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民放労連は、総務省「放送を巡る諸課題に関する検討会第一次取りまとめ(案)」に関し、意見を提出しました

「放送を巡る諸課題に関する検討会第一次取りまとめ(案)」に関し、別紙のとおり意見を提出します。

(要旨)

1.最重要課題は放送の自律を守ること

2.放送局支配に関する規制緩和は必要ない

 

放送を巡る諸課題に関する検討会第一次とりまとめ案に対する民放労連の意見

 

1.最重要課題は放送の自律を守ること

今年、放送を巡ってもっとも大きな社会的関心を招いたのは、総務大臣が、番組の内容によっては電波停止の処分を下す可能性がある、という趣旨の発言をしたことであった、と言える。憲法が保障する言論・表現の自由、放送法が保障する放送番組編集の自由を脅かすような発言が所管大臣から繰り返し行われたことは非常に憂慮すべき事態であり、政治的圧力と言わざるを得ないこうした言動から放送の自律をいかに守るか、という課題が、最優先で検討されるべきである。

こうした発言が堂々と行われ、一方で当事者であるはずの放送事業者からは的確な反論がほとんどなされない、という今日の状況が生じているのは、放送事業を営むにあたって不可欠な要素である放送免許が政府による直接免許制に置かれ、そのことが放送局に威嚇効果をもたらしているからに他ならない。先進諸国の間では独立行政機関による間接免許制が一般的であり、現在の日本のような制度は極めて異例なものである。日本にもかつて短期間存在した電波監理委員会による放送行政の再検証を含む、制度上の問題を検討することなしに、放送の自律は確保できないと考える。

この「第一次とりまとめ案」に、こうした放送制度・放送行政の根幹にかかわる問題意識がまったく欠落していることに、猛省を促したい。

 

2.放送局支配に関する規制緩和は必要ない

第二章「今後の具体的な方向性」の(2)「地域に必要な情報流通の確保」の末尾に、「認定放送持株会社制度の子会社数の制限の緩和等」という文言が唐突に出ている。このような規制緩和策は、大資本による放送事業の経営の選択肢の拡大にとって有利な制度整備ではあっても、地域の放送を担う個々の放送事業者には、いったいどのような影響が及ぶのか。むしろ放送局の統廃合などによって、地域の視聴者の情報環境への弊害となるおそれが強いのではないか。

とりまとめ案の中に「各放送事業者からのヒアリングにおいてはこれらの制度等を含めた制度改革に対する要望はなかった」と書かれているのに、そのすぐ後段に、認定放送持株会社制度の規制緩和について「検討を進めていくことが適当」と記載してあるのは、論理的な整合性がなく、理解不能である。

現状では、ただでさえキイ局による系列ローカル局の支配が進行している上に、情報源の東京一極集中をさらに推進しかねないような規制緩和は、地域情報確保の観点からまったく不要である。むしろローカル局の番組制作能力の確保・拡充のために、人的・経済的な支援制度を整備することこそが検討されるべきではないか。

以 上

民放労連 第123回定期大会 決議6「日本政府による沖縄に対する植民地的暴力を許さない決議」

日本政府による沖縄に対する植民地的暴力を許さない決議

【提案 沖縄地連】

 

空も海も「沖縄ブルー」に染まる豊饒な真夏。照り付ける太陽の下、県内各地は農作物の収穫に追われ、その喜びである今年の豊作に感謝し、来る年の夏の豊饒を願う「豊年祭」でにぎわう。だが、今年は祝いの場が無残にも切り裂かれてしまった。引き裂いたのは誰なのか!

参議院議員選挙の投開票の翌日、この国の政権は沖縄に牙をむいて襲い掛かった。名護市辺野古の北隣にある東村高江地区を囲むように造られる、アメリカ軍に提供する施設でのオスプレイの着陸帯建設に反対する住民にである。通称ヘリパッド。だが単なるヘリコプターが離発着するしろものではない。あのオスプレイのための滑走路といっても過言ではない。

人々はヘリパッド建設阻止のために県内各地から詰めかけた。ところが政府は警視庁をはじめ沖縄以外の府県から機動隊五〇〇人を動員。しかも私服の公安警察五〇〇人も投入しているといわれている。あわせて一〇〇〇人が県道を封鎖し、反対する住民を強制排除してヘリパッド建設の資材搬入を手助けしているのである。

沖縄の人々は、参議院議員選挙で名護市辺野古での新基地建設を進める沖縄選出の現職大臣を落選させた。県内移設反対の公約を反故にして安倍政権から沖縄担当大臣に任命された人である。しかもおよそ一一万票近くの大差はまさに沖縄県民の怒りの表れといえよう。県民はその前の衆議院議員選挙でも沖縄四選挙区すべてで自民党現職に見切りをつけている。これが沖縄の「民意」である。

今夏の参院選は「東北の乱」ともいわれたが、「民意」はその土地土地で決まるものだ。そこに住む人々の意思を汲まずに顧みない権力も、国策にあらがわず知らんふりを決め込むメディアも猛省すべきではないか。

沖縄県の翁長雄志知事は「政府は全く聞く耳を持たず、強行に新基地建設を推し進めることは民主主義国家のあるべき姿からは程遠いと言わざるを得ない」と厳しく批判した。

沖縄はここまでやりたい放題されてきた。EU離脱を決めた英国では一部が独自でEUに留まることも議論されているという。沖縄は「琉球」として自己決定権を取り戻そうという選択肢が現実味を帯びてくるかもしれない。強権的な政府の沖縄に対する植民地的感覚と言うしかない暴力は絶対に許してはならない。許せば強権は国民すべてに襲い掛かる。その闘いの一里塚が沖縄である。われわれ民放労連は、権力による沖縄への差別的暴力に抗議するとともに、辺野古新基地建設および高江ヘリパッド建設を断念に追い込み、米軍基地の全面撤去を強く求めていく。

右、決議する。

二〇一六年七月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二三回定期大会

民放労連 第123回定期大会 決議5「佐藤典子組合員のKBS京都無期直用化を求める決議」

佐藤典子組合員のKBS京都無期直用化を求める決議

【提案 近畿地連・京都放送労組】

京都放送労組の佐藤典子組合員は現在、株式会社ササキデザインルームに雇用されているが、一八年間もの長期にわたり、低い賃金・労働条件でKBS京都一筋にテロップ業務を通じてテレビニュース番組の充実のために多大な貢献をしてきた。

とりわけこの一八年間は、KBS京都再建途上で一番厳しい時代であった。この中で佐藤組合員はKBS京都の仲間とともに粉骨砕身ニュース番組の放送に力を尽くしてきた。

KBS京都は去年十月、債務五十億円の完全弁済を終え無事再建を達成した。

これをうけ京都放送労組は、去年の秋闘で再建に寄与し多大な貢献をしてきた佐藤君の永年の労に答えるため、偽装請負の実態を解消し、佐藤君をKBS京都に直用化する要求を提出した。

しかし会社は組合の切実なこの要求を拒否し続けている。

会社はこれまでKBS京都で働く構内非正規スタッフの多くの人たちを社員化・直用化してきた歴史的事実がある。佐藤君の実態も過去解決してきた歴史的なケースと酷似している。

民放労連に結集する私たちは、KBS京都の再建に少なからず貢献してきたという自負がある。そしてまた新生KBS京都にも大きな期待をよせ、今後も協力していく強い決意を持っている。

再建達成後初めての新年度を迎えたKBS京都は、今こそ二度と経営危機を起こさぬよう労使が協力していかなければならない。そのためにも組合が強く解決を求める佐藤組合員の直用化を実現し、KBS京都の再スタートをきることが欠かせない。

私たちは京都放送労組の佐藤君無期直用化要求を強く支持し多くの署名を今も集めている。解決するまで民放労連をあげてともに闘うことを今日の大会でも決定している。

貴殿がすみやかに英断をくだし、早急に要求を解決することを強く求めるものである。

右、決議する。

二〇一六年七月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二三回定期大会

株式会社 京都放送

代表取締役社長 千代 正實 殿

民放労連 第123回定期大会 決議4「圧力に屈することなく、放送の自由を守りぬく決議」

 圧力に屈することなく、放送の自由を守りぬく決議

【提案 労連本部】

先におこなわれた参議院選挙に際して、テレビ・ラジオなどマスメディアは、有権者に必要な情報を送り届ける報道機関としての機能を、十分発揮できたと言えるだろうか。報道番組や開票特番の制作に当たった大勢のスタッフの努力にもかかわらず、「選挙報道の質も量も低下している」と視聴者から厳しい批判にさらされている。

それが政治的な圧力による萎縮や自己規制の結果によるものだとしたら、まことに憂慮すべき事態だ。

高市早苗総務相が今年二月、政治的公平が疑われる放送が行われたと政府が判断した場合、その放送局に対して「行政指導しても全く改善されず、公共の電波を使って繰り返される場合、それに対して何の対応もしないと約束するわけにいかない」と述べ、放送法四条違反を理由に電波法七六条に基づいて電波の運用停止を命じる可能性に言及した。これを受けて総務省も、放送番組の政治的公平の判断において、大臣答弁と同趣旨の「政府統一見解」を明らかにしている。

しかし、「放送番組編集の自由」を基本とする放送法が、その自由を抑制するために権力者たちに利用されるというのは、およそ信じられない事態ではないか。放送法第三条に「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」とあるとおり、政府や政権政党が放送に不当な圧力をかけることこそ、放送法違反行為として責任を問われなければならない。

一連の大臣答弁や総務省の見解は、権力者にとって都合の悪い番組を放送させないよう、放送局に露骨な圧力をかけて報道活動の萎縮を狙うもので、絶対に許されない。そもそも、世界中のメディアからその動向を監視される立場にある日本政府が、放送番組の政治的公平性を判断しうる立場にあるはずがない。今年二月末にテレビキャスター有志が「私たちは怒っている」とするアピールを公表して一連の大臣発言を厳しく批判したが、その怒りは放送の現場で働く私たちすべてのものでもある。

視聴者の厳しいメディア批判は、「テレビをはじめとするマスメディアが、権力者と結託して国民の知る権利に応えようとしない」と感じているからに他ならない。首相と頻繁に会食するなど、一部のメディア企業のトップの姿勢は目に余るものがある。このような経営者たちが自ら襟を正すことを、私たちは強く求める。

同時に私たち放送労働者自身も、さまざまな圧力に屈することなく、放送の自由を守りぬくために、よりいっそう奮闘することを誓う。

右、決議する。

二〇一六年七月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二三回定期大会

民放労連 第123回定期大会 決議3「憲法「改正」に反対し、立憲主義を守るために不断の努力を宣言する決議」

憲法「改正」に反対し、立憲主義を守るために不断の努力を宣言する決議

                          【提案 労連本部】

 七月一〇日に行われた参院選で、自民党・公明党ほか「改憲勢力」が三分の二を超える議席を占め、自公連立で三分の二を確保している衆院と合わせ、憲法改正の発議が可能となった。安倍晋三首相は投票日翌日、「いかにわが党の案をベースに三分の二を構築していくか。これがまさに政治の技術だ」と発言し、あたかも改憲が既定路線であるかのような姿勢を示した。

言うまでもなく、今回の参院選は憲法を争点としたものになってはいない。安倍首相自身、選挙期間中は憲法にほとんど触れず、「(改憲を)争点とする必要はない」とまで語っていた。にもかかわらず、衆参両院で3分の2を得た途端に、改憲が国民の信任を得たかのような発言をし、しかもそれが「政治の技術」などと述べることは、卑怯かつ、姑息な、ありとあらゆる非難に値する行為だ。

より憂慮すべきなのは、自民党の憲法「改正」が、立憲主義の原則自体を変える方向にある点である。二〇一二年に発表された自民党の憲法改正草案は、国民が権力を拘束するという立憲主義の本義からはずれ、国家が国民を拘束し、国家に奉仕させんとする意図が明白なものとなっている。一例が、現憲法の「公共の福祉」に代えて「公益及び公の秩序」という用語を多用し、国民の自由および権利の範囲を恣意的にいくらでも制限できるようになっている点だ。

昨年九月、自民党政権は、世論の過半数が反対し、憲法学者の圧倒的多数が「憲法に違反する」と声を上げるのを無視し、集団的自衛権を行使して海外の戦争に日本が荷担することを可能にする「戦争法(安保関連法)」を、強行採決によって成立させた。安倍首相らが企図する改憲の真の狙いは、このような暴挙にお墨付きを与えるよう、憲法上の制約を取り払うことである。

私たち民放労連は、立憲主義を否定する改憲の方向性に、深い憂慮と警戒感を表明する。国家のために個人の権利や表現の自由を制限し、多数派の一存で国の根幹を変えられるような社会になってはならない。また、真の狙いを隠蔽し、蟻の一穴を狙うかのような「お試し改憲」にも、断固反対する。災害への緊急対応などを理由に政府や自民党が導入に前向きとされる「緊急事態条項」も、人権を制限し、権力の独裁につながりかねないため、決して許してはならない。

憲法十二条は、私たちが手にする自由及び権利は、「国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」と定め、自由と平和を守るための努力を要請している。この精神を活かそう。現憲法を尊重維持し、それを活かして行くために運動を続けることを、私たちはここに宣言する。

右、議決する。

二〇一六年七月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二三回定期大会

民放労連 第123回定期大会 決議2「安倍政権が推し進める労働法制改悪に反対する決議」

安倍政権が推し進める労働法制改悪に反対する決議

 【提案 労連本部】

 七月の参院選での勝利を受け、安倍政権はさらなる労働法制の「改悪」を推し進めようとしている。日本経済の回復を目指す安倍首相は、「一億総活躍プラン」において、「長時間労働の是正」「同一労働同一賃金」などの働き方改革を掲げている。確かにこれらは、われわれ労働者が長年解決しようと取り組んできた課題にほかならない。しかし、この「改革」は、果して本当にわれわれの生活の改善につながるのだろうか。

「一億総活躍プラン」では、「長時間労働の是正」を掲げているが、これまでに安倍政権が実際にとりくんだのは労働時間の短縮ではなく、「残業代ゼロ」を目指す労働基準法改悪である。この法案で、労働時間規制の適用除外の労働者を作る「高度プロフェッショナル制度」を導入しようとしているが、企業による「ノルマ」の設定次第で、労働者をいくらでも都合よく働かせ放題とすることができ、長時間労働の是正どころか、逆に長時間労働に拍車をかけることになる。

今年四月から厚生労働省では、四七都道府県すべてに過重労働撲滅特別監督管理官を配置し、企業への労働基準監督署の立ち入り調査の基準となる残業時間も月百時間から月八十時間に引き下げられた。しかし、高度プロフェッショナル制度や裁量労働制の適用範囲拡大といった労働法制の改悪が進めば、長時間労働の実態がますます隠されてしまう。一方では規制緩和を推し進めている中で、「長時間労働の是正」は、大きく矛盾していると言わざるを得ない。

また、「同一労働同一賃金」の実現に向けて、非正規雇用の待遇改善を図るとしているが、財界からの反発は大きなものがあると予想され、正社員の賃金を大きく引き下げることにつながりかねない。私たちが望む非正規雇用者の賃金を含む大幅な待遇改善を実現するためには、私たち、労働組合の不断の努力が欠かせない。

今や労働者の約四割が非正規雇用者であるという事実は、まぎれもなく財界と政府が推し進めてきた施策の結果であり、それをさらに助長させるような労働法制の改悪にはすべての労働者が団結して反対していく必要がある。

民放労連は、安倍政権が民意を無視して企業利益優先で強引に推し進める労働法制の大改悪に反対し、憲法を活かし、働くルールを確立するため、全力をあげて奮闘する決意である。

右、決議する

二〇一六年七月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二三回定期大会

民放労連 第123回定期大会 決議1「組織を拡大し、民放で働くすべての労働者の団結を呼びかける決議」

組織を拡大し、民放で働くすべての労働者の団結を呼びかける決議

【提案 労連本部】

依然として日本の労働者の非正規労働者が増大し続けている。一方で外国人労働者が大都市のみならず、全国で拡大し続け、コンビニや外食産業には、店長のみが日本人という店もある。一体、日本の若者は、どこに行ったのか?

中国は、二〇一五年になって、三六年間実施してきた「一人っ子政策」の廃止を発表した。農家では、子供が親より先に亡くなってしまうと後継ぎがいなくなり、年老いた両親は明日の糧さえ得ることが出来なくなるという厳しい現実が生まれている。

一方、私たちの社会も「少子化」を止めることが出来るのだろうか。労働者の賃金を抑えることで、企業が存立するという社会をこのまま突き進むのであれば、そのしっぺ返しが来るのは、遠い未来のことではない。

人手不足という問題もある。放送で働く人たちは、それぞれの「職能」により、技術を培い、経験を積み「番組」という「製品」に仕上げるシステムをもっているが、これ以上、「安価な労働力」に頼っていては、人材を育てるシステムが崩壊し、気が付けば「誰もいなくなった」ということになる。

民放労連に寄せられる労働相談では、過労死の認定基準を超える長時間労働と低賃金、さらには休日や有給休暇の取得もままならず、ストレスによる心や身体の健康被害を訴える人もいる。こうした相談は、非正規労働者だけに限ったことではない。このままでは、「正社員は守られている」という時代も終わる。

「人件費の削減」「番組制作費のカット」などの経営戦略によって、結果、「余裕のない働き方」が、この業界に蔓延してきた。私たちは、いかにして、この状況を打破できるのかを真剣に考えなければならない。

では、どうするか。答えは、労働組合を強くすることである。正規雇用の社員への組合加入を強く働きかけ、私たちの周りで、一緒になって「放送」のために働くスタッフ、構内労働者を組合に加入させることである。「企業内労働組合」の殻を破り、放送で働くすべての労働者のための労働組合「民放労連」を目指そう。

二期目に入った「構内労働者プロジェクトⅡ」の運動をさらに前進させ、民放産業内の差別や格差の解消につながる真の待遇改善と、労働組合への組織化を進めていこう。

民放労連未加盟の単組には、民放労連加盟を呼びかけ、まだ組合に入っていない従業員や非正規労働者に組合加入を呼びかけ、「生活の向上・安定」と「よりよい放送の未来」のために団結しよう。

右、決議する。

二〇一六年七月三一日

日本民間放送労働組合連合会 第一二三回定期大会

民放労連 第123回定期大会 大会アピール

大会アピール

平和憲法の改悪が現実味を帯びてきた。七月一○日に行われた参議院選挙で、非改選議席を合わせた「改憲勢力」が三分の二を超える事態となった。衆参両院で「改憲勢力」が三分の二を超えたのは戦後初。安倍政権が「戦争できる国づくり」を加速させようとしているこの夏、私たちは、立憲主義に基づく平和を堅持し表現の自由と放送労働者の生活を守るため、二五年間をかけて昨年、再建を達成した京都放送労組の地元、京都に結集した。

生活が少しも楽にならない。厚生労働省が七月一二日に発表した二〇一五年の国民生活基礎調査で、生活が「苦しい」と回答した世帯が60・3パーセントに上り、高止まりが続いている。そのような中でも、民放労連の16春闘でベアを獲得した組合は二六組合三支部一分会となり、ベア春闘の流れは確実に成果を上げている。また、構内スタッフへの要求組合は過去最多となり、回答も三九組合一支部。要求に団結した成果だ。私たちは生活を再建し放送を守るため、新年度も組合員のベースアップと年収増、それに構内で働くすべての人たちの労働条件を改善していくため、たたかいをいっそう強化して行くことを決めた。

会社更生法から二一年、再建を果たした京都放送労組は、この間も組織拡大と労働者の仕事と生活を守り続け、今また佐藤典子組合員の直用化を求める新たなたたかいの中で、労働組合の役割をさらに発展させている。組織を拡大することこそが経営者との力関係を優位にし、要求を実現する原動力であることを、ここ京都で再確認した。

今大会で私たちは、放送局構内で働くすべての仲間の賃金・労働条件を向上させるために取り組んでいる「構内労働者プロジェクトⅡ」を核に、再び「一万人の民放労連」をめざすことをあらためて決意した。企業内組合からの脱皮を図りながら、成果を広げつつある構内労働者の待遇改善や慰労金支給の取り組みを強め、労働組合への結集を呼びかけていく。また、企業内最賃協定の締結を、春闘・年末闘争を問わず、すべての単組で要求していくことをめざす。

安倍政権は、数の力を背景に経営側の意に沿い、労働時間・休日などを労働基準法の枠外に置く「高度プロフェッショナル制度」や「企画業務型裁量労働制」に営業職を入れることなどを画策している。長時間労働によって、過労死やうつになっても「自己責任だ」と言わんばかりの悪法の成立を、絶対に許してはならない。

今回の参院選で私たちは改憲勢力の拡大を止められなかった。憲法改正をめぐる議論が徹底的に参院選の争点から隠され、「テレビはなぜ、選挙期間中に争点をもっと報道しないのか」と視聴者から批判を受けた。安倍政権によるマスコミへの介入と懐柔がさらに進んだと見られているのではないか。
公職選挙法一四八条は、「選挙運動の制限に関する規定は、報道及び評論の自由を妨げるものではない」と規定している。放送局経営者は、自粛・萎縮したと批判を受けるような報道姿勢を率直に反省すべきだ。私たちは今こそ国民の知る権利に応え、放送への信頼を取り戻さなければならない。すべての放送労働者の団結で、平和な社会と放送の未来を創り出そう!

二〇一六年七月三一日
日本民間放送労働組合連合会 第一二三回定期大会

第123回民放労連定期大会 報告

第123回定期大会開く

民放労連第123回定期大会は7月30日・31日の二日間、京都市のKBSホールで開催され、全国の単組から108人の代議員(委任含む)などが参加した。この会場は、京都放送労組が21年にわたる再建闘争を、昨年秋に債務弁済完了をもって終結したことを記念して選ばれた。大会は、労連本部の赤塚委員長の開会挨拶に続いて、来賓から日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)の新崎議長(新聞労連前委員長)が挨拶。テレビ朝日労組の上田代議員、朝日放送労組の東代議員、サンテレビ労組の草薙代議員を議長団に選出し議事に入った。

臨時大会以降の主な経過報告に続き、前年度の運動総括を齋田書記長、情勢の特徴を赤塚委員長、新年度の運動方針を齋田書記長が提案した。第二号議案の前年度決算と新年度予算案は小寺副委員長が提案した。また、大会二日目には「構内労働者プロジェクトⅡ」の報告を安部副委員長が、本部で検討を進めている組織財政検討委員会の報告を小寺副委員長が行った。

これらの提案を受けて、二日間でのべ40人の代議員や中執が発言した。

春夏闘について、今年労連加盟した沖縄のRBCビジョン労組が初めてのスト権確立で大幅なベアを勝ち取ったことなど、各労組が獲得成果を報告。構内で働く労働者を対象にしたクオカードの支給など、構内労働者関連の要求実現でも前進回答が相次いだ。京都放送労組は、労働条件の改善のほか、佐藤典子組合員の直用化要求、戦争法反対や脱原発の取り組み、再建闘争後の放送局のあり方提言など、多彩な取り組みを報告した。

沖縄の労組は、6月に開催された「全国女性のつどい」の報告に加え、沖縄県北部の高江での米軍のヘリパッド建設強行や、辺野古の新基地建設について現状報告も行って、大会参加者に理解を求めた。

また、4月に大地震にあった熊本から、熊本放送労組、熊本県民テレビ労組、KKTイノベート労組が報告に立ち、全国の仲間から寄せられたカンパに感謝の意を表するとともに、厳しい状況の中でも闘争を継続していることを報告した。

大会二日目の冒頭には、メディア総合研究所の砂川所長(立教大学教授)が特別講演を行い、総務省で検討が進められている放送持株会社制度の規制緩和の動きや、ローカル民放局の財務状態について解説。ほとんどの民放局は新社屋建設を自己資金で賄えるなど、潤沢な資金をため込んでいることを指摘した。

大会の最後に本部の齋田書記長が討論のまとめを行い、内部留保の還元を求めて、要求にこだわって納得するまでたたかうことの重要性を強調した。

討論終了後、議案について一括して採決を行い、全会一致で採択。「組織拡大」「労働法制改悪反対」「平和憲法を守る」「放送の自由を守る」「沖縄に対する政府の暴力を許さない」「京都放送労組佐藤組合員の直用化」の大会決議を拍手で採択した。役員選挙は定員内の立候補のため信任投票となり、再任の赤塚委員長・齋田書記長はじめ立候補者全員が信任された。永らく本部専従を務めた安部副委員長が退任し、プロダクション・関連労組から新たに2人の常任中央執行委員が信任された。

京都放送に直用化を求めている佐藤典子組合員が大会アピールを提案し、全員の拍手で採択された。最後に赤塚委員長の音頭で団結ガンバローを三唱して、大会全日程を終了した。