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第124回日本民間放送労働組合連合会臨時大会 決議4「視聴者の立場から放送・表現の自由を守りぬく決議」

視聴者の立場から放送・表現の自由を守りぬく決議

 

昨年二月、高市早苗総務相が、政治的公平が疑われる放送が行われたと政府が判断した場合、その放送局に対して、放送法四条違反を理由に電波法七六条に基づいて電波の運用停止を命じる可能性に言及した。これを受けて、総務省としても、放送番組の政治的公平の判断において、大臣答弁と同趣旨の「政府統一見解」を明らかにした。これら一連の判断は、放送の政治的公平は番組編成全体から判断するとしてきたこれまでの政府見解を踏み越え、個別の番組を狙い撃ちにして放送局に政治的表現の委縮を迫るものだ。言い換えれば、「政治的公平」に名を借りて、時の政府にとって都合の悪い番組を放送させないよう、放送局に露骨な圧力をかけて健全な報道活動を抑制しようとするものだ。

放送法第三条は「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」と規定し、政府や政権政党が放送の内容に不当に介入することを厳に戒めている。総務省の「政治的公平の解釈について(政府統一見解)」は、それ自体が放送法違反として直ちに撤回されなければならない。そもそも、政治的主張に基づいて行動する政権や政党に、放送の政治的公平性を判断する資格などない。

 

一方で、放送に対する視聴者の批判も高まっている。沖縄の米軍基地反対闘争に関してインターネット上に散見される事実無根の虚偽情報で構成したような番組が放送されたことに対して、市民から厳しい抗議活動が展開されている。

放送法四条には「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」とあり、放送局が自ら多角的な論点を提示する番組作りが求められている。放送局が放送の自律を保てないと判断されるような事態が生じるようなことがあれば、すぐさま法的な放送・言論統制が議論の俎上に上ることになるだろう。私たち放送労働者の姿勢もまた、問われていることを忘れてはならない。

視聴者の厳しいメディア批判は、「テレビをはじめとするマスメディアが権力者と結託して国民の知る権利に応えようとしない」ように見られているからだ。首相と頻繁に会食し、それが批判を浴びても一向に改めようとしない一部のメディア企業のトップの姿勢は許されるものではない。このような経営者たちが一刻も早く自ら襟を正すことを、私たちは強く求める。

そして私たち放送で働く者も、さまざまな圧力に屈することなく、視聴者の立場から放送・表現の自由を守りぬくために、よりいっそう団結していくことを宣言する。

 

右、決議する。

 

二〇一七年一月二九日

日本民間放送労働組合連合会 第一二四回臨時大会

第124回日本民間放送労働組合連合会臨時大会 決議3「憲法「改正」に反対し、立憲主義と平和を守る決議」

憲法「改正」に反対し、立憲主義と平和を守る決議

 

今年は憲法施行七〇年の節目の年となる。しかし今、多くの人命が犠牲となったアジア太平洋戦争の敗戦から学んで作り上げた憲法が、かつてない危機に直面している。

戦争が終結して七〇年目の一昨年には、一一本もの安保関連法案が政権与党の数の力を背景として一括して強行採決され、戦争ができる国づくりの一歩が踏み出された。さらに昨年九月に戦闘状態が続く南スーダンに派遣された自衛隊のPKO部隊は、「駆けつけ警護」という武器使用を可能とした新たな任務が付与され、要請があれば他国部隊救援や救出のために戦闘行為が行われている場所、すなわち「戦場」に出動し、「撃たれるから撃つ」「殺されるから殺す」という凄惨な場面にさらされることになる。

 

安倍首相は年頭の会見で「新しい時代にふさわしい憲法論議を」と述べ、さらに国会の施政方針演説でも「憲法審査会で具体的な議論を深めよう」と発言し、改憲への意気込みを露わにした。

自民党が党是として掲げる憲法改正の草案は、現行憲法の主旨を否定するものと言わざるを得ず、国民が権力を拘束するという立憲主義の本義から外れ、国家が国民を拘束し、国家に奉仕させんとする意図が明白なものだ。その一例として現憲法の「公共の福祉」に代えて「公益及び公の秩序」という用語を多用し、国民の自由および権利の範囲を恣意的にいくらでも制限できるようにしようとしている。

 

私たち民放労連は、立憲主義を否定する改憲の方向性に、深い憂慮と警戒感を表明する。国家のために個人の権利や表現の自由を制限し、時の政権与党の一存で国の根幹を変えられるような社会にさせてはならない。災害への緊急対応などを理由に、時の為政者に権力を集中させる「緊急事態条項」も、人権の制限と権力の独裁につながりかねないため、決して許してはならない。さらに、思想・信条の制限につながるとして過去三度も廃案となった「共謀罪」の名称を変えただけの「テロ等準備罪」の成立を阻止しよう。

憲法一二条は、私たちが手にする自由及び権利は、「国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」と定め、自由と平和を守るための努力を要請している。この要請に応えて現憲法を尊重・維持し、それを活かして行くために運動を続けることを、私たちはここに宣言する。

 

右、決議する。

 

二〇一七年一月二九日

日本民間放送労働組合連合会 第一二四回臨時大会

第124回日本民間放送労働組合連合会臨時大会 決議2「真の「働き方改革」を実現し、労働法制の抜本改正を求める決議」

真の「働き方改革」を実現し、労働法制の抜本改正を求める決議

電通で新入社員の女性が過労自殺した事件は社会に大きな衝撃を与え、日本人の働き方を改めて厳しく問い直すことになった。とりわけ民放という広告とはおよそ切り離せない産業で働く私たちには、決して「対岸の火事」では済まされない重大な問題が突き付けられている。日常化する長時間労働の改善に、私たちはどこまで真剣に取り組んできただろうか。「いのちより大切な仕事はない」。最愛の娘を失った母親の痛切な叫びに、私たちは胸をはって「ウチは大丈夫だ」と答えることができるだろうか。

民放産業はこれまで利益の最大化を最優先に、人減らしを極限まで追求し、あわせて外注化、下請化を可能な限り進めてきた。おかげで「正社員の不足」感はある調査機関の調べでは他の産業を圧してワースト・ワンの不名誉を維持し続けている。放送局の正社員が担ってきた仕事が、はるかに低い賃金や労働条件で非正規の労働者に押し付けられ、産業内の格差がこれまでにないほどに拡大を続けてきた。放送の現場を支える仕事に若い人たちの希望者が眼に見えて減っている。今や放送は若者たちに夢と希望を与えてくれる産業ではなくなりつつあるのだ。

安倍政権は昨年来、「最大のチャレンジは働き方改革」だとして、「同一労働同一賃金の実現」と「長時間労働の是正」に取り組むと繰り返し表明している。これまで規制緩和一辺倒だった自民党政権でさえ、深刻化する労働力不足やいっこうに浮揚しないままの日本経済の低迷に迫られ、少なくともスローガンの上では労働政策の転換を余儀なくされているのだ。

ところが安倍政権は、一方では高賃金の労働者に労働時間規制をはずし残業代をゼロにする労働基準法の改悪案を国会に提出したままで取り下げようとしていない。長時間労働の是正とは真逆の改悪ではなく、実効ある規制のためには、現状ではほとんど青天井の残業時間に厳格な上限ルールを法律に導入することが必要だ。正規と非正規の格差解消には労働契約法や派遣法に不当な差別禁止を盛り込んだ法改正が不可欠である。こうした労働法制の抜本改正を求める国民労働者の声を今こそ強めていかなければならない。

私たち労働組合は職場の声を要求につくりあげ、実現していくために存在している。労使で協定した上限時間が空文化しているなら、人員増や仕事のあり方、特別条項の見直しなどをもっと強く経営者に迫っていかなければならない。非正規労働者の同一労働同一賃金の実現には、非正規労働者自らが声をあげられるように、労働組合のあり方を変えていかなければならない。非正規労働者の労働組合への組織化抜きに、職場での同一労働同一賃金の実現はありえない。

「働き方改革」は今や政府や財界も推進しなければならない国民的な課題になっている。これを職場の改善に確実につなげていくために、職場の声を大きくしていくことこそ、私たち労働組合の課題だ。

真の「働き方改革」を職場から実現し、労働法制の抜本改正につなげるたたかいを今春闘から力強く開始しよう!

二〇一七年一月二九日

日本民間放送労働組合連合会 第一二四回臨時大会

第124回日本民間放送労働組合連合会臨時大会 決議1「組織を拡大し、民放で働くすべての労働者の団結を呼びかける決議」

組織を拡大し、民放で働くすべての労働者の団結を呼びかける決議

 

昨年夏に発表されたある調査機関の統計によると、「従業員が不足している」と回答した企業が最も多かった業種は「放送」だったと言う。

放送の仕事を続けたいが、低賃金・劣悪な労働条件で、生活に苦しみ、健康を損ない離職していくものが少なくない。

「寝ても疲れがとれない」「そもそも寝る時間が少ない」「何のために仕事をしているかが見えなくなった」「何のために生きているかさえわからない」という悲痛な声が、番組制作現場の労働者から漏れてくる。

放送の現場から人材が流出し、同時に放送の仕事を目指す若者が減少している。放送産業の『負の構造』は多くの人々へ認知が広がっている。

同じ仕事をしていながら、放送局の正社員と正社員以外の労働者の賃金が三倍以上の格差になっていることに私たちは気づかなければならない。私たちの職場にある小さな声に耳を傾け、絶望を希望に変えていく。不安と不満を要求に転換する。職場に存在する問題から目をそらさず、その解決のために職場のみんなで話し合い、職場環境と労働条件の改善を実現し、放送の、自分や家族の、そして仲間たちの未来に展望がひろがるよう、今できることから始めよう。現状を変えていくための一歩を踏み出そう。

同じ職場の未組織の労働者に声をかけ、労働組合への加入を促し、少しずつでも組合員を増やしていく。低賃金・長時間労働をはじめとする劣悪な労働条件という「不条理」を正すために「ともに闘おう」と。

「一万人の民放労連」の実現こそが、放送労働者の人間らしい労働と生活、そして放送の健全な発展につながる。

右、決議する

二〇一七年一月二九日

日本民間放送労働組合連合会 第一二四回臨時大会

 

 

 

第124回日本民間放送労働組合連合会臨時大会 アピール

大会アピール

「命より大切な仕事などありません」。電通過労自殺事件が大きな社会問題になっている。マスコミ業界にとってはあって当然として本気の対策が講じてこられなかった「長時間労働」をなくす取組が求められている。厚生労働省は「過重労働撲滅特別対策班(本省かとく)」を新設するなど、監督体制の強化を急いでいる。もはや労基署対策の長時間労働を隠すためだけの裁量労働制の導入のような姑息な対策では、働くもののいのちと健康を守る経営者の責任を果たすことはできない。経営者のみならず労働者の側にも「長時間労働」の改善に向けた当事者の自覚が厳しく求められる。私たちは東京・両国で開かれた民放労連第一二四回臨時大会に集まった。

地上波テレビのデジタル化を直前に控えた二〇年ほど前、莫大な設備投資と広告収入の減少におびえた民放経営者は、「正社員の削減と一人当たり人件費の削減による総額人件費の削減こそが民放の生き残り策」として、アウトソーシングと称した外注化、派遣労働者の導入、そしてベアゼロ、一時金の大幅削減をすすめた。「放送の仕事にあこがれる若者はたくさんいる」と豪語し、低賃金で劣悪な労働条件の労働者を放送の現場に導入していった。

しかし、今、放送の仕事から離れていく若い労働者が増えていることがこの大会で明らかになった。会社が従業員の募集をかけても人が集まらないと深刻な状況が報告された。放送の仕事が長時間労働にさらされていること。長時間労働が当たり前に受け入れられる土壌が放送産業に蔓延していること。放送局正社員とプロダクションや関連会社の労働者の間に、不条理としか言いようがない格差が広がっていること。そのような民放産業の「負の構造」が放置されたままだということが原因にほかならない。

「放送の未来のために取り戻す、人間らしい働き方とくらし」という大会スローガンを私たち民放労連に加盟する労働組合は、真剣に考え、一七春闘での要求に活かしていこう。長時間労働の削減のために実効ある制度の構築を求めていこう。「同一労働同一賃金」を実現するための一歩を踏み出そう。

アベノミクスの失敗と日本経済の低迷がより一層鮮明になってきた。個人消費は二年連続のマイナス、実質賃金も五年連続のマイナスで、国民の暮らしは苦しくなるばかりだ。一七春闘では、生活を防衛するための賃上げ=ベースアップを必ず勝ち取らなければならない。賃金の生計費原則にのっとり、すべての働く人の暮らしを改善する大幅賃上げを実現していく。

「一万人の民放労連」をめざした「構内労働者プロジェクトⅡ」で、私たちは「正社員組合」からの脱却こそが新しい労働組合のあり方だと学んだ。私たちは構内労働者の問題を自らの問題として位置づけ、組合として要求を勝ち取っていくことで、構内労働者の組織化に今こそ本気で取り組んでいく。

グローバリズムの新自由主義改革のもとで、格差と貧困が深刻化。怒りと閉塞感が社会を覆いつつある。マスメディアとして健全な市民社会をつくっていく使命を果たし、私たち民放労連は放送の未来に責任を持たなければならない。いまこそ取り戻そう!人間らしい働き方と暮らしを!

 

二〇一七年一月二九日

日本民間放送労働組合連合会 第一二四回臨時大会

民放労連は、総務省「放送を巡る諸課題に関する検討会第一次取りまとめ(案)」に関し、意見を提出しました

「放送を巡る諸課題に関する検討会第一次取りまとめ(案)」に関し、別紙のとおり意見を提出します。

(要旨)

1.最重要課題は放送の自律を守ること

2.放送局支配に関する規制緩和は必要ない

 

放送を巡る諸課題に関する検討会第一次とりまとめ案に対する民放労連の意見

 

1.最重要課題は放送の自律を守ること

今年、放送を巡ってもっとも大きな社会的関心を招いたのは、総務大臣が、番組の内容によっては電波停止の処分を下す可能性がある、という趣旨の発言をしたことであった、と言える。憲法が保障する言論・表現の自由、放送法が保障する放送番組編集の自由を脅かすような発言が所管大臣から繰り返し行われたことは非常に憂慮すべき事態であり、政治的圧力と言わざるを得ないこうした言動から放送の自律をいかに守るか、という課題が、最優先で検討されるべきである。

こうした発言が堂々と行われ、一方で当事者であるはずの放送事業者からは的確な反論がほとんどなされない、という今日の状況が生じているのは、放送事業を営むにあたって不可欠な要素である放送免許が政府による直接免許制に置かれ、そのことが放送局に威嚇効果をもたらしているからに他ならない。先進諸国の間では独立行政機関による間接免許制が一般的であり、現在の日本のような制度は極めて異例なものである。日本にもかつて短期間存在した電波監理委員会による放送行政の再検証を含む、制度上の問題を検討することなしに、放送の自律は確保できないと考える。

この「第一次とりまとめ案」に、こうした放送制度・放送行政の根幹にかかわる問題意識がまったく欠落していることに、猛省を促したい。

 

2.放送局支配に関する規制緩和は必要ない

第二章「今後の具体的な方向性」の(2)「地域に必要な情報流通の確保」の末尾に、「認定放送持株会社制度の子会社数の制限の緩和等」という文言が唐突に出ている。このような規制緩和策は、大資本による放送事業の経営の選択肢の拡大にとって有利な制度整備ではあっても、地域の放送を担う個々の放送事業者には、いったいどのような影響が及ぶのか。むしろ放送局の統廃合などによって、地域の視聴者の情報環境への弊害となるおそれが強いのではないか。

とりまとめ案の中に「各放送事業者からのヒアリングにおいてはこれらの制度等を含めた制度改革に対する要望はなかった」と書かれているのに、そのすぐ後段に、認定放送持株会社制度の規制緩和について「検討を進めていくことが適当」と記載してあるのは、論理的な整合性がなく、理解不能である。

現状では、ただでさえキイ局による系列ローカル局の支配が進行している上に、情報源の東京一極集中をさらに推進しかねないような規制緩和は、地域情報確保の観点からまったく不要である。むしろローカル局の番組制作能力の確保・拡充のために、人的・経済的な支援制度を整備することこそが検討されるべきではないか。

以 上

民放労連 第123回定期大会 決議6「日本政府による沖縄に対する植民地的暴力を許さない決議」

日本政府による沖縄に対する植民地的暴力を許さない決議

【提案 沖縄地連】

 

空も海も「沖縄ブルー」に染まる豊饒な真夏。照り付ける太陽の下、県内各地は農作物の収穫に追われ、その喜びである今年の豊作に感謝し、来る年の夏の豊饒を願う「豊年祭」でにぎわう。だが、今年は祝いの場が無残にも切り裂かれてしまった。引き裂いたのは誰なのか!

参議院議員選挙の投開票の翌日、この国の政権は沖縄に牙をむいて襲い掛かった。名護市辺野古の北隣にある東村高江地区を囲むように造られる、アメリカ軍に提供する施設でのオスプレイの着陸帯建設に反対する住民にである。通称ヘリパッド。だが単なるヘリコプターが離発着するしろものではない。あのオスプレイのための滑走路といっても過言ではない。

人々はヘリパッド建設阻止のために県内各地から詰めかけた。ところが政府は警視庁をはじめ沖縄以外の府県から機動隊五〇〇人を動員。しかも私服の公安警察五〇〇人も投入しているといわれている。あわせて一〇〇〇人が県道を封鎖し、反対する住民を強制排除してヘリパッド建設の資材搬入を手助けしているのである。

沖縄の人々は、参議院議員選挙で名護市辺野古での新基地建設を進める沖縄選出の現職大臣を落選させた。県内移設反対の公約を反故にして安倍政権から沖縄担当大臣に任命された人である。しかもおよそ一一万票近くの大差はまさに沖縄県民の怒りの表れといえよう。県民はその前の衆議院議員選挙でも沖縄四選挙区すべてで自民党現職に見切りをつけている。これが沖縄の「民意」である。

今夏の参院選は「東北の乱」ともいわれたが、「民意」はその土地土地で決まるものだ。そこに住む人々の意思を汲まずに顧みない権力も、国策にあらがわず知らんふりを決め込むメディアも猛省すべきではないか。

沖縄県の翁長雄志知事は「政府は全く聞く耳を持たず、強行に新基地建設を推し進めることは民主主義国家のあるべき姿からは程遠いと言わざるを得ない」と厳しく批判した。

沖縄はここまでやりたい放題されてきた。EU離脱を決めた英国では一部が独自でEUに留まることも議論されているという。沖縄は「琉球」として自己決定権を取り戻そうという選択肢が現実味を帯びてくるかもしれない。強権的な政府の沖縄に対する植民地的感覚と言うしかない暴力は絶対に許してはならない。許せば強権は国民すべてに襲い掛かる。その闘いの一里塚が沖縄である。われわれ民放労連は、権力による沖縄への差別的暴力に抗議するとともに、辺野古新基地建設および高江ヘリパッド建設を断念に追い込み、米軍基地の全面撤去を強く求めていく。

右、決議する。

二〇一六年七月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二三回定期大会

民放労連 第123回定期大会 決議5「佐藤典子組合員のKBS京都無期直用化を求める決議」

佐藤典子組合員のKBS京都無期直用化を求める決議

【提案 近畿地連・京都放送労組】

京都放送労組の佐藤典子組合員は現在、株式会社ササキデザインルームに雇用されているが、一八年間もの長期にわたり、低い賃金・労働条件でKBS京都一筋にテロップ業務を通じてテレビニュース番組の充実のために多大な貢献をしてきた。

とりわけこの一八年間は、KBS京都再建途上で一番厳しい時代であった。この中で佐藤組合員はKBS京都の仲間とともに粉骨砕身ニュース番組の放送に力を尽くしてきた。

KBS京都は去年十月、債務五十億円の完全弁済を終え無事再建を達成した。

これをうけ京都放送労組は、去年の秋闘で再建に寄与し多大な貢献をしてきた佐藤君の永年の労に答えるため、偽装請負の実態を解消し、佐藤君をKBS京都に直用化する要求を提出した。

しかし会社は組合の切実なこの要求を拒否し続けている。

会社はこれまでKBS京都で働く構内非正規スタッフの多くの人たちを社員化・直用化してきた歴史的事実がある。佐藤君の実態も過去解決してきた歴史的なケースと酷似している。

民放労連に結集する私たちは、KBS京都の再建に少なからず貢献してきたという自負がある。そしてまた新生KBS京都にも大きな期待をよせ、今後も協力していく強い決意を持っている。

再建達成後初めての新年度を迎えたKBS京都は、今こそ二度と経営危機を起こさぬよう労使が協力していかなければならない。そのためにも組合が強く解決を求める佐藤組合員の直用化を実現し、KBS京都の再スタートをきることが欠かせない。

私たちは京都放送労組の佐藤君無期直用化要求を強く支持し多くの署名を今も集めている。解決するまで民放労連をあげてともに闘うことを今日の大会でも決定している。

貴殿がすみやかに英断をくだし、早急に要求を解決することを強く求めるものである。

右、決議する。

二〇一六年七月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二三回定期大会

株式会社 京都放送

代表取締役社長 千代 正實 殿

民放労連 第123回定期大会 決議4「圧力に屈することなく、放送の自由を守りぬく決議」

 圧力に屈することなく、放送の自由を守りぬく決議

【提案 労連本部】

先におこなわれた参議院選挙に際して、テレビ・ラジオなどマスメディアは、有権者に必要な情報を送り届ける報道機関としての機能を、十分発揮できたと言えるだろうか。報道番組や開票特番の制作に当たった大勢のスタッフの努力にもかかわらず、「選挙報道の質も量も低下している」と視聴者から厳しい批判にさらされている。

それが政治的な圧力による萎縮や自己規制の結果によるものだとしたら、まことに憂慮すべき事態だ。

高市早苗総務相が今年二月、政治的公平が疑われる放送が行われたと政府が判断した場合、その放送局に対して「行政指導しても全く改善されず、公共の電波を使って繰り返される場合、それに対して何の対応もしないと約束するわけにいかない」と述べ、放送法四条違反を理由に電波法七六条に基づいて電波の運用停止を命じる可能性に言及した。これを受けて総務省も、放送番組の政治的公平の判断において、大臣答弁と同趣旨の「政府統一見解」を明らかにしている。

しかし、「放送番組編集の自由」を基本とする放送法が、その自由を抑制するために権力者たちに利用されるというのは、およそ信じられない事態ではないか。放送法第三条に「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」とあるとおり、政府や政権政党が放送に不当な圧力をかけることこそ、放送法違反行為として責任を問われなければならない。

一連の大臣答弁や総務省の見解は、権力者にとって都合の悪い番組を放送させないよう、放送局に露骨な圧力をかけて報道活動の萎縮を狙うもので、絶対に許されない。そもそも、世界中のメディアからその動向を監視される立場にある日本政府が、放送番組の政治的公平性を判断しうる立場にあるはずがない。今年二月末にテレビキャスター有志が「私たちは怒っている」とするアピールを公表して一連の大臣発言を厳しく批判したが、その怒りは放送の現場で働く私たちすべてのものでもある。

視聴者の厳しいメディア批判は、「テレビをはじめとするマスメディアが、権力者と結託して国民の知る権利に応えようとしない」と感じているからに他ならない。首相と頻繁に会食するなど、一部のメディア企業のトップの姿勢は目に余るものがある。このような経営者たちが自ら襟を正すことを、私たちは強く求める。

同時に私たち放送労働者自身も、さまざまな圧力に屈することなく、放送の自由を守りぬくために、よりいっそう奮闘することを誓う。

右、決議する。

二〇一六年七月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二三回定期大会