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民放テレビ・ラジオ局の女性割合調査 結果報告(2022/7/14)

2022年7月14日

報道機関各位

民放労連女性協議会

【速報】 在京テレビ全局に女性役員が任命されました!

【調査結果】全国民放テレビ局の72.4%女性役員ゼロ  
全国民放ラジオ局の73.5%女性役員ゼロ
在京・在阪民放テレビ局で制作部門のトップに女性ゼロ

 日頃より、日本民間放送労働組合連合会(以下、民放労連)の活動にご理解・ご協力をいただき、ありがとうございます。
 民放労連では、2018年から民放の女性割合調査発表を行い、日本民間放送連盟(以下民放連)に民放連および加盟社の意思決定者への女性登用を訴えてきました。最新の調査結果についてお知らせいたします。 
 調査の詳細は別紙「民放テレビ局・ラジオ局女性割合調査報告」をご参照ください。

【速報】在京テレビ全局に女性役員が任命 民放連役員は女性ゼロ
今回の調査対象期間では在京テレビで女性役員ゼロの局がありましたが、2022年6月に発表された在京民放各社の役員人事では、それまで女性役員がゼロだった局に女性役員が誕生し、在京テレビ全局に女性役員がいることになりました。まだ割合としては十分とは言えませんが、女性役員ゼロの状態を脱したことは大きな一歩です。今後もより積極的に女性役員割合を増やすことを期待します。

在京テレビ局の女性役員数(2022年7月1日時点)

※「役員」に監査役は含む、顧問、執行役員は含めない。

また、民放連の役員の更新は2年ごとで今年更新でしたが、2022年6月に発表された民放連の理事40名中女性はゼロでした。

調査結果概要
■1年前の調査からの改善が見られなかった。
 2021年4月から2022年3月の任意の時点を調査対象とした今回の調査では、1年前の調査と比較して、全国で女性役員数は全国のテレビ局で2名、ラジオ局で3名増えました。しかし、女性役員ゼロの会社は全国のテレビ局で1社増加、ラジオ局では増減なしでした。依然として7割以上の会社で役員がゼロ役員割合の平均はテレビが2.2%、ラジオが3.3%と、低い水準でした。

全国民放テレビ局調査

全国民放ラジオ局調査

■在京・在阪の民放テレビ局のコンテンツ制作部門のトップに女性はゼロ!
 在京・在阪のテレビ局で、コンテンツ制作部門の最高責任者(報道局、情報制作局、制作局、スポーツ局の局長相当)に1年前の前回調査同様、女性は1人もいませんでした。(今回初めてスポーツ部門についても調査しました。)

目標設定と具体的な計画を立てることが必要。
 7月13日に世界経済フォーラムから発表されたジェンダーギャップ指数によれば、2022年の日本の総合スコアは0.650(前回は0.655)、順位は146か国中116位(前回は156か国中120位)でした。依然として先進国の中で最低レベルであり、1年前から進展はほぼないと言える結果です。今回の民放の調査結果も同様に、1年前と比較して、民放の女性役員の登用状況が変わっていないことが数値上明らかになりました。2020年に閣議決定された第5次男女共同参画基本計画には、「2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性の割合が30%程度となるよう目指して取組を進める。」とされています。各社、日本のジェンダーギャップ指数の低さについて報道していますが、自社の足元を見直すべきなのではないでしょうか。民放各社や民放連が、現状を直視して自主的に数値的目標を掲げ、目標達成のための具体的な計画を立て、実行しないことには、意思決定層に女性を増やすことはできません。

 また、第5次男女共同参画基本計画第10分野「教育・メディア等を通じた意識改革、理解の促進」には、「メディア等からの情報が子供をはじめ様々な世代に対して固定的な性別役割分担意識等を植え付けず、また、押し付けないようなものとなるためには、メディア分野の経営層や管理職において性別による偏りがないことが重要である。このため、メディア分野等における意思決定過程への女性の参画拡大を促進する。」という記載があります。メディアは、発信する報道内容やコンテンツを通して人々の意識に大きな影響力をもっており、意思決定者に偏りがあることは悪い影響がある一方で、もし改善された場合、社会に与える好影響は小さくないと期待されます。

 また、女性登用は企業の業績にも良い影響があると言われています。経産省は女性登用を含む『ダイバーシティ経営』を「自由な発想が生まれ、生産性を向上し、自社の競争力強化につながる、といった一連の流れを生み出しうる経営」と位置づけており、ダイバーシティ経営をしている企業は、そうでない企業と比べて経営成果が良いという調査結果も発表しています。イノベーションを促進する女性登用は、ビジネスモデルの転換期に立たされている民放の経営課題の解決に寄与するのではないでしょうか。

今後も民放労連では、全国の民放テレビ局・ラジオ局の意思決定者への女性登用を訴えていく予定です。是非、テレビ・ラジオを含む報道各社での報道をお願いいたします。

問い合わせ先: 民放労連 info@minpororen.jp

<これまでの調査結果>
2021/7/20 全国・在京・在阪 民放ラジオ局の女性割合調査 結果報告
2021/5/24 全国・在京・在阪 民放テレビ局の女性割合調査 結果報告
2020/3/6 メディア女性管理職割合調査の結果について
2019/10 在京テレビ局女性割合調査報告

<女性登用についての要請>
2022/4/11 業界団体への申し入れ(民放連)
2022/3/28 業界団体への要請
2021/2/10会見 日本外国特派員協会(FCCJ)
2021/2/9会見 厚労省
2020/12/1 業界団体への要請


2022年6月に交代する民放連の次期役員に 女性を登用するように、申し入れしました(2022/4/11)

2022年4月11日

報道機関各位

民放労連女性協議会

2022年6月に交代する民放連の次期役員に
女性を登用するように、申し入れしました

 日頃より、民放労連の活動にご理解・ご協力をいただき、ありがとうございます。

2022年3月28日に、岸田民放労連副委員長、吉永新聞労連委員長、酒井出版労連委員長の3名で、民放連に、民放連および加盟社で女性登用を促進するよう申し入れを手渡しました。
 現在、民放連の役員は45名中女性がゼロです。2022年6月に交代する次期役員には、30%を目途に女性を登用するよう、申し入れました。
 また、2021年に民放労連が発表した全国民放テレビ局、ラジオ局の女性割合調査によれば、民放連加盟社の女性役員割合は非常に低く、民放テレビ局127社中91社で女性役員ゼロ、女性役員割合は2.2%(1797人中40人)、民放ラジオ局98社中72社で女性役員ゼロ、女性役員割合は2.8%(1051人中29名)でした。加盟社の女性登用を、民放連が積極的に促進することを申し入れました。
 メディアは、発信するコンテンツを通して、受け手の固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に影響を及ぼし、これらが社会課題の設定や意思決定に影響します。メディア内の意思決定層のジェンダーバランス不均衡を改善することは急務です。
 是非、報道各社での報道をお願いいたします。

 
【お問い合わせ】 民放労連  info@minpororen.jp
03-3355-0461

要請文と別紙
https://www.minpororen.jp/?p=2219

業界団体および加盟社の女性登用についての要請

日本民間放送連盟 会長    大久保好男 様
日本新聞協会 会長      丸山昌宏 様
日本書籍出版協会 理事長   小野寺優 様
日本雑誌協会 理事長     堀内丸惠 様

2022年3月28日
日本民間放送労働組合連合会
日本新聞労働組合連合
日本出版労働組合連合会
メディアで働く女性ネットワーク(WiMN)

 貴団体の日ごろの活動に敬意を表します。

 今年の国際女性デーでは、多くのメディアでジェンダー格差の特集が組まれ、様々なイベントが開催されました。その主催者は小・中・高校生や大学生などの若い世代をはじめ、多様な世代・多様な背景の人々で構成されたものも数多く、ジェンダーへの関心の高さ、社会の変化を感じさせてくれました。

 昨年もお伝えしましたように、「持続可能な開発目標(SDGs)」を採択した2015年の国連サミットの「持続可能な社会を作るには、ジェンダーの視点を計画的に主流化していくことが不可欠だ」という宣言に基づき、世界各国のあらゆる分野で女性の積極的登用が進み、日本国内でも、多くの企業や業界団体で事態の改善が進んでいます。
 
 しかし日本のメディアの業界団体では、役員における女性の割合がゼロや僅少な状態が続いたままです。

 私たちはこの現状に強い危機感を抱き、労働組合においては様々なジェンダー平等実現に向けた取り組みを進めています。メディア業界には「各媒体で女性の数は増えている」「差別はなく実力があれば女性でも管理職になれるので対策は必要ない」という声が根強くありますが、この声に加え、不規則な就労、長時間労働に人手不足が常態化したままでは、社会の変化に取り残され、多様な視点からの取材・発信が難しくなるばかりです。このままでは読者・視聴者からの信頼喪失を加速し、政府からの介入を招きかねません。進まない女性登用はメディアにとって死活問題であり、自主、自立のためにも、各団体・企業が自律的に是正策に取り組むよう強く求めます。

 2022年4月1日の改正女性活躍推進法の施行に伴い、同法に基づく行動計画の策定・届出、情報公開の義務化が101人以上300人以下の中小企業にも義務化されます。私たちは、各業界団体の共通課題として、同法の遵守と女性活躍を推進し、業界団体および加盟社での女性登用の目標・計画・実績を公表することを求めます。

 以下にメディア業界の現状と具体的な要請を示します。

【現状】
① メディアの業界団体の役員に女性が少なすぎる。
 日本民間放送連盟(民放連)、日本新聞協会(新聞協会)、日本書籍出版協会(書協)、日本雑誌協会(雑協)=以下「各業界団体」とする=の女性役員人数は、民放連45人中0人、新聞協会53人中0人、書協40人中2人、雑協21人中1人です。各業界団体は、各媒体の倫理水準の向上と業界共通の問題を扱っており、意思決定者には、多様なバックグラウンドをもつ人材を登用し、偏りのない意思決定ができるようにするべきです。

② メディア会社の役員に女性が少なすぎる。
 労組の調査では、民放連加盟のテレビ局127社中91社で女性役員ゼロ、女性役員は1797人中40人。ラジオ局98社中72社で女性役員ゼロ、女性役員は1051人中29名※、新聞38社の会社法上の役員数は、全体319人中、10人※、出版8社の会社法上の役員数は、全体254人中、21人※でした。
 メディア会社の意思決定者に著しく女性が少ないという実態が、数字で明確に示されています。

③ メディアのコンテンツ制作の意思決定者の女性登用が不十分
 労組の調査では、在京テレビ局の番組制作部門のトップに女性はゼロ※、新聞ではデスク・キャップなどの管理職の女性比率は8.5%※、出版では編集長・課長などの管理職の女性比率は22.9%※でした。メディアの意思決定層に女性が少ないことが、ジェンダーに偏りのある情報発信を生み、「無意識の思い込み」につながっています。また、2022年3月に報道された映画監督による女性俳優への性的関係の強要に象徴されるよう、仕事の割り振り、依頼等において、立場の優位性を背景にした性的関係の強要など、性暴力やセクシャルハラスメント・パワーハラスメントの根絶を遅らせている一因ともいえます。多様性を欠いたコンテンツ制作現場や労働環境では、視聴者や読者が離れ、やる気のある人材も集まりません。イノベーションには多様な人材が知恵を出し合うことが必要です。

※別紙、2021年5月民放労連調査、2020年3月新聞労連調査、2020年3月出版労連調査による。

【要請】
① 業界団体の女性役員比率について、数値目標や加盟各社からの女性管理職による特別枠を設け、すみやかに3割以上にすること。長期的に5割を達成する計画を立てること。
② 業界団体にジェンダー・男女共同参画に関する常設委員会を設置し、業界でのジェンダー平等を重要課題の一つにすること。
③ 業界団体の全加盟社が、遅くとも2025年までに役員の3割を女性にする目標をたて、行動計画と共に公表すること。また、全加盟社が、国の女性活躍推進企業データベース(https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/ )で情報を公開すること。 

以上

<別紙>
2021年5月民放労連調査
・全国・在京・在阪 民放テレビ局の女性割合調査 結果報告
https://www.minpororen.jp/?p=1815
・全国・在京・在阪 民放ラジオ局の女性割合調査 結果報告
https://www.minpororen.jp/?p=1865

2020年3月新聞労連調査
新聞労連資料

2020年3月出版労連調査
出版労連資料

自民党・情報通信戦略調査会での議論に関する民放労連声明

2022年3月11日
日本民間放送労働組合連合会
中央執行委員長代行 小寺 健一

 自民党の情報通信戦略調査会は3月9日、民放連とNHKの専務理事の出席を求め、放送倫理・番組向上機構(BPO)やテレビ各局の番組審議会の活動状況について質疑を行った、と民放のニュースが報じました。「BPOや番組審議会が本当に機能しているのか審議したい」という趣旨で、出席した議員からは「テレビ局がネットだけに流す番組もBPOの対象になるのか」「不祥事を起こした政治家が不快な表情をする映像が流れていることに対しBPOは注意しないのか」「BPO委員の人選に国会が関われないか提起したい」といった質問や見解が出されたそうです。

 BPOは、NHKと民放連が共同で2003年に設立した第三者機関です。その委員の人選は、放送局の役職員以外で構成された評議員会によって選任されるなど、放送界からは自立した運営が行われるような工夫がなされています。放送番組をめぐる問題について、BPOでは専門家らが真摯に議論を重ね、多数の意見を社会に公表して放送局に改善を促してきたほか、各地で番組制作者や視聴者を対象にしたセミナー等を開催して、番組の質の向上や放送倫理の確立に大きな努力を払ってきました。
 これらの活動は、権力の介入を排して放送の自律をはかり、視聴者との関係を通じて放送番組の向上をめざすものです。このような存在は世界でも類例がなく、言論・表現の自由を保障する日本国憲法や放送番組編集の自由を保障する放送法の精神を体現するものとして、人々の間で定着しています。

 自民党内では安倍政権以降、BPOの法制化・権限強化や委員選出への国会関与を求める意見を強めています。しかし、今回明らかになった議論では、政治家の映像の使用に関わる意見など、自らの都合のいいように放送番組を左右しようという稚拙な発想もうかがえます。自民党議員はむしろ、第三条「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」と明記されている放送法について、一から学びなおすべきでしょう。ましてや「BPOの人選に国会が関わる」ようなことは、前述の「権力の介入を排して放送の自律をはかる」BPO設立の理念に反するもので、認めるわけにはいきません。

 ロシアが突然ウクライナに侵略戦争をしかけ、国際的に緊迫した情勢の下で、虚実入り乱れた情報が錯綜しています。このように人々の情報環境にも大きな影響が及んでいる状況で、私たち民主主義社会の基盤となる言論・表現の自由を脅かすような論議が政権与党内で行われていることに対して、私たちは放送で働く者として、強く抗議します。

 この問題に関するメディアの報道が乏しいことも懸念されます。言論・表現の自由、放送の自由をめぐる重大な問題について、もっと考える機会と材料を提供してほしいと思います。そして、放送の自律・メディアの独立を確保して、視聴者の皆さんとともに、よりよい市民社会を築き上げていきたいと考えます。

以 上

民放労連第134回臨時大会アピール(2022年1月29日)

 新型コロナの感染者数が過去最高水準で急増する中、日々ニュースや情報番組などを通して全国の視聴者・リスナーに必要な情報を通して伝えています。感染リスクと常に隣り合わせの状況で、放送産業で働く皆さんの日々の奮闘に敬意を表します。

 第6波の真っ只中、今回もリモートで開かれた臨時大会。メインテーマは、次の春闘でどうベースアップを勝ち取るか、ということでした。コロナ禍で日々のテレビ・ラジオは平常時より一層欠かせないライフラインになっています。また、政府が経済界に賃上げを求めているほか、このところ電気代やガソリン代、それに生活必需品の値上がりが相次いでおり、こうした物価上昇を上回る賃上げを求めていくべきだという意見が多く出ました。すべての単組でベースアップをはじめとした好回答が勝ち取れるよう力を合わせて行きましょう。

 放送業界を取り巻く環境は、かつてないほど激しく変化しています。15年以上前にはテレビ番組を作るテレビ局や制作プロダクションなど限られた会社しか作れなかった映像コンテンツが、今や個人が簡単に作れる時代です。さらに、1日あたりのテレビの視聴時間は年々短くなっており、YouTubeやネットフリックス、Amazonプライム、TikTokをはじめとしたネット系のコンテンツなどに奪われ続けています。生活の中心はもはや「テレビ」ではなく「スマホ」に移り変わっています。私たちは、こうした厳しい現実から目を背けてはいられません。

 キイ局やローカル局も次々とコンテンツをネットでビジネスに繋げる試行錯誤を急いでいます。NHKに続き、昨年10月から日本テレビにおいて同時配信が始まりました。放送業界は大きな変革を迫られています。今こそ労使で10年後、20年後のあるべき姿を描き、そのためにどう変革していくべきなのかを真剣に協議し、次代の放送・コンテンツ産業を切り拓く時期です。しかし、一方でこうした厳しい経営環境を理由に労働者の待遇を悪化させるような動きは断じて許されません。民放労連はこうした経営の悪手に対しては力を合わせて闘って行きます。

 皆さんが感じておられる通り、民放労連も今大きな岐路に立っています。時代が大きく変わりゆく中で、自分たちに何が求められていて、何を頑張っていくべきなのかを、特に放送の将来を担う若い世代の率直な意見や提案も生かしていきましょう。

 最後に、民放労連は、放送業界で働くすべての組合員が今後も最大限力を発揮できるような環境整備、さらには生活水準・待遇が守られるよう、これからも時代の先頭に立って放送・コンテンツ産業の将来を切り拓く取り組みを展開していきます。力を合わせて頑張っていきましょう!

2022年1月29日
日本民間放送労働組合連合会 第134回臨時大会

民放労連第134回臨時大会「よみうりテレビサービス不当解雇撤回を求める決議」(2022年1月29日)

 よみうりテレビサービスは、2020年1月17日、自社の無期雇用のA組合員が職場である読売テレビに出社するところを待ち構え、入館証を取り上げて自宅待機命令通知書を突きつけ、A組合員の私物を持ち出す時間さえ与えず社外に追い出した。すぐに組合に加入し、組合は解雇撤回を求め幾度も団体交渉を申し入れたが、会社は応えず、自宅待機を延長し、2月14日に一方的に解雇通知書を送りつけ解雇した。
 会社が出してきた解雇理由証明書には解雇理由が7項目記載されている。しかし、どれ一つとして具体的事実が証明されていない上に、解雇されるに値するものでもない。そもそも解雇前にA組合員に意見を聴く機会を与えるべきだったが、一方的にA組合員の行動を問題視した質問状を送っているだけである。解雇理由の詳細を明確にするのは、A組合員の解雇を決定したよみうりテレビサービスの社会的な責任であるが、2年経とうとする今も詳細を明らかにしようとせず、役員が全員交代した現在も誠実な態度も示さず、団体交渉も拒否し、時間を引き延ばしているだけである。労働組合は再三にわたってA組合員の解雇撤回を申し入れている。解決に向け行動しなければならないのは、よみうりテレビサービスの経営陣である。
 
 民放労連第134回臨時大会の名において、改めてA組合員の解雇撤回を強く求める。
右、決議する。

2022年1月29日
日本民間放送労働組合連合会 第134回臨時大会

株式会社よみうりテレビサービス 代表取締役社長 原 俊一郎 殿

労働組合に加入して、より良い働き方と生活を実現しよう

民放労連は、全国の放送局や放送関連プロダクションなど120組合・約7000名が加盟している労働組合です。
民放労連では放送局で働くすべての人の賃金や労働条件の改善を最大のテーマとして取り組んでいます。
経験豊かな相談員が常駐して、いろいろな相談に応えられるようにしています。お気軽にご相談ください。

『第57回民放労連全国女性のつどいfrom ふくしま』アピール

 『in ふくしま』ではなく『from ふくしま』にさせて頂いたのは、例年だと全国からそれぞれの都市に皆さんが集まって開催されるはずの全国女性のつどいが、新型コロナウイルスの影響で今年は初めて全編オンラインでの開催となったからです。日本で初めて感染者が確認されてから1年8か月。メディアで働き新型コロナウイルスの情報を伝え続けている私たちも、1年8か月未知のウイルスと戦い続けています。中には、子育てをしながら、介護をしながらいっぱいいっぱいの状態で働いている方もいらっしゃることと思います。福島県は東日本大震災の時、全国の皆さんに助けてもらいました。だから今回はふくしま『から』みなさんに、自分を労わる時間、頑張っている自分に気付く時間を贈りたいと考えました。今年のつどいのテーマは『こんな時でも、自分を好きでいるために』

 基調講演は福島県出身のクリエイティブディレクター箭内道彦さんにお話を伺いました。自分の意志を貫きたくさんの人に影響を与えてきた箭内さんにとっても、新型コロナウイルスは未知との遭遇。ただ、苦しいことに直面しても、そこからどんな風に歩んでいけるか、クリエイティブに何ができ、どう活用するかが重要だと話してくれました。また、人を巻き込むには「チャーミングに異を唱える」とのことで、私たちテレビ局で働く人間に大きなメッセージを届けてくれました。

 1つ目の分科会では、悩んでいる方も多い『コロナ太り』を楽しく解消しようと、健康づくりプランナーの湯座聖美さんによるエクササイズを行いました。ステイホームが招く肥満の問題などについても、東日本大震災での経験を元にお話し頂きました。

 2つ目の分科会は懇親会を兼ねて行いました。全国新酒鑑評会8回連続金賞受賞数日本一を誇る酒どころ福島の自慢のお酒とおつまみのセットをお送りし、一緒に飲みながら酒蔵の女将仁井田真樹さんの仕事への想いやコロナ禍での活動などを伺いました。誰かと顔を見合わせてお酒を飲むという機会が減っているからこそ、画面越しではありますが、コロナ禍でも自分と同じように頑張っている仲間がいるということを感じてもらえていたら幸いです。

 最後に、このコロナ禍から抜け出すことが出来たら、是非福島に来てください。美しい景色、温かいヒト、美味しいモノで皆様をおもてなし致します。そんな日が来るまで、皆様がそれぞれの場所でストレスを上手に発散し、自分を責めすぎず、今感じられる精一杯の幸せを感じながら日々過ごされることをお祈り致します。

 本日ご参加いただいた140名の皆様、ありがとうございました。

2021年9月25日 第57回民放労連全国女性のつどい from ふくしま

民放労連第133回定期大会「よみうりテレビサービス不当解雇撤回を求める決議」(2021年8月13日)

 よみうりテレビサービスは、2020年1月17日、自社の無期雇用のA組合員が職場である読売テレビに出社するところを待ち構え、入館証を取り上げて自宅待機命令通知書を突きつけ、A組合員の私物を持ち出す時間さえ与えず社外に追い出した。すぐに組合に加入し、組合は解雇撤回を求め幾度も団体交渉を申し入れたが、会社は応えず、自宅待機を延長し、2月14日に一方的に解雇通知書を送りつけ解雇した。
 会社が出してきた解雇理由証明書には解雇理由が7項目記載されている。しかし、どれ一つとして具体的事実が証明されていない上に、解雇されるに値するものでもない。そもそも解雇前にA組合員に意見を聴く機会を与えるべきだったが、一方的にA組合員の行動を問題視した質問状を送っているだけである。解雇理由の詳細を明確にするのは、A組合員の解雇を決定したよみうりテレビサービスの社会的な責任であるが、1年以上経った今も詳細を明らかにしようとせず、役員が全員交代した現在も誠実な態度も示さず団体交渉も拒否し、時間を引き延ばしているだけである。労働組合は再三にわたってA組合員の解雇撤回を申し入れている。解決に向け行動しなければならないのは、よみうりテレビサービスの経営陣である。
 
 民放労連第133回定期大会の名において、あらためてA組合員の解雇撤回を強く求める。

 右、決議する。

2021年8月13日
日本民間放送労働組合連合会 第133回定期大会

株式会社よみうりテレビサービス 代表取締役社長 原 俊一郎 殿

民放労連第133回定期大会アピール(2021年8月13日)

 新型コロナウイルス対策で4回目の「緊急事態宣言」が出されている状況下で、1年延期となった2020東京オリンピックが開催されている。連日の猛暑の中、各国の選手たちによる熱戦が繰り広げられる一方、感染者の急増で医療体制がひっ迫し、メディアを飛び交う情報も錯綜している。私たちは今年もオンラインで民放労連第133回定期大会を開催した。
 
 大会では、会社合併への組合の対応や、新人事制度と賃金闘争、また平和課題や政治的な問題への取り組み方や企業内組合からの脱却など、運動方針や労連のあり方について活発な意見が出された。また、会費引き下げの規約改正案については、労連活動の縮小を懸念する声も聞かれる一方で、若手の組合員の結集のために歓迎する発言も複数出された。加えて、仕事にも育児にも忙しい働き世代の立場から、大会を土日ではなく1日開催とするよう求める意見も多数あった。これまでのあり方も見直して、若手組合員の民放労連活動への一層の参加を期待したい。
 
 安心して働ける放送業界とするためには、各種ハラスメントの根絶が必要だ。民放における男性中心の職場環境を改めるためにも、ジェンダーバランスの改善も急務となっている。女性協議会による民放テレビ・ラジオ局の女性割合調査は、企業の最高幹部や番組制作部門の責任者に女性がいない放送局が多数に上ることを具体的なデータで明らかにした。メディアのジェンダーバランスの不均衡は、報道や番組の内容に影響し、ひいては社会的な課題の設定にも波及する。経営者たちの意識変革を、労働組合からも強く働きかけるチャンスと捉えよう。
 
 朝日放送ラジオ・スタッフユニオン争議は、大阪府労委での労働者側勝利命令の後、中労委で会社側がようやく和解に応じた。中労委は会社側に対して再発防止を強く要請している。4年以上に及んだたたかいが解決したことをともに喜び、これまでの苦労をねぎらいたい。一方、よみうりテレビサービスでの解雇争議では、会社側は理由の明示もなく回答を引き延ばす不誠実な態度を続けている。大会では、早期解決に向けて民放労連全体で支援することを確認した。

 いわゆる「同一労働同一賃金」を定めた「働き方改革関連法」は、今年4月から中小企業にも適用が拡大されている。労連内でも、非正規で働く仲間に正社員と同等の制度適用や手当支給を認めさせるなど、不合理な格差を改善させる成果がみられる。この動きを全体に広げよう。
 
 民放経営者と私たち組合員は、共に放送の将来を明るく確かなものとし、魅力的な放送産業としていく義務がある。今こそ、経営者と労働組合との真摯な対話を通じて、次代の放送を切り拓く時期に来ている。民放労連が主催した6月のオンラインシンポジウムでは、今までの古い考え方を捨てて、新たな経営の考え方を導入する必要があることが指摘された。放送が人々から頼りにされるメディアであり続けるために、そして、これから数十年、生き残っていくために、働く者にとって希望の持てる産業とするために、未来ある放送の将来を、労働組合の既存の考え方を変えて、会社と対等な立場で自分たちの将来を共に考えていくことで、自らの力で作り出していこうではありませんか。

2021年8月13日
日本民間放送労働組合連合会 第133回定期大会