をも強行しようとしている。

「残業代ゼロ法案」と批判される労働基準法「改正」案における、高度プロフェッショナル制度は、労働時間規制を一切なくし、残業代や休日・深夜の割増賃金の不払いを合法化するものであり、また現状のフレックスタイム制や企画業務型裁量労働制の制度改変は、長時間労働や不払い残業を増大させるだけであり、雇用の在り方を根本から変えていく危険性が高い。また、雇用の金銭解決についても、たとえ裁判により解雇無効を勝ち取ったとしても、金銭さえ支払えば労働者を会社から排除できる手段を経営側に与えるもので、弱者である労働者は物言えぬ立場に追い込まれ、雇用と労働条件がますます悪化していくことになるであろう。

民放労連は、安倍政権の進める労働法制の大改悪に反対し、労働者の権利と放送の未来のためになお一層奮闘する決意である。

右、決議する。

二〇一六年一月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二二回臨時大会

民放労連第122回臨時大会 決議1

組織を拡大し、民放で働くすべての労働者の団結を呼びかける決議

昨年十一月の厚生労働省の「就業形態の多様化に関する総合実態調査」によると、全雇用者に占める非正規雇用者の割合が初めて四割を超えたという。

私たちの放送産業でも、放送局構内で働く非正規労働者は番組制作現場のみならずあらゆる職場に存在し、その数はさらに増加している。

民放労連に寄せられる労働相談では、健康被害をもたらすような長時間労働と低賃金、さらには休日さえまともに取れず、パワハラやセクハラが横行する、劣悪な条件での労働を強いられている実態も浮かび上がっている。

さらに昨年九月三十日から施行された「改正」労働者派遣法では、放送局で働く派遣労働者の多くが該当する専門二六業務の期間制限からの除外規定が撤廃され、派遣元での無期雇用か、派遣先での直接雇用とならない限り、同一業務での派遣期間が最長三年となり、それ以上仕事を続けることができなくなるおそれが出てきている。

労働基準法第一条には「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」と定めているが、すべての民放労働者に「人たるに値する生活」が保障されているだろうか。

同じ放送産業に働き、同じ職場で日々の放送を支え、同じ番組を制作する仲間の中に、労働条件が劣悪で、将来の雇用までが不安定な仲間がいることを、これ以上放置することはできない。

私たちは一六春闘で、構内で働くすべての労働者の待遇改善を図るため、最低賃金協定締結と慰労金五万円以上の支給を、民放労連の統一要求として掲げることを決めた。民放労連が進めているすべての構内労働者の組織化をめざす「構内労働者プロジェクトⅡ」の運動をさらに前進させ、民放産業内の差別や格差の解消につながる真の待遇改善と、労働組合への組織化を進めていこう。

一六春闘の開始にあたり、沖縄地連から嬉しい知らせが届いた。昨年六月の琉球トラスト労組の結成・加盟に続き、これまで民放労連に加盟していなかった「RBCビジョン労組」が、年明けの一月七日の臨時大会で加盟を決定した。「一万人の民放労連」をめざし、民放労連加盟の組合員が、構内で働くすべての労働者に組合への参加を呼びかけ、「生活の向上・安定」と「よりよい放送の未来」のために団結しよう。

右、決議する。

二〇一六年一月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二二回臨時大会

 

民放労連 第122回臨時大会 大会アピール

大会アピール

報道機関は安倍政権からの圧力や介入に委縮し、真実を伝えることに腰が引けているのではないか。「番組や紙面には知りたいことが出ていない」という、少なからぬ国民からの批判の声が高まる中、私たちは東京・両国で開かれた民放労連第一二二回臨時大会に集まった。

安倍政権や与党自民党によるメディア攻撃が止まらない。朝日新聞に始まり、NHK、テレビ朝日、琉球新報・沖縄タイムス、そしてTBS。去年一一月、番組で安保関連法に批判的姿勢を示した『NEWS23』のアンカーマン岸井成格氏を放送法四条違反と名指しで攻撃する「市民団体」の全面意見広告が一部の新聞に掲載された。意見は放送法本来の趣旨を理解していない的外れの内容で、戦争法(安保関連法)の違憲性を国民に伝える表現の自由を封じることが目的であることは明らかだ。私たちは、引き続き「戦争法廃止を求める統一署名」に積極的に取り組んでいくことを確認した。

三年連続で、政府による賃上げ要請が経済界に対して行われている。しかし、物価の変動を考慮した労働者の実質賃金は二四ヵ月連続で低下している。輸出関連を中心とした大企業と、中小企業との賃金格差は広がる一方だ。民放労連も昨年の春闘や年末闘争では大幅賃上げを実現できていない。16春闘では、生活を防衛するための賃上げ=ベースアップを必ず勝ち取らなければならない。一年また一年と勝利を積み上げることで、十年先の未来に希望が持てるようなたたかいを展開しよう。

一方で、安倍政権による労働法制の改悪が進められている。労働者派遣法の改悪に引き続き、先の国会で継続審議となった「高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)」と「企画業務型裁量労働制の適用範囲拡大」を柱とする労働基準法の改悪が今国会で審議されている。さらに「解雇の金銭解決ルール」も法制化が検討されている。これらの制度は、企業利益優先で労働者を使い捨てる「ブラック企業」をますます増長させ、私たちが求める「ディーセント・ワーク」の対極にあるものだ。

私たちは「一万人の民放労連」をめざし、「構内労働者プロジェクト」を継続している。これまでの「正社員組合」からいかに脱却するのかが、労働組合に問われている。沖縄県ではRBCビジョン労働組合が労連に加盟するという嬉しいニュースもあった。京都放送労組が実践しているように、構内労働者の問題を自らの問題として位置づけ、組合として要求化し、改善を勝ち取っていくことで、構内労働者の組織化に取り組もう。

沖縄では名護市辺野古に米軍新基地を建設する計画が、県民の声を無視して強引に進められている。〇・六パーセントの面積に七三・八パーセントの在日米軍専用施設がある理不尽さを当たり前のことのように許してはならない。大会では、沖縄地連の仲間から、辺野古新基地建設をめぐる国と沖縄県の裁判や宜野湾市長選挙などについて発言が相次いだ。私たちは新基地建設をはじめ、在日米軍の再配置・強化に反対し、沖縄など国内の米軍基地の縮小・国外移設を求める。

平和国家と言論・表現の自由を守るため、労働組合が力強く声を上げなければならない。今こそ職場と暮らしに憲法を活かし、放送の未来につなげる16春闘を、力を合わせてたたかい抜こう!

二〇一六年一月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二二回臨時大会